こんにちは、農業委員会の吉田です。
2月に入ると頬にあたる風の冷たさは変わらずとも、日に日に春が近づいてきていることを感じたくなって、マフラーを緩めたり空を見上げながら思いきり空気を吸ってみたり・・・。
もちろんこんな時はまた一つ歳をとっていくなどとは考えずに、ただただ季節の移ろいに五感をすませてみるわけですが、物欲にまみれた我が身には相変わらずの寒さだけが身にしみて、春はまだまだとぼやく日び続きます。
そのような中、今秋行われる国勢調査に先立ち、農林業分野の国勢調査といえる「農林業センサス調査」が実施されています。
我が国の農林業の生産構造、就業構造を明らかにするとともに、農山村の実態を総合的に把握し、農林行政の企画・立案・推進のための基礎資料を作成、提供することを目的として、5年に一度、2月1日を基準日として全国一斉に実施される調査です。
過去調査時における本市農家数と専・兼業内訳
上記表は平成22年の前回調査までの30年間農家数推移ですが、平成17年調査からより実態を把握するため、農家数調査から販売農家への調査に対象が絞られてきました。「販売農家」とは、経営耕地面積が30アール以上又は農産物販売金額が年間50万円以上の農家をいい、表中カッコでくくられた数値で示しています。
また、兼業農家のうち、主な所得を農業から得ている場合を第1種、農業以外からの所得が主となっている場合を第2種として分類していますが、この10年間では専業農家や第1種農家については大きな減少はなく、本市では業として農業が保たれていることがわかります。
一方で、農業委員会が許認可している農地を農地以外のものとする農地転用件数は下表のようになっています。
農地法第4条・第5条許可届出の状況(用途別の用地転用)
前回の農林業センサス実施基準日が平成22年2月1日のため、平成21年度から集計済の平成25年度まで5年間を比較してみました。
ここ数年転用面積が減少しているのは転用しやすい農地や転用価値のある農地が少なくなってきているものと思われますが、一時転用も含めると約18.5ヘクタールの農地がこの5年間で消えたことになります。
前回調査では市内に存在する農地面積が約190ヘクタール、今回の調査ではさらに1割前後減少することが予測されますが、本市の貴重な農地を農地として残していくためには、農業公社が行っている農地の借り上げを進めていくとともに、農業を業とされている農家さんへの農地集積が重要になります。
農業委員会では遊休農地を指導する際に、小作権が付帯しない農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定と、同じく同制度を利用して無償で農地をお預かりする農業公社への貸し付けを勧めていますので、身近にそのような農家・農地があればぜひご連絡いただきたいと思います(詳しくはこちら)。
農業公社では、お預かりした農地は無駄なく植え付け年間通じてフル活用することを基本にしており、この時期は多くの畑に植えられたタマネギが春の収穫を待っています。
キャベツ畑に防鳥ネットを張る公社職員
また、農業公社が自ら耕作した野菜と市内農家さんから集荷した「箕面産野菜」は中学校給食の食材として活用されていますが、中学校給食が始まった昨年度が重量ベースで野菜総量の15.3%だったのに対し、平成26年度は20パーセントを超えるようになりました。大阪府内の学校給食における府内産野菜の地産地消率が9%(H25年度)であることを考えると驚きの数値と言えます。
平成26年度箕面市中学校給食での野菜地産地消量・率(量はkg)
農地は耕作をしてこそ生きた農地となります。高齢化や担い手不足など、農地を所有することでお困りなどのご相談はいつでもお受けいたしますし、現地でのお話も可能です。少しでもお困りでしたら、ぜひご連絡いただきますようお待ちしています。
さて、人間の欲望にはいろいろあるようですが、その中の一つに物欲があります。
以前に部屋の片付けをした時に古いフィルムが出てきたということを書いたと思いますが、 一枚一枚スキャナで読み取るのが手間で、良い方法がないかと探していたところ、いいものを見つけました。
左の白い部分辺りにフィルムを挟んで、蛇腹の右端にカメラをセットし、フィルムの裏からストロボを当ててシャッターを押す。簡単にいうとフィルムをデジタルカメラで撮る、という道具です。これで、眠っていたフィルムが高画素デジタル画像になる、という優れものです。
ここに写真があるということはすでに買ってしまっているということですが、まぁ写真を撮るということ自体、その場その時気に入ったものを自分のモノにするという物欲行為と思いますし、こういうのを見つけるとどうしても欲しくなります。
かつて、そうした物欲を自嘲し自制するために書いたのがこの絵ですが、結局なんの役にも立ちませんでした。
しかし、この道具、以外に結構使えます。
これは、最近のデジタルカメラで撮った芦原池から見た現在の中央学習センター。
フィルムから撮り直した約27年前の姿がこちら。
この赤い物体、もともと施設ができた時にはこういうモニュメントがあった・・・のではありません。これは1988年、開設記念事業の一つとして開催した「アパルトヘイト否! 国際美術展」のシンボルであった風船トレーラーです。
この展覧会は、1983年より南アフリカのアパルトヘイト制度に反対する世界中の芸術家たちが作品を寄せ、世界中を巡回したもので、日本では1988年から2年間にわたり194か所で開催され、38万人が観覧されたといいます。
箕面では三日間の開催でしたが、児童・生徒を含め多くの方がたが来場されました。この頃の事務所の様子もフィルムにありましたが、年月が経ち今も現役職員として残っているのは私だけになってしまいました。
オープンした頃の事務所風景
池の対岸から学習センターを見ると、この収納式の赤い風船を乗せたトレーラーを思い出します。夜間になると内から照明が点灯し、ミラーボールもあったような気がしますが、それは綺麗なものでした。
あの頃の出来事が鮮やかに甦る!
別にこの道具を使わなければできない訳ではないですが、ね。
かつて私が教育委員会に所属していた頃、当時の教育長さんが「自分に投資」することがいかに大切か職員に話されたことがあります。「本を買うのもよし、習い事をするのもよし、若い間にそうすることで、それが人を豊かにし仕事に生かすことが出来れば何より」というような内容だったと思います。投資と物欲が結びつくかどうかはわかりませんが、これも何かの役に立つことがあればいいのかなと、あらためて教育長さんのお話をかみしめる次第であります。
ところで、人にはそれぞれ特徴があって、「なるほど君」というのが職場にいるということを以前書いたことがあります。
私の友人の一人にO課長というのがいまして、彼はサーフィンが趣味で冬場でも海へ出かけていきます。腕前もかなりのものらしく、そのへんのサーファーとは比べものにならないほど、と本人は言います。それほどの彼ですので、自分の波乗りを浜辺から見られるのがうれしいようで、私は彼を「見て見て君」と評しています。
さすがに一年中海に出かけていると冬でも日焼けしたままで真っ黒な顔をしていますが、あるとき一緒にお寿司屋さんへいった時に、何が好きかと聞きますと「真っ黒」→「まっくろ」→「まっぐろ」→「まぐろ」と答えたかどうかは、皆さんのご想像におまかせします。
そのマグロ、といえば前回も書いた近大マグロ!
その近大マグロが某大手回転寿司チェーンで期間限定提供されていると聞いて、行ってきました。
味や値段はともかく、なるほどこれが近大マグロ(正確には「近大で生まれたマグロ」だそうです。)かと味わってみましたが、普通に食べる天然マグロと変わらないというか、養殖でマグロが、しかも完全養殖で食べられるということ自体がすごいことなのです。このお店では一皿でいろいろな部位が楽しめるという趣向で提供されていました。
マグロは泳ぐことをやめると窒息して死んでしまうため、寝ているときも泳いでいるそうです。そんなマグロの完全養殖に32年間も研究を続けて成功された近畿大学水産研究所の宮下教授の講演会をあらためてご案内します。
宮下 盛 教授
この2月14日(土)、メイプルホール大ホールで午後1時から開催(詳しくはこちら)。
解体ショーや試食はありませんが、それはスーパーでもかなうこと。研究の苦労話だけでなく、お魚と和食からどのような食育話が伺えるのか、かなり面白そうな講演会になりそうです。しかも無料。私なら講演会に参加してからバレンタインデートというのをお勧めしますがいかがでしょう。
箕面産野菜の販売もあり、子どもたちの考えた料理メニューの表彰式など、主催イベントである「箕面食育フェア」は盛り沢山な内容ですが、先日、広瀬部長さんがご紹介されていましたのでそちらもご覧ください。
以前に、池田市の逸翁美術館で箕面の滝や四季をデザインした琵琶が展示されていたことを書きました。
琵琶といえば「耳なし芳一」しか知りませんでしたが、それ以来、琵琶の音色と琵琶法師の語りというものに興味が沸き、 川村旭芳(かわむらきょくほう)さんという女性筑前琵琶奏者の演奏会に行ってきました。旭芳さんは8歳よりお母さんの勧めで、元宝塚歌劇団に所属し今は筑前琵琶奏者として活躍されている上原まりさんのお母さんである、筑前琵琶日本旭会総師範 故二代目柴田旭堂氏に師事されたとのこと。
当日の演目は、NHK大河ドラマで放映された黒田官兵衛にまつわるもの三目で、豊臣秀頼の家臣であった木村重成にまつわる「伽羅の兜」、炎上する大坂城から徳川家康の孫娘である千姫を助け出したという「坂崎出羽守」、そして軍師官兵衛~父子の絆の物語~「黒田長政」。
歴史に詳しい方からは史実と異るというお声が聞こえてきそうですが、そんな野暮なことは言わずに琵琶語りの作品として聴いているとなかなか楽しめるものでした。旭芳さんは筑前琵琶奏者ですが、琵琶には五種類ほどあって音色や奏法も異なりそれぞれ流派も存在するそうで、なかなか奥が深い世界のようです。
今月25日の午前11時20分からNHK-FM「邦楽のひととき」で、旭芳さんの演奏による「那須与一」と薩摩琵琶奏者の演奏が放送されるそうですが、耳なし芳一はそれらとも異なる平家琵琶の奏者だったとか。
残念ながら会場である市立枚方宿 鍵屋資料館内は撮影禁止でしたので、演奏風景はありませんが建物外観です。
いかにも歴史ありげな様子ですが、ここはかつて東海道の宿駅であった枚方宿に実存した宿跡を資料館としたもので、有名な「くらわんか舟」や「三十石船」などの模型や映像があり、裏手にある淀川のかつての往来の賑やかさを想像することができます。
普段あまり足を向けたことのない枚方の町でしたが、箕面や北摂とまた違った文化や歴史に少し触れることができました。少し興味を持ったことを追いかけていくと、結構おもしろいものに出会うこともあるとあらためて実感した1日でした。
最後に今月の一枚。
かつて農地だった市の所有地を、しばらくの間農業公社で管理することになり、先日友國隊員が耕起しました。
その様子を土手から見る親子・・・。お母さんは何を話されているのでしょう?この間、脇道を通っていく人も皆のぞき込んで行かれます。
ありふれた光景が、今では珍しいものになっているのでしょうか。農作業を見かけることが当たり前でなくなるとしたら少し怖い気がします。
三十年後、箕面でもこんな風景があったとこのブログで紹介する職員がいるとしたら、滑稽のようで恐ろしくもあり、そういえば雑誌や映画でみる未来都市に農地はでてこないなあと、、、まさかの思いで作業を見守っていました。
ではまた次月、ありがとうございました。
小さな画像は左クリックすると少し大きな画像になります。
箕面市では、3月31日まで『明日くるかもしれない大災害!今すぐ始めよう!家庭の備え』の統一キャンペーンを実施中です。