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新潟と岩手の被災地を視察して

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 みなさんこんにちは 市長政策室長の具田です。

 未曾有の東日本大震災からもう8ヶ月が過ぎました。被災地では何とか仮設住宅に移られたようですが、これからは厳しい冬が待ち構えています。被災地の行政やボランティアのかたがたは、精一杯の対応をされているとは思いますが、まだまだ復興の兆しが見えないようにも思います。
 箕面市では、東日本大震災で被災された岩手県大槌町と、7月29日に福島・新潟豪雨によって被災された新潟県三条市に、災害復旧・復興支援のために職員を派遣しています。このたび、職員の有志とともに、三条市と大槌町へ視察と派遣職員の激励に行ってきました。
 
 まずは、新潟県三条市です。

 三条市の被害の概要は次のとおりです。
   死者                1人
   負傷者      2人
   罹災世帯 2,193世帯 (罹災者数6,418人)
      被害総額 約175億円 (内、農林水産関係 約141億円)

<下田庁舎の対策現地本部>

 三条市のこの災害は大阪でも報道はされたものの、人的被害が少なかったこともあってか大きくは取り上げられることも無かった気がします。しかし、累計雨量が985ミリの豪雨により大きな被害となったもので、この雨量は、台風12号の和歌山での累計雨量が約1,100ミリ、本市の年間の累計雨量が約1,400ミリ(平成21年)ですので、これらからも豪雨の凄まじさが伺えます。
 本市からは、9月12日から来年3月末まで職員を派遣し、主に3,000カ所以上もある農業被害箇所の復旧作業に取り組んでいます。幹線道路や主要河川などは一部仮復旧が進んでいますが、特に農業被害への対応はこれからのようです。被害の現状は写真のとおりです。

 

<河川の被害>

 

<仮堤防と仮設道路>

 

<河川護岸の崩壊、中央のコンクリートが元の護岸の位置>

 

<農地の崩壊>


 また、三条市には、本市止々呂美にあるスノーピーク箕面自然館とキャンプフィールドを運営する”株式会社スノーピーク”があることでも本市との繋がりがあります。下田庁舎の近くにあったのでキャンプ場を併設された本社“Headquarter”に立ち寄ってみました。

 

 

 

 

 

<オフィスは社長さんも含めフリーアドレス。見学コースからも視察可能>

 さて、翌日500km離れた岩手県大槌町に向かいました。途中郡山市に入りますと、歩道などで”除染作業”をされており、単に豪雨や大地震、津波による被害とは違う苦しさが垣間みられました。

<歩道での除染作業>

 岩手県の沿岸の市町村の被害は甚大で、大槌町も役場を中心にした地域が津波にのみ込まれ、死者約800人(内、役場引き取り250人)、行方不明者540人とのことです。
 12日付の朝日新聞では、当時11人いた課長7人が死亡・不明の上、3人が定年でほぼ全課で新任課長となった。そこで新たに5部1局を設け、副町長と部局長の8ポストの内6人が国や県の職員が就任したとのこと。一方、新規採用試験も実施され、町外の志願者も含め37人がまずは筆記試験に合格したとのことです。
 
 本市の派遣職員からは、職員はどれだけいてもそれ以上に仕事はあり、また、上司も部下もそれぞれ仕事を分担して、実質分担の仕事はほとんど一人で判断している状態とのことでしたので、しっかりとした組織体制が確立され、復興に進んで行くことに期待しています。
 当日は、副町長さんと教育長さんにお時間をいただき、被災時の様子や仮校舎(小・中学校)ができての子どもたちの様子、また、本設の小中学校は小中一貫校とするため、箕面市からも資料やアドバイスをいただききたいとの依頼をお受けしました。
 
 訪問させていただいた当時に現地に派遣していた職員(建築技術者と保健師)は、すでに任務期間を終え帰任していますが、新たに建築技術者と戸籍の経験職員を派遣しており、その後も保健師の派遣も予定しています。これまでは、大槌町から車で1時間30分ほどの遠野市から毎日通勤するような環境にもあったのですが、11月からはお隣の釜石市の仮設住宅が借りられたことから車で15分程度で通勤ができるようになりました。復旧に伴い住民の生活環境が徐々に改善される中、私たち応援する側の環境も少しずつ改善されています。

 

【隣接する釜石市の様子】

 

<釜石港付近>

 

<手前の岸壁にこの船舶が乗上っていた>

 

<まだまだ放置された船も>

 

 

<大潮になると冠水も>


【大槌町の様子】

<仮設の役場前から>

 

<高台からの様子。鉄筋造りだけが残り、海沿いに瓦礫が山に積まれている>


 

<1階が壊れたまま再開されたビジネスホテル>

 

<昭和8年の大津波の石碑>
 石碑には、
「一、地震があったら津波の用心せよ。一、津波が来たら高台へ逃げよ。
一、危険地帯に居住するな」と書いてあったのですが・・・

 

<あの日のままの大槌町役場。献花台だけが変わりました>

 

<小中合同仮設校舎。本市派遣職員が担当>

 




<秋田県からもかわいい応援が>

 

<本市派遣職員と別れて陸前高田、気仙沼へ>

 

【陸前高田市の様子】

<一本だけ残った奇跡の一本松>

 

<広大なまちが瓦礫と化した陸前高田>

 

【気仙沼市の様子】

<火災に遭った歩道橋>

 




<港から500m以上も離れた街中の船舶が未だに>

 



<港の桟橋も未だにそのまま>

 



<ミュージアムも漁船も>

 大槌町、陸前高田市、気仙沼市、それぞれの街では、この8ヶ月間必死で復旧・復興に立ち向かってこられたと思います。それでも未だに復興に向けた槌音が聞こえていないようにも感じました。
 外から感想を述べるのは簡単ですし、見た目以上に死に物狂いで取り組まれていることは否定しませんが、基礎自治体だけの頑張りでは空回りなのかもしれません。阪神淡路大震災との様々な違いはあるのでしょうが、あの大震災とあの後の復興を微かに知る者としては少し残念な気持ちです。
 いずれにしましても、早期の復旧と確実な復興への槌音が響きだすことを願うばかりです。

 

 さて、恒例のラーメン激戦区のコーナーなのですが、今回は視察旅行で見つけたご当地ラーメンを紹介します。
 まずは、三条市の三条カレーラーメンです。公式ホームページもアップされ市内の名店を紹介するパンフレットで32店舗も紹介し、自らをB級グルメ界の黒船と称されています。

 

 次に、三陸海岸沿いの道の駅で頂いた、海の幸三昧のラーメンです。こちらは、この道の駅での名物のようで、えびやかにや海藻がふんだんに乗っており、最高でした。

 

箕面市では、10月から12月まで「子どもたちに残したい箕面の山なみ! みのお山麓保全ファンドに寄附をお願いします!」統一キャンペーンを実施中です。


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