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麻しんと風しん

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皆様こんにちは。病院事業管理者(兼)市立病院事務局長事務取扱の稲野です。

立春を過ぎ、日没がやや遅くなってきました。寒さも峠を過ぎたと言われており、日増しに春のきざしが感じられそうです。しかし、まだインフルエンザが流行しています。今シーズンはA型が2種類流行し、終盤になってB型も少し広がってきました。うっかりすると、インフルエンザに3回罹る可能性があります。引き続き、手洗い、特に手指消毒とマスクの着用を励行してください。

(満開の梅の花)

さて、今回は、前回の「インフルエンザ」に引き続き、市内でも患者が発生した「麻しん」と市が独自に補助制度を実施している「風しん」について、ご紹介いたします。

○麻しんについて
テレビや新聞で報道されているように、年明け頃から大阪府でも「麻しん」が流行しています。箕面市でも12月に海外出張されていた会社員のかたが年明けに発症され、開業医や市立病院を受診されたことから、感染が広がりました。現在は、ほぼ終息しており、新たな患者発生の報告はありません。

(国立感染症研究所ホームページから抜粋)

麻しんは、かつては「はしか」と呼ばれ、幼い頃に多くの子どもが罹る感染症のひとつでした。免疫をつけるために、罹患した子どもの家にうつりに行ったという話もよく聞きます。しかし、39度を超える高熱と発疹が出て、肺炎、脳炎などの合併症を発症することもあり、平成12年(2000年)頃には、わが国でも年間20~30人のかたが亡くなっていました。

また、インフルエンザは飛沫感染のため、マスクの着用で予防可能ですが、麻しんは(免疫がない場合には)空気感染するため、普通のマスクでは予防できないことと、インフルエンザのような治療薬がなく、安静と対症療法で回復を待つしかないのが厄介なところです。このため、麻しんの予防には、ワクチン接種により免疫をつけることが何よりも大切とされています。

国においては、麻しんの撲滅をめざし、平成18年度(2006年度)から、1歳児と就学前児童にワクチンの定期接種を義務づけ、麻疹風疹混合(MR)ワクチンが無償で接種できるようにしています。その結果、平成27年(2015年)には、WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局が「日本は麻しんの排除状態にある」と認定するまでになっています。

しかし、海外からウィルスが持ち込まれ、感染が広がるケースがあります。また、過去にはワクチン接種が1回のみの世代や、ワクチン接種の機会が全くなかった世代もあり、この世代のかたは麻しんを発症する可能性がありますので、任意接種(費用は自己負担)をお勧めしています。

(麻しんワクチンの定期接種年齢)

ワクチン1回接種による免疫獲得率は93~95パーセント以上、2回接種による免疫獲得率は97~99パーセント以上とされており、確実に免疫をつけるため、2回接種が必要とされています。しかし、2回接種していても免疫が不十分なため、麻しんに感染するかたもおられますが、もし発症した場合でも、麻しんの症状の一部のみで、軽症とされる「修飾麻しん」で済むケースが多いようです。 

もし、高熱と発疹など、麻しんのような症状があり、医療機関を受診される場合には、2次感染を防止するため、必ず事前に電話連絡をして、その指示に従って受診してください。(市立病院では、他の患者さまとの接触を避けるため、駐車場でお待ちいただき、感染症専用の診察室へご案内して、診察しています。麻しんについて、詳しくはコチラをご覧ください。)

(市立病院入口の注意喚起とお願い)


○風しんについて
麻しんとよく似た名称で、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする感染症が「風しん」です。昔は「三日ばしか」と呼ばれていました。風しんは、麻しんと同様に、国の政策により、2回のワクチン接種が義務づけられています。その効果があり、平成29年(2017年)は発症者が93人まで減少していましたが、平成30年(2018年)は大流行し、2917人のかたが発症されました。今年も2月6日までで、既に367人のかたが発症されており、麻しんとは桁違いに多い疾病です。(麻しんは大流行した平成26年(2014年)で年間462人)

(国立感染症研究所ホームページから抜粋)

風しんの最大の問題点は、妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群(先天性心疾患、難聴、白内障、色素性網膜症など)を発症する可能性があることです。このため、男女ともがワクチンを2回接種して、免疫をつけておくことが何よりも重要です。

風しんワクチンの接種は、麻しんワクチンと同様に、国が平成18年度(2006年度)から、1歳児と就学前児童に定期接種を義務づけ、麻疹風疹混合(MR)ワクチンが無償で接種されています。しかし、過去には1回接種や接種機会のなかった世代のかたもおられるので、同居家族や祖父母など妊婦と接するかたは、免疫があるか抗体検査を受けたうえで、不十分な場合はワクチン接種をお勧めいたします。箕面市では独自の補助制度を実施していますので、ぜひご活用ください。(詳しくは、コチラをご覧ください。)

(風しんワクチン定期接種の年齢と箕面市補助制度の対象者)


【お知らせ】~明日です!
○市民医療講座「知っておきたい脂肪肝と胃腸炎のおはなし」
  日時 平成31年2月16日(土曜日)午後2時~4時
  場所 箕面市立病院リハビリテーション棟4階 いろはホール
  講師 箕面市立病院 消化器内科部長 由良 守医師
           同            医員 森下直紀医師
*参加費無料。予約も不要です。ぜひ会場へ直接お越しください。

 

 

児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。


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