皆様こんにちは。箕面市立病院事務局の稲野です。
6月18日(月曜日)の朝に起こった大阪北部地震は、大阪では過去最大の震度6弱を記録しました。「災害は忘れた頃にやってくる!常に防災意識を忘れずに」と言ってきましたが、大きく揺れたときは「まさか?ホンマかいな」と焦ったのが正直な感想です。
箕面市では骨折をされたかたなど、負傷者が数名ありましたが、生命に関わるような事態は生じませんでした。しかし、崖崩れの恐れがある一部の地域に避難指示・勧告を出しました。また、広範囲で断水がおこり、多くのかたが小学校の体育館等へ避難されるなど、市民生活や都市機能に混乱が生じました。
高槻市をはじめ近隣他市では5名のかたがお亡くなりになりました。亡くなられたかたがたのご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
(たくさんの灯籠や鳥居が倒壊した「小野原・春日神社」の参道)
さて、今回は、去る6月9日(土曜日)に開催された「登録医意見交換会・研修会」について、ご紹介します。
○登録医療機関(医師)制度
箕面市では、市立病院(病)と地域の診療所(診)がそれぞれの特性を生かしつつ、病診が連携して、いわば地域全体がひとつの病院のような機能を持ち、切れ目のない医療を提供する「地域医療提供体制」を構築していると、昨年11月のブログや一昨年8月のブログでご紹介しました。
(地域医療提供体制のイメージ「まずは、かかりつけ医へ」)
それを具体化するため、箕面市立病院と連携した医療を提供することにご賛同いただく医療機関や医師に、「箕面市立病院登録医療機関(医師)」として登録していただいています。本年5月末時点では、491医療機関、525名の医師が登録をいただいており、箕面市以外からもたくさんの医療機関(医師)が登録をされています。
○登録医意見交換会・研修会の開催
登録医療機関(医師)との連携を強化し、お互いが顔の見える関係を築くため、毎年この時期に開催しているのが「登録医意見交換会・研修会」です。今年は、去る6月9日(土曜日)に千里ライフサイエンスセンターで開催しました。以下、その主な内容をご紹介いたします。(同じ趣旨で毎年秋に箕面市医師会との共催で開催しているのが「箕面市病診連携懇談会」です。)
(市立病院・田村総長から「開会あいさつ」)
◆講演(1)~箕面市立病院の呼吸器外科の診療
本年4月1日に赴任した外科部長の徳永俊照医師から、呼吸器外科の診療内容の紹介とともに、その典型的な疾患である「肺がん」について、その進行の様子や手術の適用について紹介しました。徳永医師は「がんが治っても息がしんどくなったり、命を短くしては意味がなく、一方、治療を手控えて、がんが再発してもいけないので、がんの治療と全身のバランスが大切である」と治療方針を説明しました。
(徳永医師)
◆講演(2)~人生100年時代における新たな周術期管理
本年4月1日に赴任した副院長で消化器外科の岡義雄医師から、平均寿命の延伸とともに手術を受ける患者の年齢も高齢化しているため、術前リスク管理の重要性や、リハビリ・栄養士なども含めた医療スタッフがチームとして術後の管理をしていくことの大切さを紹介しました。当院においても、安全・効率・専門性を追求した質の高いチーム力が求められていると結びました。
(岡医師)
○北摂臨床医療研究会
毎年「登録医意見交換会・研修会」に引き続き、開催しているのが「北摂臨床医療研究会」です。これは、箕面市立病院、箕面市医師会と製薬会社が共催しているもので、タイムリーなテーマについて、医薬品の紹介と併せ、外部から講師を招き、研究・研修するものです。今年のテーマは、後期高齢者と糖尿病治療でした。
まず最初に、一般演題として、当院の糖尿病・内分泌代謝内科の河田慶太郎医師から、糖尿病で入院された当院の高齢の患者さまのデータに基づき、治療の経過とともに生活の質の変化について説明しました。
その後、特別演題として、大阪大学大学院医学系研究科老年・総合内科学助教の赤坂憲医師から、「フレイル・サルコペニアをふまえた高齢者糖尿病治療」と題し、ご講演いただきました。
「フレイル」とは、加齢とともに運動機能や認知機能等が低下し、複数の慢性疾患などの影響もあり、生活機能が落ち、心身の脆弱性が出現した状態です。しかし、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態でもあり、健康な状態と介護状態の中間を意味します。
「サルコペニア」とは、筋肉量が減少し、筋力又は身体能力が低下した状態です。 加齢によるものと、不活動・疾患・低栄養などによるものがあり、運動・身体機能に障害が生じたり、転倒・骨折の危険性が増大し、自立した生活を困難にする原因となります。
高齢者には糖尿病など、単に疾病だけの治療を施すのではなく、これらへの早期対応を行うことにより、生活の質や自立性の維持・向上を図ることが大切であると説明されました。
(赤坂医師)
○意見交換会・懇親会
これら研修会終了後は、登録医30名、市立病院関係者53名の計83名で、意見交換会・懇親会を開催しました。市立病院の医師と開業医さんとは、普段は電話でのやり取りが中心ですが、直接顔を合わせて、忌憚のない意見交換ができるのはとても貴重な機会です。登録医さんお一人お一人からも、自己紹介や近況報告をいただき、とても和やかなうちにお開きとなりました。
【たなばたコンサートのお知らせ】
日時 平成30年7月6日(金曜日)午後3時~4時
場所 箕面市立病院リハビリテーション棟1階ロビー
内容 米阪隆広さんのギター演奏
*申込は不要です。ぜひ直接、会場へお越しください。
箕面市ふるさと納税の利用を市民のみなさまに呼びかけるため、2018年7月31日(火曜日)までの間「えっ、箕面市民も寄附できるの?箕面市ふるさと納税!」を統一キャンペーンとして展開します。