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市立病院の建替え~市議会での質疑・提案

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皆様こんにちは。箕面市立病院事務局の稲野です。

秋の行楽シーズン到来と思っていたら、大型台風が襲来し、各地に大きな被害をもたらしました。市立病院では人的被害はなかったものの、いくつかの施設の損傷がありました。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、これから「インフルエンザ」が流行する季節です。今年はワクチンの供給量が例年より2割くらい少ないらしいです。予防接種を予定されているかたは、早めの予約や接種をお勧めいたします。

(台風一過。市立病院から見た箕面の山並み)

さて、今回は、9月4日の部長ブログ「市立病院のリニューアル」の続編として、平成29年第3回市議会定例会(9月4日~10月13日)の一般質問で、4名の議員さんから質疑・提案された「市立病院の建替え」について、ご紹介いたします。

○リニューアル報告書の概要など
昭和56年(1981年)の開院から36年が経過した箕面市立病院は、大阪府内で急性期医療を担う200床以上の公立病院(当院は317床)のうちで、最も古い施設となりました。施設・設備の老朽化が深刻で、最新医療への対応も困難な状況となっています。そこで、シンクタンクに委託して、リニューアルの調査検討を行ってきました。

その結果、「現在の敷地のままで本館・リハビリテーション棟ともに建替える現地建替え案」と「COM1号館跡地等への移転建替え案」がコスト面において同等である。どちらの案も病院の立地として相応しく、両案に客観的な優劣はない、との報告書がまとめられました。
(市ホームページ「箕面市立病院リニューアル調査検討報告書について」)

また、北大阪急行線の延伸に伴う児童生徒の増加に対応して、教育委員会において検討が進められている船場地区の学校建設の候補地は、市立病院と同じく、COM1号館跡地か、移転後の現市立病院敷地とされています。つまり、市立病院が現地建替えとなった場合、新設校はCOM1号館跡地か、建替後の市立病院の残地となり、市立病院が移転建替えとなった場合、新設校は現市立病院敷地となります。(詳しくは、次表のとおり)

○市議会での質疑・提案
市立病院は「リニューアル調査検討報告書」に基づき、建替えることは決定しましたが、どこに建替えるかが宿題となりました。9月4日のブログでもお知らせしたように、アクセス性、敷地条件、建替え工事中の影響など、それぞれの案のメリット・デメリットを考慮しながら、市民を代表される市議会のご意見をお聞きし、学校用地との関係も含めて総合的な検討を進め、「現地建替え」か「移転建替え」かを決定していくこととしました。

そのような状況から、今回の市議会定例会では、次の4名の議員さんから、「市立病院の建替え」に関し、いろいろな角度から質疑・提案をいただきました。質問された順に、以下その概要をご紹介します。(字数の都合で要約していますので、正しくは、「市議会の録画映像」(10月6日、10日、11日の一般質問)をご覧ください。)

◆大阪維新の会・箕面 神代繁近議員
1 学校用地との関係について
【質問】
「市立病院リニューアル調査検討報告書」によると、市立病院の建替え場所は、「現在の病院敷地内」か「COM1号館跡地」。船場地区で建設する新学校も、候補地は「現病院敷地」か「COM1号館跡地」となっている。それぞれの場所で、どのような規模の学校が建設でき、市立病院との関係はどのようになるのか?
【答弁】
市立病院が現地建替えの場合、学校用地は「COM1号館跡地」(17,485平方メートル)か、「市立病院敷地内で新病院建設後の残地」(14,800平方メートル)のどちらか。移転建替えの場合は、学校用地は「市立病院の跡地」(28,000平方メートル)となる。

2 交通アクセスについて
【質問】
建替え場所を検討する際の重要な要素の一つとして、交通アクセスのよさがある。現地建替えと移転建替え、それぞれの交通アクセスはどうなるのか?
【答弁】
現地建替えの場合は、(仮称)箕面船場駅から約750メートル、徒歩で約10分。バスは現在と同様に、オレンジゆずるバスは構内乗り入れ。路線バスは「市立病院前バス停」での下車となる。移転建替えの場合は、(仮称)箕面船場駅から約300メートル、徒歩で約4分。路線バスは構内への乗り入れも期待できる。車の場合は、萱野交差点から新御堂筋を南下し、直接構内に入る。新御堂筋の南側からは、新船場北橋を右折して病院敷地東側からアクセスできると想定している。

3 市薬剤師会薬局に関する調整について
【質問】
市立病院の正門前に箕面市薬剤師会の薬局がある。調剤備蓄センターとしての機能も合わせ持ち、市内の薬局のサポートもしている。薬剤師会薬局の利用状況と評価は?
【答弁】
平成28年度実績で、市立病院の院外処方せん61,025枚のうち、26.1パーセントにあたる15,924枚(1日平均66枚)が箕面市薬剤師会薬局を利用されている。家の近くに調剤薬局がないかたのかかりつけ薬局としての役割や、箕面市での医薬分業の定着に大きく貢献されている。

4 移転した場合の薬剤師会薬局との関係について
【質問】
市立病院利用者の多くが薬剤師会薬局を利用されている。もし市立病院がCOM1号館跡地に移転することになれば、薬剤師会薬局との関係はどうなると考えているのか?
【答弁】
移転建替えとなった場合は薬局だけでなく、無料FAXコーナー、病診連携懇話会など、これまで築いてきた良好な関係を継続・発展していけるよう協議を進めていく。

 


◆自民党市民クラブ 上田春雄議員
1 患者の利便性について
【質問】
建替え場所を検討する上で、最大のポイントは患者にとっての利便性。現市立病院は、路線バスのバス停留所から、あの坂道を登っていかなければならない。移転建替えした場合は、路線バスが玄関口に横付けできるのか?様々なことを想定すれば、シンプルでわかりやすいところがよいとなる。移転建替えに集約されていくと思うがどうか?
【答弁】
現地建替えの場合は、路線バスの課題は解消のめどが立たない。移転建替えの場合は、路線バスは今後のバス路線網再編の中で、バス事業者と協議が必要となるが、構内乗り入れを強く要請し、実現させたい。新御堂筋沿いの移転候補地は、止々呂美、森町、彩都はもとより、豊能、能勢方面や、さらに北部からもシンプルでわかりやすい。

2 病室からの眺望について
【質問】
市立病院に入院されていた患者さんから「病室からの箕面の山の眺めがすごくよかった」という声をよくお聞きする。建替えた場合でも、病室からの眺望はぜひ守っていただきたいが、建替えによって病室からの眺望はどうなるのか?
【答弁】
建替え後においては、今よりも正方形に近い建物になる可能性が高く、北側に面する病室の数が減ることが想定される。今後、進めていく基本計画や基本設計において、眺望の観点は必須の要件として盛り込み、できるだけ多くの病室から、四季折々の美しい箕面の山並みや豊かな自然が楽しめるよう工夫していく。

3 建替えに向けての心構えについて
【質問】
現市立病院は、故・中井武兵衞市長の「日本一親切な病院をつくる」という不断の決意の下、開院された。あれから36年が経過し、建替えが必要となったが、新しく建設するわけなので、患者の利便性、病室からの眺望に加え、働きやすい環境整備など、しっかり検討され、今以上に市民に信頼され、近隣の病院に負けない病院をつくっていただきたい。
【答弁】
建替えにあたっては、開院当初の理念は貫きつつも、新しい時代に求められる医療の内容や体制についてゼロベースから検討し、これまで以上に市民に信頼され、評価いただける箕面ならではの市立病院を築き上げていきたい。

4 建設に対しての意気込みについて
【質問】
「病は気から」。入院患者が新しく船場地区にできる図書館や文化ホールへ行くことを楽しみに治療に励むなど、ポテンシャルは船場地区からと思うが、いかがか?また、医学部をめざす高校生向けの「早期医療体験プログラム」が大阪大学などで実施され、「医師は頭でする仕事ではない、心でする仕事だ」、「救えない命を救える医師になりたい」などと、医師の心構えや覚悟を学んだ。このような高校生が医師になった暁に箕面市立病院にと望まれる病院をめざしてほしい。
【答弁】
船場のまちは、大阪大学箕面キャンパスの移転、(仮称)箕面船場駅を中心とした新文化ホールなど、活気あるまちになろうとしている。その一角に市立病院ができれば、患者さまにとって、よい効果が期待できる。また、「崇高な志を持つ若い医師」を惹きつけるため、医療内容や設備の充実を図るとともに、上級医師とペアで行う研修制度のさらなる充実を検討していく。

(市立病院の北側に広がる箕面の山並みと田畑)

◆公明党 岡沢聡議員
1 現地建替えと移転建替えの場合の工事期間の違いについて
【質問】
市立病院のような規模の建設工事を実施するとなると、相当な期間を要するとともに、騒音や工事車両の通行により、近隣住民への影響は非常に大きい。工事期間が現地建替えの場合は5年程度、移転建替えの場合は2年半程度となっているが、この違いは何によるものなのか?
【答弁】
現地建替えの場合、現在の駐車場やロータリーの部分に新病院を建設することになるため、進入路の仮設工事や代替駐車場を先行して整備する必要があり、これらに約1年間を要する見込み。新棟建設後には、既存建物の撤去工事と外構工事などに約1年半を要する見込みである。

2 現地建替えの場合の患者や周辺住宅への影響の内容について
【質問】
現地建替えの場合は、患者や周辺住宅へどのような影響があるのか?
【答弁】
現地建替えの場合は、通常の診療を継続し、病棟を閉鎖せずに新病院を建設するが、同一敷地内での施工となるため、工事中の騒音はある程度生じる。また、建築機材や資材の搬入など、周囲の住宅街にも工事用車両の騒音や交通安全上から影響が生じる。工事期間中は仮設の通路を設置するが、現在のように玄関横づけ等ではなく、多少遠回りの通路となる。

3 新病院への患者の移送の方法について
【質問】
工事完了後、入院患者を新病院にどのようにして移すのか。特に移転建替えの場合、距離が相当離れているが、危険は伴わないのか?
【答弁】
他の病院の事例を複数、調査したところ、すべての病院が専門の運送会社に委託し、緻密な計画を策定して搬送作業を実施されていた。これらの事例をよく研究した上で、特に移転建替えとなった場合には、さまざまな不測の事態も想定した上で、確実かつ安全、迅速に作業ができる専門業者を選定していく。

4 移転建替えの場合の既存のライプラ等、周辺施設の取扱いについて
【質問】
市立病院の敷地内には「箕面ライフプラザ」として、総合保健福祉センター、介護老人保健施設、医療保健センター、あいあい園などが設置され、市立病院と様々な連携が図られてきた。移転建替えとなる場合は、これらの施設との連携はどうなるのか?
【答弁】
保健・医療・福祉の連携は必要かつ重要で、継続していくべきものと考えており、もし仮に移転建替えとなった場合でも、市民や利用者にご不便が生じないよう、詳細に検討・調整していく。

5 移転した場合のメリットについて
【質問】
多額の費用をかけて建替えるからには、いろいろな面で今よりも更によくなってほしい。移転建替えの場合、どのような点が今よりもよくなると期待されるのか?
【答弁】
鉄道や新駅ができることで、現在の場所もたいへんアクセス性が高まるが、移転候補地は新駅から約300メートル、徒歩4分程度でアクセスでき、現在地に比べ、格段に利便性が向上する。鉄道沿線の他市市民の受診がこれまで以上に期待でき、車によるアクセス性も向上するため、患者増が期待できる。通勤の利便性が向上し、人材の確保もしやすくなる。

 


◆箕面政友会 二石博昭議員
1 移転建替えに向けて
【質問】
リニューアル調査検討報告書では、現用地内での全館建替え案とCOM 1号館跡地への移転建替案が、いずれも相応しいということであるが、箕面政友会では、COM 1号館跡地へ移転建替えすべきという結論になった。理由は、工事期間中の患者さんへの影響、リニューアル後の患者さんの利便性、リニューアル後の病院経営へ寄与度の3点からである。12月議会でリニューアル手法を決定すべきと考えるが理事者の考えは?
【答弁】
工事期間中の影響では、騒音や振動、仮設通路などの影響がなく、工期も2年半程度と短い、移転建替えが好ましい。利便性は、(仮称)箕面船場駅からの距離、徒歩による所要時間などから、移転建替えの方がより利便性が向上する。病院経営への寄与度は、(仮称)箕面船場駅に近くなるという立地特性から、患者の来院増が見込め、職員の確保もしやすくなるなど、移転建替えの方が寄与度が高いと考えられる。

2 基本計画・基本設計・実施設計の早期着手と期間短縮に向けて
【質問】
建替え場所の決定を急ぐ理由は、病院跡地が船場地区に新設する学校の場所として最良であり、場所が決まらなければ、校区編成の実質的な協議に着手できないからである。病院跡地への学校開設は、平成39年4月とされている。基本計画に早期着手し、基本設計と実施設計、工事着手を前倒しすれば、開校を1年程度早めることは可能だ。補正予算を12月議会に提出して、市立病院のリニューアル手法を決定すべきだと考えるが、今後の手続きとスケジュールは?
【答弁】
新設校の開校時期を早められるかは、今後予定している基本計画(第2期)策定業務の中で工期の短縮を検討していく。また、早期に病院の建替え場所を決定する必要性を痛切に感じており、年内をめどに市としての意思決定を行うことをめざしていたが、一日も早い決定に向けて検討を加速していく。

3 建替え財源の確保策について
【質問】
COM 1号館跡地への移転費用は、延床面積22,000平方メートルで175億6千万円と試算されている。充当財源の確保策は?また、民間の資金と経営能力・技術力を活用する手法としてPFI方式があるが、医療事務等も含めたPFI方式の採用に向けて検討すべきだと考えるが見解は?
【答弁】
建替え財源は、国の社会資本整備総合交付金と企業債を見込んでいる。国の交付金は10億5千万円が上限となり、それ以外は全額を企業債で賄うことになり、元利償還金の2割程度に地方交付税措置がなされる。病院事業のPFI事例は全国で15病院あり、医療事務まで含めたPFI方式を採用する場合、事業者には専門性の高い知見や技量、経営能力が求められることから、事例を十分に研究・比較検討し、最適な建設・運営手法について、検討していく。

4 資金の融通の手法による企業債の発行抑制について
【質問】
病院の建設財源の大半が企業債となるのであれば、金利負担も相当な額となるため、基金や他の公営企業から資金の融通をしてもらい、金利負担の軽減を図るべきと考えるが見解は?
【答弁】
地方交付税の算入対象となる場合は企業債が有利なため、企業債発行を優先しつつも、地方交付税の参入対象額と市全体の資金状況を踏まえ、銀行等よりも安いコストで資金調達できる資金の融通策を検討していきたい。

(新御堂筋南行き車線から「旧COM1号館」を望む)


○今後に向けて
各議員さんからのご指摘を私なりに集約すると、
・建替え手法(場所)は、利便性が高く、工事中の影響も少ない「COM 1号館跡地等への移転建替え」にすべき。
・学校建設の関係もあり、工期の前倒しを検討せよ。
・移転後は、路線バスも病院構内へ乗り入れるように調整せよ。
・建物は、箕面の山や自然が親しめるように眺望を重視せよ。
・現在、同一敷地内にある関連施設(薬剤師会薬局も含め)との連携を大切にせよ。
・新しい医療に対応し、スタッフが働きやすい環境を整備して、市民に信頼・評価され、近隣の病院に負けない病院をつくれ。
・多額の費用を要するため、PFI手法や市内部の資金融通などを検討せよ。

というようなことが共通した各議員さんのご意見ではなかったかと考えています。これらのご意見を踏まえ、一日も早く結論を出して、次のステップへ進めてまいります。


【市民医療講座のお知らせ】
○胃がんを正しく知ろう~あなたに合った治療選択のために~
日時 平成29年11月25日(土曜日)午後2時~4時
場所 箕面市立病院リハビリテーション棟4階 いろはホール
講師 消化器内科部長 西原 彰浩 医師
     外科部長 谷口 博一 医師

*詳しくは、コチラをご覧ください。申込は不要です。ぜひ直接、会場へお越しください。
 なお、手話通訳又は要約筆記をご希望のかたは、11月16日(木曜日)までに病院経営
 室(電話728-2034)へお申し込みください。

○みんなで知ろう!認知症のこと
日時 平成29年12月9日(土曜日)午後2時~3時30分
場所 箕面市立病院リハビリテーション棟4階 いろはホール
内容
(1)認知症の症状~BPSD(認知症の行動・心理症状)を中心に~
  講師:精神科主任部長 辻尾 一郎 医師
(2)認知症の人への対応とケア
  講師:認知症看護認定看護師 岡山 友佳 看護師

*申込は不要です。ぜひ直接、会場へお越しください。
 なお、手話通訳又は要約筆記をご希望のかたは、11月30日(木曜日)までに病院経営
 室(電話728-2034)へお申し込みください。
*詳細が確定しましたら、市広報紙「もみじだより」や箕面市立病院ホームページでご案
 内いたします。

 

 「ゆるキャラ(R)グランプリ2017」が8月1日(火曜日)にスタートしました。市では11月10日(金曜日)の投票期間終了までの間、「滝ノ道ゆずる」を応援する統一キャンペーンを展開中です。
 滝ノ道ゆずるは、6年連続で大阪1位を獲得しており、有名企業とコラボしたり、数々のイベントに参加したりと活躍の場を広げています。箕面市を広くPRするため、グランプリでの日本一を目指していますので、市民のみなさまの投票、応援をよろしくお願いします。
 


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