農業委員会事務局長 野澤昌弘です。
新年、あけましておめでとうございます。
今年も、農業委員会の活動、そして、食卓に農産物が届くまでの生産現場の話題をお届けできたらと思います、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、我が家では、社会人2年目の次男が朝食を食べないんです。
朝6時に家を出て会社へ、晩21時頃に帰宅。
朝ごはんを食べる時間よりも寝ていたいそうです。朝ごはん抜きは、高校時代からの習慣で、20代は若さ・体力で乗りきれるかもしれないけど「年齢を重ねたら1日もたないで!」と、毎朝、おにぎりを1つ作って持たせます。
私たちの脳は”ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。朝起きたときに頭が「ボーッ」としてしまうのは寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなっているからです。脳のエネルギー源のブドウ糖を、朝食でしっかりと補給し、脳とからだをしっかりと目覚めさることで、朝から勉強や仕事に ”集中”できるのです。
昨年も、大阪府内の小学生を対象に、子どもたちが食を中心とした健康づくり活動に主体的に参加することを目的に、「野菜摂取・朝食摂取」をテーマにしたポスターコンクール2016が開催されました。
入賞作品は、2017年野菜バリバリ朝食モリモリカレンダーに掲載され、ポスターは各学校へ配布されています。
1.箕面からも優秀作品2点!
「野菜バリバリ朝食モリモリ」ポスターコンクール2016
箕面市からは222点の作品が描かれました。
本市の作品は、箕面産野菜を学校給食や食育に取り入れていることから、農作業風景の絵を描く子どもも毎年たくさんおられます。
どの作品もみなさん、個性豊かで色彩も見事です。
府内の応募総数は、なんと4,149点。その中から厳正なる審査を経て、本市から2名の小学生が入賞されました。
・大阪府知事賞(低学年の部)に、豊川南小2年生 若井咲花(わかい はな)さん、
・大阪府栄養士会会長賞に、豊川南小6年生 横山唯桃(よこやま ゆもも)さんです。
お二人には、豊川南小学校 3学期の始業式10日(火曜日)に表彰状が手渡されました。
おめでとうございます。
(豊川南小2年生 若井咲花さん)
(豊川南小6年生 横山唯桃さん)
お米も野菜もしっかり食べる、朝食も欠かさず食べることは、心身とも豊かに過ごす健康生活の原点です。
本年も、箕面の学校給食と食育学習はそういうコンセプトのもとに行われます。
「『しっかりと食べる習慣』が、学校給食からも広がれ!」 です。
■箕面市の食育3つのアクション
「朝食宣言」・・・毎日食べます「朝ごはん」
「食は健康」・・・野菜たっぷり「バランスごはん」
「お米週間」・・・旬と味わう「お米のごはん」
(息子へわたす ”おにぎり”)
2.箕面市農業公社も、次の目標へ始動!
箕面市農業委員会では、農業の働き手の高齢化や後継者不足が課題となる中、貴重な田畑を荒れさせないように、平成21年農地法改正以降この8年間で、使われないまま所有している農地(遊休農地)約13.5㌶(135,000㎡)を解消してきました。(500人規模の中学校グランドが6,200㎡ぐらいなので20面以上に相当します)
箕面市の遊休農地解消対策は、年齢的な理由などで耕作が困難な農業者に代わって、安心して田畑を任せる担い手組織として、府内初の市町村農業公社となる一般社団法人箕面市農業公社を設立して対応しています。
農業公社は、平成26年2月 法人に移行、就農を志す若者を雇用・育成しながらの試行錯誤の3年間でもありました。
(上止々呂美地区 余野川左岸の段々畑。公社があずかってキャベツ畑としています。ひんやりとした12月、訪れると深呼吸したくなる魅力ある一帯となっています。)
~使っていない農地の栽培再開、学校給食へ出荷~
野菜工場と違って、想定外の気象条件に遭ったり、長きにわたり荒れていたことによる悪い土壌との闘いもありました。初年度(平成25年度)は、なんと1年間の売り上げが36万円という悲惨な状況でした。
その後も、毎年毎年何かが起こる!
半年近く、労力も時間も費やしたのにもかかわらず、畑を掘ってみると排水不良のため「規格外のニンジン」ができたり、長期の耕作放棄地では「害虫被害のダイコン」ができたり・・・。
昨年の晩夏から秋は、プロ農家さんも経験されたことのない異常気象。秋雨前線の停滞など9月は日光がさす晴れ間も極端に少なく、消費者にとっても秋野菜の驚くほどの高騰もありました。
でも、「農業は、こういうことやで!」と地域の農家さんから励まされ、「この農具も使って!」と手押し耕耘機をいただいたり。いつかの成功を信じて、失敗にめげず、原因をさぐり、対策を学び、実践してきました。
まだまだ独立採算は厳しい状況(国農水省補助金で赤字を補てん)ですが、徐々に任していただく農地も広がり、地域の多くの農家さんにも支えられ、平成27年度は年間約50トンの野菜を出荷、売り上げにして約7,000千円となりました。
中学校給食への箕面産の出荷は、箕面市農業公社に加え、市内農家48軒からも出荷いただいております。
これらをあわせると、中学校給食では、年間に使用する野菜のうち28.7%が箕面で栽培された農産物になっています。
今は、箕面産冬野菜も出荷ピーク。大根など箕面産100%となる食材も数多くあります。
(1月11日 川合地区でにんじん収穫をする農業公社の長谷川さん、中上さん)
また、都市農業箕面ならではの特徴として、農業サポーターの協力があります。農業公社でも、人手が必要な収穫や種まきを、体験されたい方や手伝っていただくボランティア(農業サポーター)を募ったところ、12月には10名もの農業サポーターに参加いただきました。地域とともにある都市農業です。今年も、農業への応援のすそ野を広げたいものです。
農業サポーターさんの応援もあり、12月は、農業公社設立後の最高量となる25万株の玉ねぎ苗を植えました。
(12月外院地区での玉ねぎ苗の植え付けです。機械化の一環として導入した玉ねぎ移植機により、1昨年に比べて10分の1の時間で植え付けれました。)
(経費を抑えるために、種から育てた玉ねぎの苗)
(新稲地区の玉ねぎ畑。この農地は、かっては樹木200本が繁茂する樹林地でした)
農業公社では、経営計画に基づき、毎日の出費をおさえるとともに、「①機械化」と「②学校給食用にしぼった4品目野菜の大量生産」による経営の効率化に取り組んできました。今年は、次の経営手法として、「小規模分散地対策」に取り組みます。
東西7キロにも及ぶ箕面市。点在する農地を、確実に保全していくために、農業公社の資本(人材と労力投下時間)は、市街化調整区域などのまとまった農地群に集中することを基本とし、(農業参入希望の事業者など)多様な担い手の農業参入とも連携して保全していくことを考えています。
本市で農業参入している事例として、「オリーブ農園」を紹介します。
3.オリーブ栽培で地域を豊かにする!
箕面市新稲地区では、株式会社 北摂ワインズ(箕面市牧落)によるオリーブ農園が経営されています。
農業就労人口の減少の一方で、本市では、平成21年の規制緩和を受けて、農業者でなくても、一定の条件のもと農業委員会の許可を受ければ農地を借り受けて、独自参入ができます。
「輸入物が多いオリーブオイルに対して、国産の安心安全なオリーブは少なく、国産をつくればニーズはあるしプレミアもつく。苗を売ることも含めてビジネスとして成り立つ」と考えて農業参入を志したのは、株式会社北摂ワインズ 富鶴 高代表。
オリーブはもともとイスラエルなど乾燥地帯の産物、日本のオリーブの産地小豆島などとも栽培環境を比較され、箕面が年間雨量や日照時間、平均気温、特に、新稲地区は畑地で水はけも良い利点に着目し、平成28年3月に農業委員会の許可を受けて、旧寒桜畑を借り受けました。5月(ゴールデンウイーク)に苗木140本を植樹され、根がつくまでの夏場2か月間は毎日水やりに通い、昨秋に初の箕面産オリーブオイルを作られました。
(試作品の箕面産オリーブオイルと富鶴 高代表)
初の箕面産オリーブオイルは、試作品として約500ミリリットルが完成。
天敵(葉巻虫)の食害などで収量が減ってしまったそうですが、富鶴 高代表は、「段階的にステップを踏んで、農地面積も3倍以上に広げて販売につなげたい。また、栽培過程データ ”どのタイミングで何をすべきか。” を蓄積して、収穫までのサイクルをパターン化すれば、誰もが参画できる農業にもなる。」 目標は「いつか次のステージとして、オリーブを箕面ブランドにしたい。まちなかにも常緑樹のオリーブが広がれば緑豊かな箕面にも似合う」と、2年目の豊富を語っていただきました!
農業者による農業経営を基軸にしつつ、都市部にある農業として、食品企業(外食・食品加工・流通業)など多様なビジネスとも共生し、”地域を豊かに”していくことも大切だと考えています!
【非農業者の農業参入要件について】
賃借であれば、企業や法人など一般企業であっても、市街化調整区域なら参入可能です。この場合、農業委員会で許可を受けることが条件となりますので、事務局までご相談ください。
(主な借受者となれる要件)
原則、個人の場合は、農作業に常時従事すること(農業者)。法人の場合は、農地保有適格法人であることが要件です。
ただし、一定の条件で「非農業者」や「農地保有適格法人以外の法人」も利用権の設定を受けることができます。この場合、次を満たす必要があります。
1
地域の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。なお、このことを担保するため、農業の維持発展に関する話し合い活動への参加、農道、水路、ため池等の共同利用施設の取決めの遵守、獣害被害対策への協力等を行うことについて確約書を提出することが必要です。
2
農用地を適正に利用していないと認められる場合に利用権を解除する旨の条件が付されます。(毎年、農地の利用状況報告の提出が必要です。)
3
法人の場合は、業務執行役員のうち1人以上の者が法人の行う耕作事業に常時従事すると認められることが必要。「業務執行役員」とは、取締役のほか、理事、執行役、支店長等組織名であって、実質的に業務執行についての権限を有し、地域との調整役として責任を持って対応できる者を言います。
4
農地のすべてを効率的に利用して耕作を行うこと(農機具の保有・リース状況、労働力、技術力、経営規模などから判定します。)
5
周辺の農地利用に影響を与えないこと
詳しくは、こちらの市ホームページリンクもどうぞ!
「自転車事故ゼロ」をめざして「ながら運転」をなくすために、箕面市では2017年3月31日(金曜日)までの間「絶対ダメ!ながら運転 自転車を安全に乗りましょう!」を統一キャンペーンとして展開します。