皆さまこんにちは、上下水道局の川添です。
今年もあと一月(ひとつき)ちょっととなりました。いよいよ本格的な寒さ対策も必要になってきていますし、明日からは、寒い日が続くとの予報がでています。
さて、今回は、平成27年度の水道事業会計及び公共下水道事業会計の決算状況に関する概要をご報告するとともに、料金の仕組みについてもご説明したいと思っています。
「平成27年度水道事業会計及び公共下水道事業会計の決算概要」
平成27年度箕面市水道事業会計及び箕面市公共下水道事業会計の決算については、先の平成28年箕面市議会第3回定例会に上程し、10月26日の本会議にて認定いただいたところです。
まず、水道事業及び公共下水道事業は、地方公営企業法を適用し、市の一般会計とは違って、水道料金や下水道使用料の料金収入による独立採算を基本とする仕組みになっています。
ただし、公共下水道事業のうち、雨水処理にかかる費用については、下水道使用料ではなく、税金でまかなうことが原則となっていますので、市の一般会計から受ける負担金や国の補助金などにより事業を実施しています。
水道事業、公共下水道事業の決算の概要は次のとおりです。
<水道事業決算概要>
1.業務量
◯給水人口は前年度(平成26年度)と比較して増加しています。
◯年間有収水量・1人1日平均有収水量は前年度からほぼ横ばいの状況です。
業務量
※有収水量とは、水道水として配水した水量のうちの料金をいただいた水量をいいます。
※平成27年度の一人1日平均有収水量は284リットルで、前年度と比較して1リットル下回っており、少しずつではありますが、減少する傾向にあります。
これは、トイレや食器洗浄機など節水型機器の普及により減少しているものと考えられます。
※有収率とは、水道水として配水した水量に対して、有収水量が占める割合をいいます。
※平成27年度の有収率は、97.5パーセントで前年度と同じです。残りの2.5パーセントは、漏水による料金の減免や、洗管作業や消防活動及び給水訓練等の公共用水として使用したことなどによる無収分です。
2.収益的収入・支出
1年間でどれくらい収入があり、どれくらいの支出があったのかを示すものです。
◯収入・収支とも前年度(平成26年度)と比較して微減しています。
◯利益は前年度(平成26年度)と比較し約2.4億円増加しています。
収益的収入・支出
<下水道事業決算概要>
1.業務量
◯水洗化人口は、前年度(平成26年度)と比較して増加しています。
◯年間汚水量、1人1日平均汚水量は前年度からほぼ横ばいの状況です。
業務量
2.収益的収入及び支出
◯収入・支出・利益とも前年度(平成26年度)と比較して微増しています。
収益的収入・支出
「上下水道料金の仕組み」
先日、ある職員が「知り合いから『箕面市に住んでいる人はお金持ちだから、水道料金が高いんでしょう?』と尋ねられた」と言っていました。
これは全く誤解です。もし他にもそう考えておられる市民の方がいらっしゃるなら、少しでも誤解を解いておきたいと思います。
水道料金や下水道使用料は、そのまちの住民の所得の高さで決めているわけではありません。
水道水を作って各家庭に届けるのにも、各家庭から排出された汚水を回収して浄化するのにもコストがかかりますが、このコストは、そのまちの地勢や人口規模・密度など、様々な事情により変わってきます。
例えば、市域が広ければ、それだけ水道管や下水道管の延長が必要になりますし、高低差があれば、ポンプアップする施設も必要になります。
必要な配水池の数についても、地勢や水需要の状況によって変わってきます。
このように、水道事業や下水道事業に必要なコストは、自治体によって違いがあります。
例えば、平成27年度の箕面市水道事業の決算では、1立法メートルあたりの水を作るのにかかるコスト(給水原価)は、約157円になりました。
これは、北摂7市の中で四番目でちょうどまんなかに位置します。
北摂各市給水原価比較(平成27年度決算)
一方、皆様からいただいた水道料金の総額を1立法メートルあたりで平均すると(供給単価)約166円で、北摂7市の中で三番目でまんなかより少し上に位置します。
北摂各市供給単価比較(平成27年度決算)
これを聞いた方は、「箕面市の水道料金は北摂の中で一番高いのでは?」と疑問を抱かれるかもしれません。しかし、1立法メートルあたりの水道料金では、決して一番高いわけではないのです。
水道や下水道の料金設定では、ほとんどの自治体で、使用水量が多くなるに従って、料金の単価が高くなる「逓増型料金体系」を採用しています。
箕面市でも使用水量が20立法メートルだと、水道料金は1立法メートル当たり約107円ですが、使用水量が200立法メートルだと、水道料金は1立法メートル当たり約236円になります。
箕面市の使用水量ごとの水道料金
有収水量が同規模で、水を作るコストも同水準の自治体であっても、利用者の構成として、たくさんの水を使用する店舗や事業所が多く占めていると、高い単価で料金をいただく水量の割合が多くなります。
その結果、同じ有収水量であっても、多くの料金収入を得ることができるため、その分、使用水量が少ない使用者の料金の抑制に回すことができます。
箕面市では、一戸当たりの使用水量が年間213立法メートルと、北摂七市のなかでは下から二番目です。
北摂各市有収水量比較(平成27年度)
しかも、たくさんの水を使用する店舗や事業所が少ないため、使用水量が少ない場合でも、近隣市と比較して高い単価設定にしないと、コストをまかなうことができません。そのため、一般的な家庭の平均使用水量とされる20立法メートルから30立法メートルの料金で、箕面市と北摂各市と比較すると、箕面市が一番高くなってしまうのです。
北摂各市水道料金比較(平成28年4月1日現在)
ちなみに、1立法メートル当たりの水道料金(供給単価)を水道水1立法メートル当たりのコスト(給水原価)で割った指標を「経費回収率」と言っています。
この「経費回収率」が100%を下回っていると、必要な経費を料金でまかなえていないということで、例え黒字であっても、料金収入以外の収入に頼っている状態であり、あまり健全な状態とはいえません。
実は、箕面市の水道事業では、この経費回収率が、ずっと100%を下回る状態が続いていましたが、平成27年度決算では約106%となり、ここ最近ではじめて100%を超えることができました。
これは、平成27年度から開始した収納業務の委託など、人員削減と経費節減に取り組んできたことが成果となってあらわれたものと思っています。
また、下水道使用料につきましては、「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」より、平成27年度以降20年間で施設・管路の更新や耐震化に必要となる費用について精査した結果、それらの費用を確保したうえでも、なお良好な経費回収率を維持できる見通しとなったことから、本年4月から下水道使用料の値下げを行ったところです。箕面市の下水道使用料について、20立法メートルから30立法メートルの使用水量で北摂各市と比較すると、ほぼ真ん中に位置しています。
北摂各市下水道使用料比較(平成28年4月1日現在)
今後、水道においても、下水道においても、老朽管路の更新や耐震化を実施していきます。そのために必要な費用をしっかりと確保しながらも、現行の料金体系を維持できるよう、健全経営に努めていきますので、ご理解くださいますようお願いいたします。
「大阪広域水道企業団と府内市町村との震災対策合同訓練」
去る10月26日(水)に大阪広域水道企業団と府内市町村との震災対策合同訓練が行われました。
府内4つのブロックにブロック本部を設置し、各市町村との情報伝達訓練を行うとともに、高槻市奈佐原受水場にて応急給水訓練を実施しました。
応急給水訓練には箕面市上下水道局から3名の職員が参加しました。
「自転車事故ゼロ」をめざして「ながら運転」をなくすために、箕面市では2017年3月31日(金曜日)までの間「絶対ダメ!ながら運転 自転車を安全に乗りましょう!」を統一キャンペーンとして展開します。