こんにちは。農業委員会事務局長 野澤昌弘です。
なんだか急に寒くなってきて、鍋が食べたい季節になってきました。
立ち上る湯気に顔を火照らせ、気の合う仲間と箸をつき合わせるにはいい時節です。
とはいえ、鍋を彩る具材といえば、野菜がものすごく高いです。
白菜(1/4切)150円、白ネギ1本100円! 財布に優しいとはいえない値の張りようです。
原因は、夏以降の天候不順、とりわけ晩夏に生産地を直撃した台風が影響しています。台風18号の強風により長野県安曇野市などで収穫間近のリンゴが落下するなどの被害がありましたが、ここにきて種まきの遅れた冬野菜にも影響がでています。
野菜高騰を受けて、三重県鈴鹿市では「12月と来年1月に1度ずつ全市立小学校と幼稚園で給食の提供を見合わせる」ことも一時検討されたとの報道もありました。
野菜・コメが食卓に届くまでには、台風や長雨といった気象変動に立ち向かう生産農家のご努力があります。工場で計画的に生産できる製品と違って、どんなに周到に準備しても”確実ではな”いのが農業です。
天候不順・野菜高騰の中、改めて、毎日の食事を大切にし、品薄でも少しでも届けてくださる生産農家の方に、「ありがとうございます、いただきます。」の気持ちを、今こそ伝えたいものです。
1.箕面市農業祭 ~ この秋の実りに感謝を込めて ~
箕面でも8月~9月の荒れた台風や停滞する秋雨前線の影響で、田んぼに入ることができず、稲の刈り取りの遅れたところがありました。
しかし、なんとか”実りの秋”を迎え、今年も早い学校では10月から箕面産の新米を給食に提供できています!
そして、11月26日(土曜日)は、秋の収穫を祝う、箕面市農業祭です。
毎年毎年、その年の収穫を生産者に感謝して地域で祝ってきた農業祭も、時を重ねること今年でなんと41回目。41年前から続いている秋の祭典です。
農業祭では、生産農家の皆さんが、新鮮な箕面の秋野菜(はくさい・だいこん・かぶ・ねぎなど)、新米、果実(生ユズなど)、原木シイタケをふんだんにそろえて、市民のみなさんに販売します。美味しさの理由を、是非その目で確かめてみてください。
今年は「箕面食育フェア」と同時開催!農業や食に関するイベント、おいしい屋台も盛りだくさんです。
・日時:11月26日 土曜日 午前9時から午後3時【小雨決行】
・場所:芦原公園・メイプルホール(ロビー、小ホール)( 外部サイトへリンク )
市内の生産農家、箕面市農業経営者連絡協議会の皆さんから、採れたて新鮮な野菜が持ち込まれます。
箕面特産の原木しいたけ、銀寄栗、ゆずも直売されます!
大園同窓会箕面支部(府立園芸高校の卒業生)の皆さんからも、採れたて野菜が持ち込まれます。
石丸地区で朝市を運営されている「石丸ヘルシーファーム朝市」の皆さん。石丸で採れたサツマイモなど、地元野菜ふんだんに使った温かい豚汁の販売です。
新稲の名産品葉ぼたん。活きのいい葉ボタンの直売もあります!
是非、11月26日(土曜日)は箕面の農業祭へ、お越しください!
2.箕面の実生ゆず ~今年も、香り高く、完熟果汁たっぷりです!~
止々呂美地区で生産される箕面の特産品 柚子(ゆず)。
日中はよく晴れて、昼夜の寒暖差が大きくなる11月。山の傾斜地に広がる果樹園では、やわらかな日差しを浴び、”ゆず”が黄色く色づき、今週から収穫がはじまっています。
フレッシュな香り、果汁たっぷり、実も大きな良品質のゆず。
府内で生産される唯一の実生(みしょう)ゆずです。
箕面のゆずは全国的にも珍しい貴重な実生ゆず(「実生」とは、接ぎ木や挿し木ではなく、種子から生育したゆずです)ということで、11月8日(火曜日)、箕面の実生ゆずを是非とも学びたいと、「木頭(きとう)ゆず」のブランドで全国的な人気の産地 徳島県の那賀郡那賀町役場から谷次郎室長補佐が来られました。(写真、右から谷室長補佐、中央が止々呂美ゆず生産者協議会会長の尾上喜治さん)
樹齢80年の大木を見て、谷さんの第一声は、”実生”なので、樹木の肌もきれい、強い、若々しい!と驚嘆です。
ゆず生産農家の尾上喜治さんからは「実生ゆずは、害虫や病気にも強い、だから害虫消毒も必要ない無農薬栽培です。」と説明がありました。
さて、箕面市では、このゆずの収穫を体験することもできるゆず収穫サポーターを募集中です。
高齢農家さんのゆず収穫の応援もかねて、今年で7年目をむかえ、昨年は43名もの参加がありました。
参加者は、普通の主婦のかた、ゆず料理を提供している飲食店の経営者、大阪大学の学生サークルの皆さんなど、多彩な顔ぶれです。
「“箕面のゆず”って言われるけど、(まちなかでは)見たことがなかったので。」
「ゆずの収穫の現場を知りたかった。」など、気軽な感じでみなさん参加されています。
「空気がおいしい!」
いにしえより、この地で暮らす人々が山を切り開き、手を加え、豊かな自然とともに時を重ねてつくり上げた里山の景観美も味わえます!
ゆず収穫サポーターの活動日程は、次を予定しています。
集合場所
果樹園
集合時間等
11月14日(月)
中政園駐車場
中政園
集合時間
13時
作業時間
13時30分~16時
11月20日(日)
上ノ所バス停
東稔農園
11月22日(火)
止々呂美神社
西野農園
11月28日(月)
ふるさと自然館
奥山農園
11月29日(火)
11月30日(水)
12月 2日(金)
・事前に申し込みいただき、当日は各自で集合場所まで来ていただくことになります。
*集合場所、駐車場の位置図等は申込いただいた方に、別途お知らせいたします。
・革手袋と剪定ばさみなどの道具は用意させていただきます。
果樹園によっては斜面地もありますので、動きやすい服装でお越しください。
手作業で丁寧に収穫! 果実を傷つけないように注意しながら、1つ1つハサミで枝を切り離します。あたり一面は、
”ゆずのフレッシュな香り”が、いっぱいです。
3.平成28年度大阪府農業委員会大会が開催されました!
10月28日(金) 大阪国際交流センターにて、大阪府内の農業委員会委員による大会が開催されました。
大会では、「(第1号議案)大阪農業活性化に関する要請決議」「(第2号議案)都市農業振興基本計画に基づく要請決議」「(第3号議案)大阪農業リフレッシュ運動の推進に関する申し合わせ決議」が採択され、政府及び大阪府に対して要請・提案されました。
国においては、本年5月に都市農業振興基本法に基づき、都市農業振興基本計画が策定されました。
基本計画では、都市農業を都市における重要な産業として位置づけ、新鮮な農産物の供給はもとより、防災空間の確保、良好な景観形成、国土・環境保全、農業体験の場の提供など、都市農業の持つ多様な機能を発揮し、都市農業の安定的な継続を図ることなど、都市農業の振興に関する施策を総合的克かつ計画的に推進することとされています。
それらも踏まえて、大阪府は、地方の農産地(農業振興地域)のような国から農業投資が重点的にされる地域ではないことから、支援策の充実に向けた要請が決議されました。
これまで、箕面市農業委員会では、都市農業の振興と農地保全に向けた制度見直しを、大阪府農業会議を通じて国に要望を続けてまいりました。
要望・要請もあって、
今般、国の平成29年度税制改正において、市街化区域内の農地で税制優遇を受けることのできる生産緑地の指定要件を300平方メートルまで緩和(現行500平方メートルからの引下げ)する方針を検討されています。
市街化区域に点在する小規模農地でも、生産緑地の指定が可能となれば、固定資産税が農地評価としてかなり軽減されるとともに、相続税も支払が猶予されるといった税制特例を受けることができるようになります。
また、後継者不足などで営農継続が困難となった土地所有者を考慮し、農業従事を希望する者へ生産緑地を貸す場合の相続税の納税猶予適用も検討することとされています。こうした制度改革は、本市のような都市部でも農業を継承したい農業者の想いを後押しするものです。
会場では、大阪府農業経営者会議による府内の生産物展示コーナーがあり、箕面市からも特産「しいたけ・ゆず」の出展がありました!
身近に田畑が広がる住環境、そこから収穫される新鮮な野菜が学校給食や食育でも使われる子育て環境は、かけがえのないものです。これからも箕面市農業委員会は都市農業の発展に向けて取り組んでまいります。