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Channel: 部長ブログ@箕面市役所
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箕面四季百景 ~ 春まぢか ~

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こんにちは、農業委員会の吉田です。

 

 

山川草木ことごとく、ようやく春に向けて動き出したように感じるこの頃ですが、春を待つ川合池の水面には飛び跳ねた魚の波紋が静かに広がっていました。

  

 

さて、国レベルで協議が続いていた一連の農政改革に関する法制度についても、ようやく政府内でその骨格が固まったと報道されるとともに、その改正概要が公表されました。

この度の改革は大きく三本の柱からなり、一つは農業委員の選任方法を中心とする農業委員会制度の改革、二つ目に企業が農業に参入する際の規制緩和について、三つ目が農業協同組合の組織改革です。

このうち、企業参入の規制緩和については、農業生産法人要件を見直し、役員の農作業従事要件を役員および重要な使用人のうち1人以上の者が農作業に従事すればよいこと、議決権要件については農業者以外の者の議決権が総議決権の2分の1未満まで認められることとなっています。



また、連日マスコミで報道されていた農協改革については、JA全中の監査権限を廃止し、2019年3月末までに一般社団法人へ移行することになります。しかし准組合員の事業利用制限はその影響が大きいことから結論が見送られることになりました。



そして農業委員会制度に関する改正については、農業委員の代表制の確保や農地利用最適化推進委員(仮称、以下「推進委員」といいます)の新設、都道府県農業会議と全国農業会議所の指定法人への移行などが柱となるものですが、現行法令業務としている意見の公表や建議については削除されています。
かわりに「農地等の利用の最適化の推進業務をより効率的かつ効果的に実施する上で必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、その施策の改善意見を提出しなければならない」との規定が新たに設けられるようになりました。

これだけではなんだかよくわかりませんが、当初心配されていた農業委員の選任方法が市町村長の任命制となることによって、地域の事情や農家の意見が反映されなくなるのではという点については、地域からの推薦や募集の結果を市町村長が尊重しなければならないとの規定が設けられることとなり、農業委員の代表制は担保される形となっています。また、農地の利用集積・集約化などの業務を行う推進委員についても同様の規定が盛り込まれていますが、この両委員の役割や関係は現時点で未定です。

この間、様ざまな議論が重ねられてきたことにより、農業委員会系統組織や関係団体の声もある程度反映された法案となるようですが、一連の改正法案は3月中旬以降にも閣議決定され今通常国会に提出される見通しです。

 

                     

 

 

改正概要が公表された頃、箕面市農業公社では、「一般社団法人 箕面市農業公社経営計画(改訂版)」を策定されました。

これは、補助金等の外的要素に依存しない体制を整え、今後「耕作だけで収支均衡」を目指すための指針となるものです。

その概要は次のとおりです(詳細版「経営計画」はこちら PDF 2,222KB)。

1. 農業公社のめざす姿

農業公社のめざすべき姿として、大きく4点を掲げています。

(1) "担い手がいない農地"を耕作し、農業委員会と連携しながら遊休農地の完全解消をめざす。
(2) 箕面産野菜の流通・販売等を担い、その確実な販路を確保することで農業を振興し、遊休農地の新規発生ゼロをめざす。
(3) 経営にかかるすべての経費を農地の保全に関する事業からの収入で賄う"耕作だけで収支均衡"経営をめざす。
(4) 次代の農業者を育成し、営農の継続が困難な農地の担い手として世に送り出すことをめざす。


2. 長期耕作収支展望(以下、「収支展望」といいます)

耕作による収入で耕作に必要な経費を賄いきれる黒字化ポイント(最低採算ライン)と、そこに至るための諸条件を求めたものです。

(1) 耕作面積:6ha
(2) 常勤耕作者雇用人数:3人
(3) 耕作による収入:23,040千円
(4) 耕作による支出:22,160千円
(5) 収支予測:880千円/年の黒字

この計画では、耕作面積が6haで耕作員3名により黒字化されることになっています。


3. 行動計画

"収支展望"の実現に向けた、具体的な行動計画を示しています。

(1) 農地保全事業
(2) 物流事業
(3) 給食食材の調達業務
(4) 経費の削減
(5) 人材の雇用と育成
(6) 事務の適正化の確保
(7) 耕作拠点の整備

4. 経営状況の検証と次年度の目標設定

PDCAのP(収支展望)及びD(行動計画)の進捗についてC(チェック)し、A(アクション)につなげる「次年度の目標設定」を提示しています。

(1) 収支展望のチェック
(2) 検証の実施
(3) 分析
(4) 目標の設定
(5) 耕作に係る指標グラフの作成


5. 平成27年度収支見込み

"収支展望"試算に特殊要因(前期繰越金や国庫補助金)を反映した平成27年度の収支見込みについて、耕作状況の見通しとともに示しています。


6. 今後の経営見通し

"収支展望"に基づく、耕作以外の経費も含め"耕作だけで収支均衡"を実現するための試算と向こう5年間の資金計画、経営収支の検証フォーマットなどを提示しています。


ここでも、2の"収支展望"と同様に、耕作農地6ha・耕作員3名において、全ての経費を耕作で賄いながら黒字化が達成されることになっています。


今後、農業公社はこの経営計画に基づき経営していくことになりますが、黒字化への道は耕作面積の拡大が大きな要因となります。

農業委員会では市と連携しながら、遊休農地の解消と防止につながる公社への農地貸付を勧めていますが、農地の借受には地域や農家の事情に精通する農業委員の協力が不可欠です。
今般の農業委員会制度改正が、よりよい仕組みとなるよう期待したいと思います。

 

                     

 

 

先日、久しぶりに行ってきました、止々呂美の炭焼き。懐かしい窯はますます風格が出てきたようです。


中政園炭焼窯をお借りして行う、とどろみの森学園7年生の炭焼き体験はこの時期の恒例行事になっています(指導:中政園 中上忠彦さん)。

詳しくは撮れたて箕面ブログに掲載されていますのでそちらをご覧いただければと思いますが、いつも思うのはこうして協力してくださる農家さんの「思い」がどれほどまわりの人たちに伝わっているのかなということです。

大人になればなるほど「思い」を伝えることや受け止めるということに背を向けがちになるかもしれませんが、子どもたちはどうだったのでしょう?
そんなことを思っているうちに、中上さんの様子を追うほうが面白くなってきました。


農家さんは子どもたちと一緒に作業をするのが好きな方が多いように思います。中上さんもその一人のようですが、いつか機会があれば農家さんをドキュメンタリー風に追いかけてみたい気がしました。

皆が引き上げた後には、焼きあがった炭を子ども達に届けるために黙もくと整理する中上さんの姿がありました。日頃から、こういう姿を伝えたいと思うのですが・・・。

 

 

  

 

                     

 

 

さて、以前、紅葉の天ぷらのことをチラッと書いたことがありましたが、滝道で紅葉の天ぷらを販売する久國紅仙堂さんが箕面で食用紅葉の栽培をしたいと、農地の借受依頼にお越しになりました。

現在は兵庫県篠山市内で栽培された紅葉の葉を使用されているとのことですが、育成には日陰のほうがよいらしく、普通の農地とは条件が逆なようで候補地探しも簡単ではありません。なんとか実現したいと思うのですが、その際はまっさきに食べてみたいものです。

上の写真は、お店に寄らしてもらった際に揚げておられる方の目線で撮らしてもらったものですが、少し試食させていただきました。食べ出すと手も口も止まりません。

申し訳ないですが、皆さんは揚げられている天ぷらの様子で我慢してください。簡単そうに見えますが熟練の技がないとうまく葉が広がらないそうです。たっぷりのきれいな油でカリッと揚げられた紅葉の葉。衣がミソと思いますが各店舗いろいろ工夫をこらしておられるようで、シーズン中は売り切れ店が続出したのも理解できます。久びさにこの美味しさを味わい、箕面名物を再認識させていただきました!

 

 

さて、その篠山といえば先月末に豊能地区農業委員会会長及び会長職務代理者研修で、篠山市にある有限会社 サンサンファームさんを視察してきました。

この農場は、甲子園球場の約16倍の広さがあり、キノコを収穫した後の廃菌床を他の野菜の堆肥として利用するという循環型野菜栽培を行っておられるとのこと。

現在は、人手不足により野菜の栽培を停止し、シメジ栽培に特化されているそうですが、オーナーの山口さんのお話の中で、「俺たちは農業をしているのやなくて、自分たちでなんでもする百姓をやっている」というお言葉が印象的でした。

 

  

視察といえば、公社の設立以降、遠方からもちょくちょく視察に来られるようになりました。

昨年末は、東京都内の全農業委員会や滋賀県内の農業委員会から、今年に入ってからも岡山や三重、先日は四国からも来られています。

皆さん、農業公社を中心とした地産地消システム、すなわち担い手のいない農地を公社が預かり耕作しながら、地元農家の収穫物とあわせて給食食材として活用し業として成り立たせる事で、この循環サイクルを継続させていくというものですが、説明後はたいていの場合「いい話」として感心されるようです。

中には、話としてはいいけれども実際にはどうですか?と問われることもあるのですが、そうしたご質問へのお答えに必ず加えることが二点あります。

それは、一つには「市長さんの強い思い」があったこと、もう一つは「地元の農家さんの理解と協力」があったことです。

この二点を申し上げると、皆さん合点がいったように頷かれます。そして、隠れた三つ目として職員の熱意を申し添える場合もあります。

平成27年度予算では、農家さんの納品の利便性を高めるため各中学校に設置する野菜用保冷庫関係経費を計上し、2年目を迎えた農業公社も経営計画に基づき着実に経営安定化を進めています。

様ざまな条件が整備されていく中、農業委員会も、「遊休農地への対応」について、これまでの指導重点から積極的な公社への斡旋を打ち出していきますので、市と公社と三位一体となって地産地消システムを頑固としたものにしながら、農地保全に全力で取り組んでいきたいと思います。

  

 

 

 

 神戸市北野町の異人館北端に、通称「うろこの家」があり、この写真はその裏山にある「港みはらし台」からの展望です。

先日、10年ほど前に見た神戸春節祭での「変面」を見たさに、神戸へ行ってきました。

10年ほど前の春節祭イベント

 ところが、なんとあのお伊勢参りを彷彿とさせる混雑ぶりでステージにはとても近寄れませんでした。

 いつの間にこんなにメジャーになったのでしょうか、ステージ周りはガードマンと警察官が壁をつくって立ち止まることも許されず、やむなくカメラをもった手を思いっきり空に伸ばして撮ったのがこの一枚。

 「変面」、見たかったのですが仕方がありません。その昔、「この櫂に手をそえて」という中国映画があり、変面王といわれる老人と男児と思われて買われた少女との物語に感動して、それ以来変面ファンの一人になりました。

紐を引っ張って頭に被った帽子や胸に面を隠すとかいわれていますが、その仕掛けは門外不出らしいです。最近は女性の変面師もおられるようですが、来年の春節祭まで楽しみにしておきます。

ということで、時間が余ったので異人館街をこれまた久びさにウロウロした後、コーヒーを飲みに入ったのがこちら。

わかる人にはわかる、この喫茶店。

映画「繕い裁つ人」で、「ここはだめ!」と中谷美紀さんが最初に言ったあのお店です。

あのチーズケーキは実際にはメニューにないそうで、それでも次から次へとお客さんが入ってこられ、映画みたよと声をかける方も数人おられました。

私が座ったのはヒロインが座っていた席・・・。

ものを大切に扱うというのは物欲推進派の私には耳の痛い話ですが、良い映画でした。

キューズモール内の109シネマズでは上映は終わっていますが、宝塚や梅田の映画館ではまだ上映しているようです。

ちなみに、映画の中の南洋裁店は、川西市郷土館内の旧平賀邸がロケ地だそうで、今度行ってみようと思います!

 

最後に今月の一枚。

川合地区で、また農地をお預かりすることができました。

所有者の方は女性お二人で、とても農業はできないとのことでした。

公社の職員がトラクターで整地していますが、川合池から見下ろすと彩都の街やモノレールのような近代的な背景とのミスマッチが印象的でした。

あえてノスタルジックな仕上げにしてみましたが、機械化が進んだとはいえ農家は何百年、ひょっとすると何千年も同じことを営営と続けてこられたんだなと思うと、自分もタイムスリップしたような不思議な気分になりました。

今月はあと1回担当がまわってきます。次回は「さくら」ですね!

ありがとうございました。

小さな画像は左クリックすると少し大きな画像になります.

 

  

 

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