皆様こんにちは。市長政策室の稲野です。
立春が近づき、寒さも少し和らいできたかと思っていましたが、また本格的な寒さが戻ってきました。北米では大雪でたいへんなことになっています。海水温度の上昇で大雪がもたらされるというメカニズムは、私にはなかなか理解しがたいですが、早晩、わが国もそういう気象状態になっていくのでしょうか。
また、インフルエンザが猛威をふるっています。手洗い・うがいを心がけ、楽しい冬にしていきましょう。
(冬にきれいな「ろうばい」の花)
さて、今回は「小野原の歴史・魅力スポット紹介」その9をお届けします。
○とんど
皆さんは「とんど」をご存じですか。「あーあれか」とその風景が思い浮かぶかたはどれぐらいおられるでしょうか。
「とんど」は、小正月(1月15日)に、お正月に玄関に飾った注連縄(しめなわ)や松飾り、書き初めなどを地域ごとにまとめ、積み上げて燃やし、その年の無病息災や学芸向上を祈る行事です。その火にあたったり、焼いた団子を食べれば、その1年間健康でいられるなどの言い伝えもあります。
(わが家の注連縄)
「とんど」は、「どんど」や「どんど焼き」とか、「どんどん焼き」とか、地域によって、また人によっても、微妙に言い方が異なります。カイロや英語のように「どんと焼き」という人もいます。
箕面市周辺では、「とんど」や「とんど焼き」、あるいは「とんど祭り」というかたが多いように思いますが、いかがでしょうか。注連縄などが勢いよく燃える様から、このような名前になったという説があり、そういう意味では「どんどん焼き」が正しいのかもしれません。
神道の世界では、「焚き上げ祭(たきあげさい)」と言うらしいですが、現在は宗教的な意味合いは薄れ、地域の伝統行事として実施されている場合がほとんどだと思います。
(西国街道沿いに出された注連縄)
○地域と一体となって続く小野原・春日神社の「とんど」
いま小野原では毎年必ず、小正月後の休日に、春日神社の境内で「とんど」が行われています。しかし、かつては何度も実施されない時期がありました。
あまり自信はありませんが、私の記憶では、いまから30年くらい前に、当時の「若葉こども会」の役員さんたちが「子どもたちに楽しい思い出を」と、土地区画整理前の小野原公園で「とんど」を復活されたように思います。
途中から、地元消防団(小野原分団)にも協力依頼があり、「とんど」の火で消防団員が焼き芋を作り、子どもたちにプレゼントしていました。それが20年くらい前まで続きましたが、こども会も解散になり、「とんど」は実施されなくなりました。
自治会員の皆さんからは、「注連縄をゴミに出すのはもったいない」とか、「とんどを復活してほしい」という声が上がっていましたが、実施主体がなく、課題となっていました。
そこで、いまから13年半前の平成13年(2001年)8月に、小野原分団の退団者を中心に発足した「小野原防災クラブ」(当時は「小野原分団OB会」)が、「それなら我々がとんどを復活しよう」ということでまとまり、自治会に提案し了解を得て、以降、小野原自治連合会の公式行事として定着しています。
なお、以前にもご紹介しましたが、小野原防災クラブは「箕川クリーンワーキング」などをはじめ、さまざまな地域の清掃活動を行うとともに、災害発生時には消防団を支援して、地域の防災活動を推進することを目的に活動しています。もちろん、親睦の機会もあり、いま約70名の会員が在籍しています。
○伝統行事の継承と地域との関わり
今年も去る1月18日(日曜日)に、小野原・春日神社の境内で「とんど」が盛大に行われました。あらかじめ小野原自治連合会から、自治会員に「当日、朝9時までに西国街道沿いに注連縄を出してください」と回覧し、それを当日、小野原防災クラブの会員が回収し、春日神社に集め、前日に竹で組み上げた櫓に積み上げていきます。
午前10時になると、大勢のギャラリーが見守る中、簡単な神事を行った後、注連縄などに点火を行います。ほとんどが藁(わら)か紙ですので、30分もしないうちに燃えてしまいますが、参加された人々は火の近くに集まり、今年1年の無病息災や学芸向上を祈られています。
また、小野原の「とんど」は、年々来場者が増え、盛大になってきています。「とんど」の開催日は毎年、変わるため、旧小野原地区の小野原自治連合会会員のみに案内していますが、「とんど」の存在を知られた近隣の皆さんが、開催日をおしらべになり、注連縄や書き初め、古いお守りなどを持って、境内まで来られる姿が年々増えています。
そして、この「とんど」は、地域のかたがたの協力や連携で成り立っています。自治会はもちろんですが、もう10年近く前から「豊川南小地区福祉会」の皆さんが協賛いただき、甘酒の接待をしていただいており、これも恒例になっています。火の近くは熱いですが、寒い境内で、温かくておいしい甘酒はたいへん好評です。
少し早いですが、皆さんも、来年はぜひ小野原の「とんど」にお越しください。
箕面市では、3月31日まで『明日くるかもしれない大災害!今すぐ始めよう!家庭の備え』の統一キャンペーンを実施中です。