皆様こんにちは。市長政策室の稲野です。
寒さが一気に強まってきました。来週からは、いよいよ年の瀬「師走」です。
「師走」は字のイメージから、教師が走り回るほど、忙しく、慌ただしい月と言われますが、じつは、「師」は僧侶のことで、お坊さんが年末に檀家回りで忙しく走り回ったことから、「師走」と呼ばれるようになったというのが有力な説のようです。
長期予報では、今年の冬は比較的暖かい日が多いそうです。しかし、アメリカでは異常寒波が襲来し、大きな被害が出ています。また、インフルエンザや風邪が流行し始めています。手洗い、うがいを心がけ、楽しい冬にしていきましょう。
(紅色がきれいな葵の花)
さて、今回は「人事・給与構造改革」に伴い、本格的にスタートした本市の「新人事考課制度」について、ご紹介します。
○人事・給与構造改革
本市の「人事・給与構造改革」については、「年功序列」を廃した全国初の画期的な取組として、去る7月15日の部長ブログでもご紹介しました。
少しおさらいしますと、本市の「人事・給与構造改革」は、従来の「年功序列」を廃し、給与制度において、「年齢と処遇の一致」から「責任と処遇の一致」へ“給料表”を大きく転換し、かつ、人事制度において、上司のみならず、同僚・部下を含め、10人程度の職員がそれぞれの職員の働きぶりを評価する「多面評価」と、全部局室の部長級等の職員が一堂に会して大激論のうえ決定する「評価調整」により、客観性・納得性を高めた人事評価制度を導入することにより、真に頑張る職員が報われる公務員制度の構築をめざすものです。
「責任と処遇を一致した給与制度」の柱は、「重なりゼロ」の給料表の導入です。今後は、上位の職の給料は必ず下位の職の給料を上回るようになります。これまでは、後から市役所に就職した職員は、先に就職した先輩以上に頑張って評価され、先輩より上位の職に就いた場合でも、管理職手当が若干上回るだけで、基本給で先輩を追い越すことは、まずありませんでした。むしろ、責任だけが重くのしかかっていました。
しかし、役職に応じた「重なりゼロ」の給料表に切り替えたため、上位の職の給料下限額は必ず下位の職の給料上限額を上回ることになり、先ほどのような場合、基本給においても、後輩が先輩を必ず追い越すことになります。これが「責任と処遇(=給与)を一致させた給与制度」です。
○新人事考課制度のしくみ
今回、これら「人事・給与構造改革」の基礎となる、新しい「人事考課制度」がスタートしました。真に頑張る職員が報われ、組織のモチベーションが高まる「人事・給与構造改革」を実現するためには、昇給や昇格の判定根拠となる「人事考課制度」が公平で客観性が高いものでなければなりません。
しかし、人が人を評価するのですから、完璧なしくみはありえません。さらに、市役所の場合は、売り上げ等の数値的な成績はなく、担当職務も多種多様なので、絶対的な基準づくりは不可能です。そのため、いかに誤差を減らし、多くの職員の納得性を高められるかが、制度の信頼性や公平性を担保することになります。
これらの観点から、新しい「人事考課制度」は、次の3点に重点を置いて、制度を構築しています。
1.上司、同僚、部下など多くの職員が評価する「多面評価」
2.個々人の評価のバラツキを調整し、最終評定を決める「評価調整」
3.最終評定結果と評価理由を本人に開示する「フィードバック」
このうち、いま全庁的に「多面評価」を終え、これから来年1月末までの間で、「評価調整」を実施していきます。
○多面評価
「多面評価」は、個々の職員の1年間の働きぶりや仕事の成果について、直属の上司はもとより、同じ職場の同僚・部下や職務上関連がある他の職場の同僚など、複数の職員がそれぞれ個別に評価します。評価は、「標準よりかなり上回っている」という区分「S」から、「標準よりかなり下回っている」という区分「E」までの6段階です。
一般職の場合、上司である課長と課長補佐のほか、課長から指名された同僚職員4人の計6人が評価します。担当主査(係長級)の場合は、上司である課長と課長補佐のほか、同僚や他部局の担当主査4人と部下の一般職2人の計8人が評価します。課長や次長は、計10人の上司・同僚・部下が評価します。上司・同僚・部下によって、それぞれ配分点には差をつけていますが、より多くの職員が評価をすることにより、評価結果の客観性を高めています。
○評価調整
「評価調整」は、各自が「S」から「E」まで自由に評価をした個別評価をもとに、あらかじめ決められた配分割合に基づき、個々の職員の頑張りや仕事の成果を上位から順位付けします。その最終結果が、個々の職員のその1年間の人事評価の最終評定になります。
まず、個々の職員について、「多面評価」で複数の職員が実施した個別評価の結果を点数化し、その合計点を算出します。その結果をそれぞれの課ごと、役職別ごとに順位付けを行い、各部局室ごとや、少数の部局室ではいくつかをまとめて一覧表にします。
次に、一覧表にある職員の上司である課長、次長、部局室長が一堂に会し、部内調整会議を実施します。ここでは、各課の評価にバラツキがある前提で、それを調整するため、「うちの課のA職員は今年度、難易度の高い○○施策を担当し、期待以上の成果をあげた。○○の課のB職員よりは高い評価になるバズだ。」などと、参加者が自分の部下の頑張りぶりを主張し合い、徹底的に議論・調整のうえで、最終的にはあらかじめ割り当てられた配分割合に基づき、部局室としての順位付けをします。
この際のルールとして重要なのは、個別評価の合計点で上下があったとしても、調整のうえで、部局室内の評価順位を変更することはできますが、同じ課の中での順位は変更できないことです。つまり、初めの個別評価に「甘い、辛い」があるのを前提としたうえでも、同じ課内では、ほぼ同じメンバーが同じ尺度で評価した結果なので、その順位は変更できないことにしています。これは、「評価調整」を後からするとしても、初めの個別評価が結局はとても重要であることを意味しています。
次に、この部内調整会議で調整した各部局室の結果を一覧表にして、全庁調整会議を行います。この会議は、副市長が会議の長となり、教育長ほか特別職と全部局室長が参加し、部内調整会議と同様のルールで、喧々諤々、議論を交わし、役職ごとに市職員全体の順位付けを行い、最終評定を決定します。
昨年度は、人事や給与の処遇に反映しない、あくまで試行の位置づけで、これら「評価調整」を行いましたが、部内調整会議でもなかなかまとまらず、全庁調整会議に至っては、まる2日で調整がつかず、休日返上で予備日に会議を開催し、なんとか調整ができました。
今年は、試行ではなく、本格実施として、その結果が個々の職員の処遇に反映されていきますので、さらに難航することが予想されますが、職員のヤル気、やり甲斐を高め、組織力やモチベーションを高めていくために、気合いを入れて、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
その最終評定の結果は、3月に、評価された点、改善すべき点などを説明したうえで、今後のさらなる頑張りを促すよう、それぞれの上司が全職員一人ひとりにフィードバックします。
【ご報告】
○るいちゃんが元気な姿で市役所を訪問
このブログでも呼びかけ、多くのみなさまにご支援いただいた杉本類ちゃんが、アメリカでの心臓移植手術を終え、去る11月12日(水曜日)、ご両親とともに、元気な姿を見せに市役所を訪問してくれました。倉田市長をはじめ、応援いただいた関係団体のみなさまにもお集まりいただき、みんなで「おめでとう」と盛大に祝福しました。「いやー、ほんとによかった」。るいちゃんに勇気と元気をもらいました。
(元気になった、るいちゃん)
箕面市では、3月31日まで『明日くるかもしれない大災害!今すぐ始めよう!家庭の備え』の統一キャンペーンを実施中です。