おはようございます、農業委員会の吉田です。
いま、13日(月)の午前10時を少しまわったところです。
外は雲間から青空も覗き時折日も差していて、今夕から明日にかけて大型台風が接近・上陸するとの予報はにわかに信じがたく思うのですが、来るなら来るで、どうか被害をもたらすことなく通過していってください、お願いしますよ!
さて、先日、熊野古道から那智の滝まで散策するツアーに参加してきました。
箸折峠の牛馬童子
恥ずかしながら、熊野古道や那智の滝はまだ見た事がなくじっくり歩いてみたかったのですが、まずは下見ということで初めて団体ツアーなるものに参加してみました。
意外と快適な団体ツアー
集合時間さえ気にかけていれば結構楽ちんなこのツアー。
語り部さんと呼ぶ地元のボランティアガイドさんが一緒に歩きながら説明してくれるのですが、これから世界遺産である大門坂から古道に入ろうとした時に、那智川を挟んだ反対斜面を指し示し、あの辺りが平成23年の台風12号により多くの方がたが亡くなられた市野ノ地区であると教えてくれました。
そういえば、と記憶を呼び起こそうとしたのですが、そういえばから先に進みません。この時だけ、少し陰りのある様子ながらさらりと説明された語り部さん。後日ネットで調べてあらためて認識した次第で申し訳ない。
狭隘な渓谷だったことが災いし山の斜面が一気に崩れ、最大2mを超える土石流が家屋ごと押し流していったそうです。今でも復旧工事が続いていましたが、笑っていいのかどうか、最近は崩れた斜面に残った杉の木立と地肌の陰影がハート型に見えて可愛いと妙なところで人気がでて、とまた少し複雑な表情の語り部さんでした。
もう一つ、災害にちなんだお話を。
この熊野詣に行った初日がたまたま御嶽山が噴火した日でした。御嶽山には一度登ったことがあり、ふもとの開田高原などにも何度か行ったことがあって、宿ではしばらくニュースに見入っていました。
その日の夕食、電車の中でも臨席だったご夫妻とたまたま同席になり、お二人とも元自衛官ということからいろいろお話を伺うことができました。
粛粛と任務をこなしてきたといわれますが、退官後叙勲を受けられたとのことですから、多くの現場を経験されさまざまな試練に耐えてこられたのでしょう。
災害となると召集派遣される自衛隊って大変ですねぇと水を向けると、「いやいや、消防にはかなわない。自衛官や機動隊員の任務は事後に出動することが多くさほど危険は伴わないが、消防隊員は災害時はもちろん日常的にも常に先頭に立って命がけで人命救助に当たっている。本当にすごいのは消防だ。」と強く言い切られていたのが印象的でした。
まったく、近づいてくるサイレンの頼もしさは筆舌に尽くし難いと強く同感して、部署は違えど消防職員とともに働いている自分に少しうれしくなって、気持ちよく乾杯が続くのでした。
御嶽山の写真は何年か前に撮ったものですが、山頂を見上げた写真の白い雲の下あたりから噴火したようで、噴火後を撮影した地理院の写真では様子が一変しています。
これから紅葉シーズンを迎えるはずだった信仰の山。自然と付き合うということは常に危険と背中合わせというものでしょうが、山や自然が好きな一人として、亡くなられた方がたのご冥福をお祈りするとともに、そう遠くない日にまた再び登山できる日がやってきて欲しいと願っています。
さて、話はコロッと変わりますが、さわやかな秋を感じていただければ・・・。
誘われて、神戸よさこいまつりを見に行ってきました。
当日は快晴、若い人たちから高齢者まで、思い思いにダンスで自分を表現しています。
港もすっかり秋の装いで、海の香りを含んだ風が心地よい一日でした。
さぁて、歳のせいもあってか、近頃はなぜか時間が早く過ぎて行くようで、彼岸花の季節もあっという間に通り過ぎてしまった気がします。
昨年、ウンカなどの病気で被害を受けた水稲も、今年は無事豊作だそうです。
川合地区では、畦に咲く彼岸花が見事なコントラストで、山並みやモノレールとも調和した景色を見せてくれます
このように、健康でしっかりと実った稲穂から今年の豊作を感じ取ることができますが、農業新聞などによると今年は全国的に米の買取価格が低下するとともに、直接支払い交付金も半減されたことによって米農家の収入は大幅な減額となることから、経営圧迫による危機感が高まっている、とのこと。
もともと、食事の西洋化によって米を食べなくなってきたことに加えて、農業機械や農薬が発達して反当り収穫量が増え米余りになった。生産量を調整し、一定の収入が確保できるように交付金制度なども設けてきたが、それが今年度から年次減額され向こう5年間で廃止される。借地農家の地代負担も大きく、このままでは稲作継続が困難との声が強まっている、とあります。
さらにTPPの協議結果如何によっては致命的な打撃を受ける、という意見がある一方で、日本の米には品質という競争力があり、関税を撤廃したからといって致命的にはならず、むしろ積極的に輸出していける好機である、という考え方もあるようです。
保護施策によって、工夫して美味しい米を作る努力と世界の米農家と競争していくという意欲が薄れてきたのも米離れの一因といわれていますが、今後より活発になるであろう企業の農業参入は農家が何代にもわたって営営と守ってきた水田、稲作農業や技術の継承を保障するものではなく、このままでは主食たる米の作り手がいなくなり、田園風景が消滅していく可能性も否定できません。
どこに着地点を求めていくのか、農地は一度その姿を変えてしまうと元に戻すことは困難といわれています。すでに中間管理機構を利用した企業参入が始まっていて、担い手による集積に影響が出るのではないかと危惧もされています。農業委員会の制度改革も含めた一連の改革の流れが、どういった線で結ばれていくのか、本市農業者への影響が大いに気になるところです。
さて、またまた話は変わります。
まさに昨日のような日にピッタリなブルースの名曲があります。
T-Bone Walkerの代表曲である「Stormy Monday」。
多くのミュージシャンにカバーされていますが、私はBluesBreakers時代のエリック・クラプトンの演奏が一番好きです。
先日、そのクラプトンのドキュメンタリー映画が完成し全国一斉に二日間だけ上映する、というメールが届きました。
クラプトンといえば、ギター少年で影響を受けなかったものは皆無というぐらいすごいギタリストだった人です。今年69歳、40年前の初来日から200回を超える日本公演をこなしています。
内容は今年の日本ツアーの演奏を中心にインタビューをちりばめたもので、かつてのクラプトンを知るものにとって少少物足りなさが残るものの、久びさに大きなスクリーンで見るのもいいかなと思い直して行ってきました。
客席には私と同世代前後がまばらに、めいめいが思い思いの席に座り、ひたすらスクリーンを見つめています。
最後部に陣取って年輪を重ねたクラプトンを見ていると、必死でレコードを聞いてコピーした頃のこと、初来日のステージ、音楽談義をした友人のこと、いろんなことが思い出されて大音量で流れている演奏も耳に入らなくなるほどでした。
そして、この空間にいる皆が同じようにスクリーンに青春を重ねているように思えてきて、クラプトンが好きでロックが大好きだった友人達が何十年ぶりかで集まったように感じた不思議な時間を過ごすことができました。
そこで、そろそろシリーズ化を宣言してもよさそうな「こんなレコードあるんですけど」のコーナーへ続きます。
ここまでくれば、今月はクラプトンかと思われるでしょうが、実はそうではない!
皆さん、ギターを演奏しながらそのギターをくるくる回すというプレイをご存知でしょうか?
そうです、演奏にはまったく必要ではないながら、見るものに強烈なインパクトを与える一発芸奏法です。
数年前、ある外国のグループがそういうことをやっていたようで少し話題になったような曖昧な記憶があります。
しかし、私はこのプレイを今から40年前、クラプトンの初来日コンサートにおいて前座バンドのギタリストがやっていたのを見た!のです。
彼こそがその芸の元祖と信じる、バンドの名は「ハリマオ」。
完全にノックアウトされた私は翌日レコード屋へ走り、LPを買ってしまいました。
ギタリストの名は、黒沢賢吾氏。
恐るべし!前座帰れコールの嵐の中でギターを回し続けた男、くろさわ!
彼がギネスに載っているのかどうかは知りませんが、必要であれば喜んで証人になる覚悟はできています。
もっとも、40年ぶりにこのレコードを聴いた感想は、「 ん?なんでこんなん買ったんやろ?」でした。
さて、台風は来る前から影響を与える場合もあり、市内では少し早い目に稲刈りが行われたようです。
公社がお借りしている水田も先日稲刈りを行いました。
荒れていた止々呂美の棚田。その一部を水田として再生し、農家の尾崎さんにご協力いただいて稲刈りを行いました。
こちらは粟生地区の水田。直播した稲も立派に育ち前農業委員の岡田さんにご指導いただきながら収穫しました。
刈り終えた稲藁。無造作に積み上げられたように見えても、見事な造形を作っていて柔らかさに思わずもぐりこみたくなります。
こちらも川合地区。できるならこのまま後世に守り伝えたい景色です。
まったく稲穂の国とはよくいったもので、生活圏である集落、町並みと里山、そして食料生産圏である水田と、意識したわけではないにしろ見事に調和の取れた美しさを感じさせるのは、日本人の美意識でしょうか。
感覚を澄ませれば、まだまだ箕面にも美しい景色が点在するように思えますし、同じところでも同じ絵にはならないということがわかるような気がします。
そして、公社が収穫したお米はすべて学校給食に提供されていきます。
最後に今月の一枚。
止々呂美地区にて、親子三代と思われる収穫作業。
重く実った稲穂に秋風を受けて揺れる満開のコスモス。
当たり前のようで、あまり見かけることのできない昔ながらの図です。
しかし、現実に今でもこんな絵を撮ることができる不思議な魅力が箕面にはあります。
人が幸福に生活を営んでいるところには、必ずこうした出会いがあるように思えるのですが、いかがでしょう?
ではまた次月、ありがとうございました。
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