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Channel: 部長ブログ@箕面市役所
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箕面の山を守れ! 〜 「ナラ枯れ」被害の拡大防止に取り組んでいます 〜

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こんにちは。
みどりまちづくり部長の中井です。
この週末には「第29回箕面まつり」が開催されました。多くのみなさんがまつりを楽しまれたことと思います。まつりの運営に携わってくださった多くのスタッフのみなさん、本当にお疲れさまでした。まだ、この後の8月2日、3日には「桜井地区 納涼の夕べ」が箕面まつりの関連イベントとして開催されます。そのほかにも、地域イベントとして夏祭りを開催される地域もあるようです。これからもまだまだ暑い日が続きますが、これら夏の催し物を楽しみながら暑い夏をしっかりと乗り切っていきましょう。


さて、今回は、箕面の山を守る取り組みについてご紹介したいと思います。
箕面の山は、これまでから山林の所有者やNPOみのお山麓保全委員会等の市民活動団体、関係行政機関が連携してその保全に取り組んできたことで、四季折々の美しい風景が保たれてきました。今、この風景に良くない影響を与えようとしているのが、カシノナガキクイムシによるナラ・カシ類の集団枯損被害(ナラ枯れ被害)です。大阪府内では、平成21年に高槻市で初めて発見され、その被害は北摂山系にも広がっています。
箕面市でも、平成22年度に如意谷で初めて発見されて以降、山間山麓部で被害木が発見されています。
このナラ枯れ被害が拡大した背景に森林の放置があげられます。森林に人の手が入らず、長い間放置され大径木となった木や感染して枯死したまま放置されている木が、繁殖材料となり、カシノナガキクイムシが増えてしまったことが被害拡大の原因だといわれています。

「ナラ枯れ」は、体長5?ほどの甲虫である「カシノナガキクイムシ」がナラ類、シイ・カシ類等の幹に穿入して、メスが「ナラ菌」(カビの仲間)を樹体内に持ち込むことにより、ナラ類、シイ・カシ類の樹木を集団的に枯死させる「樹木の伝染病」です。

カシノナガキクイムシ
 

(写真:一般社団法人 日本森林技術協会「ナラ枯れ被害対策マニュアル」より)

 

被害を受けた樹木

 
 根元周りにフラス(木くず)                           細長いフラス(6月以降オスが穿孔)

 

  茶色く変色したところがナラ菌の跡

 

文献で確認できる最も古いナラ枯れ被害としては、昭和初期(1930年代)に発生した宮崎県と鹿児島県での被害がありますが、全国的に被害が拡大してきたのは、平成14(2002)年度頃からです。その後、全国的に対策がとられ平成22年度をピークに被害は減少傾向にありますが、一部地域では被害が増加(箕面市も被害が増加しています。)しているところもあり、自然に被害が終息する状況にはありません。
箕面市でも平成23年度からナラ枯れ対策に取り組んでいますが、平成25年度のナラ枯れによる枯死木等の処理本数は、110本(144立方メートル)で、前年度(89本)より増えています。ナラ枯れ被害をこのまま放置すれば、今後2年程度で現在の10〜20倍に被害が拡大するという予想もあります。
ナラ類やシイ・カシ類は身近な森林を形成する代表的な樹木で、これらの樹木が被害を受け続けた場合には、次のような影響が考えられることから、被害の拡大防止が重要となっています。
1 森林の景観が大きく損なわれます。
2 森林の水源かん養機能の低下や土砂災害の危険性があります。
3 枯死木が民家や道路近くにあると倒木による被害の危険性があります。
4 森林の生態系に影響が及ぶおそれがあります。


〜 箕面市における被害の拡大防止の取り組み 〜

ナラ枯れ被害の拡大を防ぐには、早い時期から被害を的確に把握し、発生の初期段階で防除していくことが最も重要です。箕面市では「NPOみのお山麓保全委員会 ナラ枯れ防止プロジェクトチーム(2010年9月設立)」と連携し、被害の迅速な把握と初期段階での防除に取り組んでいます。


【被害木の調査と周知・啓発活動】

< 被害木の調査 >

 
被害調査 

< ハイカーへのPR >

 
 観察木を設定しハイカーにPR                  簡単な判定方法や連絡先を掲載

 

< 被害木の表示 >

 
 被害木に黄色のテープ                            枯死木に赤いテープ(被害木が枯死)

 


【被害の拡大防止に向けた防除対策】
 

< 粘着シートで虫を捕獲 >

 
オスの集合フェロモンに集まるメスを捕獲        樹木から出てくる虫を捕獲
 

  
  カシノナガキクイムシがびっしり          ビニールシートで虫の進入や拡散を防止

 

< 枯死木の伐倒・くん蒸で虫を駆除 >

     
玉切りした樹木(表面に筋入れ)              一定の長さに玉切り  

   

 
  シートをかけて薬剤注入              シートは数年で分解(環境に配慮)

 

この四季折々に美しい箕面の山は、市民のみなさんの貴重な財産です。
平成25年度に実施しました市民満足度アンケート調査においても箕面の「山なみのみどり」に対して9割近い方が関心をもたれ、7割以上の方が満足とお答えいただいています。この結果をみても箕面の「山なみのみどり」は、これからもしっかりと守っていかなければなりません。そのためには、山林所有者のみなさんや市民活動団体のみなさん、関係行政機関が連携して取り組みを続けていくことが重要です。
特に、このナラ枯れ被害の拡大を防止するためには、被害木の調査から被害木の処置と地道で継続した活動が必要なうえ、その活動範囲も広範囲にわたるということもあり、行政機関だけではとても対応しきれないのというのが現状で、多くの自治体で問題となっています。そのような中で、箕面市は「みのお山麓保全委員会 ナラ枯れ防止プロジェクトチーム」の活動と市とが連携しながら取り組みを進めることで、被害の拡大をかなり抑制できているとの評価を受けており、これからも連携を図りながら被害拡大の防止に努めていきたいと考えています。
「みのお山麓保全委員会 ナラ枯れ防止プロジェクトチーム」では、チームの活動を市の広報紙「もみじだより」でNPO山麓委員会の催しとして毎月お知らせしていますので、一人でも多くの方が箕面の山を守っていく活動に参加していただけることを期待しています。

 



箕面市では、4月1日から8月31日まで統一キャンペーン『お家の耐震化チェック無料キャンペーンを実施中!』です。 


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