皆様こんにちは。市長政策室の稲野です。
東日本大震災から、はや3年が過ぎました。いまさらながら、自然の脅威と人類の未熟さを感じた出来事でした。科学技術によって対峙することだけを考えるのではなく、想定外を常に想定して、しなやかにかわしていける、人心の謙虚さが大切だと感じています。被災地に一日も早く安寧の日々が訪れるよう、今後もそれぞれの立場で可能な限りの支援をつづけていきましょう。
また、春の足音がそこまで聞こえてきましたが、寒の戻りもあると思われます。健康にはくれぐれもご留意いただき、「別れと出会いの季節」、この年度末を元気に乗り切りましょう。
(道端に梅の花が咲いていました。)
さて、私は昨年4月1日に市長政策室に異動になり、やっと1年目を終えようとしています。今回はバタバタと過ごした、アッという間の1年の中で、特に印象に残っているトピックを中心に、簡単に平成25年度を振り返ってみたいと思います。
○佐賀県武雄市図書館の視察
人事異動は4月1日(月曜日)でしたが、実はその前日と前々日、つまり、3月30日(土曜日)と31日(日曜日)に、倉田市長、具田教育長(当時は市長政策室長)に随行して、佐賀県武雄市に図書館の視察に行きました。
いまから考えれば、これが市長政策室長としての初仕事でした。先進的でユニークな図書館がオープンするので、武雄市の樋渡市長から、倉田市長が内覧会にご招待を受けておられ、関係者で視察するということで、私も参加しました。当時は、私は図書館を担当する生涯学習部長でしたので、何の違和感もなく、「市長の出張に随行するように」との指示を受け、これに従いました。その出張の直前になって、「4月1日から市長政策室長です。」と人事異動の内示があり、とてもびっくりしたのを覚えています。
武雄市図書館は、館内にスターバックスのお店があり、指定管理者制度により、TSUTAYA書店とレンタルCDショップと公共図書館が一体運営される画期的な図書館です。いわば「図書館の常識」を覆す斬新なコンセプトと運営で、全国からたいへん注目されていましたので、内覧会にも各方面から大勢のかたが参加されていました。
そして、この視察は、前回の部長ブログでご紹介した、本市の「中央図書館のリニューアル」にも一部、参考になっています。また、余談ですが、そのときの懇親会で佐賀県の古川知事が「カンパーイ」ではなく、「いまでしょ!」と乾杯の発声をされたのには笑いました。そのとき、流行語大賞になるような予感がしましたが当たりました(まったくの余談でスミマセン)。
(武雄市図書館の外観)
(1階エントランスとコーヒーショップ)
(1階エントランスから2階を望む)
○国立循環器病研究センターの移転問題
昨年4月の着任当時は、箕面市に隣接する吹田市藤白台にある国立循環器病研究センター(以下「センター」といいます。)が老朽化による建替のため、移転先を探しておられ、その候補地として、箕面市船場地区が有力な候補地となっており、新聞社からの問い合わせ等で毎日、ヤキモキしていたのを覚えています。
船場地区に立地する大阪船場繊維卸商団地は、昭和45年(1970年)の開業以来、繊維業界の不況や流通構造の変化等の影響を受け、企業の事業規模縮小、経営破綻が相次ぎ、まちの更新期を迎えています。そこで、北大阪急行線の延伸を契機として、従来の物流機能中心のまちから、多様なニーズに対応できる新たな都市拠点への転換をめざされていました。
こうしたタイミングで、平成23年8月16日にセンターが、近隣各市に建て替え移転の候補先となる意向があるか照会をされたため、本市は即座に「誘致意向あり」と回答しました。また、その後、船場団地組合とも連携して、船場地区の優位性をアピールする、さまざまな資料を提出するとともに、倉田市長が自らプレゼンテーションに出向かれ、審査員の皆さんにとても高い評価を受けていました。
しかし、平成25年6月11日にセンターから、建て替え移転先が本市ではなく、吹田市岸部地区に決まった旨の通知があり、市の理事者や職員はもとより、多くの市民や関係者が落胆する結果となりました。
そこで、本市は不透明な選定プロセスに強い疑念を感じ、これまでのセンターとの協議経過や、そもそも当初にセンターが誘致意向を照会された際に「誘致意向なし」と回答してほしいと依頼されたことを公にし、センター理事長と厚生労働大臣に抗議文を送付しました。
本市の抗議に対し、センターから返された回答は、本市の疑念を払拭するものではなく、また、センターが公表した移転整備に関する資料においても新たな疑念を禁じえないため、本市はセンターに対して質問書を送付しました。
しかし、本市が納得できるような明解な回答は全くなされず、本市の訴えに対し、真摯に応えようとされている印象さえ持てず、何度も再質問を行い、誠実で真摯な回答と対応を求め続けてきました。
また、他方では、吹田市への移転・建て替え計画は当初の予定よりも2年遅れながらも、着実に進められていきました。
○北大阪急行線の延伸と周辺のまちづくり
そんなこんなでバタバタと年末を迎えるころ、ビッグニュースが飛び込んできました。表舞台や水面下で、市議会はもとより、各方面の絶大なご協力をいただきながら、全市挙げて、さまざまな取組を進めてきた箕面市最後のビッグプロジェクト「北大阪急行線の延伸」について、何の予告もなく、12月18日の定例記者会見で大阪府の松井知事が、「北大阪急行線延伸に大阪府も100億円程度負担して事業を開始するため、箕面市や阪急電鉄・北大阪急行電鉄など関係者間で年度内に事業化の合意をする」と発表されました。市役所内が安堵の気持ちと達成感で大いに湧きました。
現在は、箕面市議会定例会でこれらに係る予算案や関係議案の審議が行われており、新年度からは(仮称)新箕面駅と(仮称)箕面船場駅周辺のまちづくりも含め、鉄道や駅舎の詳細設計など、本格的に事業をスタートさせていくことになります。
そして、東京オリンピック・パラリンピックと同じ、平成32年(2020年)の開業を目指し、着実に事業を進めてまいります。
最後に一言。平成25年度は、このようにバタバタとしながらも、待望の北急延伸が決定したり、財政の健全化がさらに推進したりと、充実した1年でした。
平成26年度も、北急延伸や周辺のまちづくりをはじめ、子育て支援や学校教育の充実、安全・安心と「農」あるまちづくりなど、さらなる市民福祉の向上に向けて、新たな施策や未来への投資も進めてまいります。
詳しくは、去る2月25日に市議会で演説された倉田市長の「平成26年度(2014年度)施政及び予算編成方針」をご覧ください。
箕面市では、11月9日から3月31日まで『ラジオ体操を始めましょう』統一キャンペーンを実施中です。