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人の立ち直りを支える「更生保護活動」

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こんにちは。健康福祉部長の小野啓輔です。

新年度の健康福祉部は、退職や人事異動により、
新しく9人の職員が配属されました。

管理職では、新メンバーとして、次長1人、課長級2人が加わり、
各課の課長は、それぞれ2年目を迎え、
より一層、市民の皆さまのお役に立って活躍してくれるよう、
大いに期待しています。

組織も少し、変わりました。
食育推進課が、地産地消や農業政策との連携をより一層深めるため、
みどりまちづくり部所管の「箕面産と食の育成課」に発展しました。
健康福祉部は、健康福祉政策課、生活福祉課、障害福祉課、
健康増進課、高齢福祉課、高齢者施設担当、広域福祉課の、
6課1担当という組織になりました。

私も、健康福祉部長4年目に突入、
机の上も、きれいにクリーンアップし、
新たな気持ちで新年度に臨んでいます。

その模様は、こちら
今年度も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日のテーマは、「更生保護(こうせいほご)」です。
あまり、なじみの薄い言葉かもしれませんが、
社会の重要な役割を担っている、大切な仕組みと活動ですので、
ぜひともご紹介したいと思います。


●「更生保護」は、人の立ち直りを支える活動です。

犯罪や非行をした人も、裁判を終え、何らかの処分を受けた後は、
地域社会に戻り、社会の一員として生きていくことになります。

「更生保護」は、犯罪や非行をした人々が、地域社会において円滑に
立ち直ることができるように助ける仕組みです。

犯してしまった罪をつぐない、社会の一員として立ち直ろうとするには、
本人の強い意志とともに、行政機関の働き掛けと、
地域社会の理解と協力が不可欠です。

そのため、国の機関が、地域の民間の人々と連携して、
罪をつぐない再出発しようとする人たちが、地域社会の中で健全に更生できるよう、
その立ち直りを導き、助け、再び犯罪や非行に陥るのを防ぐとともに、
地域の犯罪・非行の予防を図る「更生保護活動」を展開しています。

箕面市内でも、国の機関である「大阪保護観察所」とともに、
保護司、更生保護協会、更生保護女性会、協力雇用主会を始めとする
「更生保護ボランティア」の皆さまが、更生保護への理解と協力の下、
関係機関・団体との幅広い連携によって、更生保護活動を推進しています。

 

【更生保護のシンボルマーク「生きるマーク」】


●保護観察所

更生保護を実施する国の機関は、法務省です。
その地方機関として,全国8か所の「地方更生保護委員会」と、
各都道府県に「保護観察所」があります。

「地方更生保護委員会」は、高等裁判所の管轄区域ごとに全国8か所に置かれ、
少年院や刑務所に収容されている人の仮釈放に関する決定を行う機関です。

「保護観察所」は、各都道府県に置かれ,保護司をはじめとする地域の人々の
協力を得て,保護観察や犯罪予防活動などを実施する機関です。

保護観察所には、保護観察官、社会復帰調整官など常勤の国家公務員職員が、
心理学、教育学、社会学、保健福祉など、更生保護に関する専門的知識に
基づいて、保護観察、生活環境の調整、更生緊急保護、社会復帰支援などの実施や、
犯罪予防、犯罪被害者の支援などにも当たっています。

近畿地方更生保護委員会と大阪保護観察所は、
大阪市中央区大手前の大阪合同庁舎にあります。


 
 【保護観察中の人が参加する社会貢献活動 法務省ポスター】


●保護司

保護司は、保護司法と更生保護法に基づき,法務大臣から委嘱された
非常勤の国家公務員ですが、給与は支給されません。
保護司は、更生保護活動の担い手として、犯罪や非行をした人の立ち直りを
実際に地域で支えている民間のボランティアなのです。

保護司は、民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性をいかし、
保護観察官と協働して、主に次のような活動を行っています。

(1) 犯罪や非行をした人に対して、更生を図るための約束ごと(遵守事項)を守る
   よう指導するとともに、生活上の助言や就労の援助などを行い、その立ち直り
   を助ける「保護観察」

(2) 少年院や刑務所に収容されている人が,釈放後にスムーズに社会復帰を
   果たせるよう,釈放後の帰住先の調査,引受人との話合い,就職の確保などを
   行い必要な受入態勢を整える「生活環境調整」

(3) 犯罪や非行を未然に防ぐために、講演会・シンポジウム、非行防止教室、
   非行相談、街頭補導活動などの様々な「犯罪予防活動」

更生保護は、地域の中で行われるものであることから、
犯罪や非行をした人を取り巻く地域社会の事情をよく理解した上で
行われなければ効果がありません。
そこで、地域の事情に詳しい民間の方々が、保護司として選任されます。
人格・行動について地域で信望があり、職務の遂行に熱意と時間的余裕が
あることなどの条件を満たす人について、保護観察所長が、地方裁判所長、
地方検察庁検事正、弁護士会長、学識経験者などで構成される「保護司選考会」に
諮問した後、法務大臣に推薦して委嘱されます。
保護司の任期は2年ですが、再任されることができます。ただし、再任は
76歳未満までとされています。

このような保護司は,全国に約4万8,000人おられます。
箕面市内では、32人の保護司さんが活躍しておられ、
箕面地区保護司会を組織し、任務の遂行・使命の達成に日夜努めておられます。
そのご努力とご労苦は、ほんとうに、頭が下がります。
 

●更生保護協会

箕面市更生保護協会は、犯罪者の更生と犯罪を予防することが、明るい社会の
建設につながると確信し、箕面地区における更生保護事業、犯罪・非行の
予防活動を助成し、その充実・発展を図ることを目的に、
昭和38年(1963年)に発足した団体です。

市民の皆さま方からのご寄付などをもとに、その目的達成に向け、
保護司をはじめとする更生保護活動への助成や、社会を明るくする運動への
参画、刑務所作業製品展示即売会の開催、犯罪予防の啓発・研修活動など、
様々な事業を行っています。
平成24年度は、114自治会、7企業、9個人の、合計130の方々から、
総額 1,171,950円の会費のご協力をいただきました。
たくさんの人の善意に支えられ、更生保護活動の推進に大きく寄与しています。

関連する健康福祉部中井理事のブログは、こちら。 


●更生保護女性会

箕面市更生保護女性会は、地域の犯罪予防と、犯罪や非行をした人の更生支援、
次代を担う青少年の健全な育成活動を行い、一人ひとりが人として尊重され、
社会の一員として連帯し、心豊かに生きられる明るい社会の実現を目的とする
女性ボランティア団体です。

昭和34年(1959年)8月に発足、現在、256人の会員がおられます。

具体的には、市内の各学校の校門前での「愛の一声運動」や、
幼稚園でのあいさつ運動、地域パトロール、ミニ集会、子育て支援活動、
社会を明るくする運動、少年院の訪問、募金活動などなど、
実に幅広く、熱心に活動しておられます。

全国各地に更生保護女性会があり、全国組織もしっかりと確立され、
約18万人の会員が活動され、更生保護女性会の活動を通して、
更生保護活動の推進と、地域の絆の回復に大きく寄与しておられます。


●協力雇用主会

「協力雇用主」とは、犯罪・非行の前歴のために定職に就くことが容易でない
刑務所出所者・少年院出院者・保護観察を受けている人などを、
その事情を理解した上で積極的に雇用し、その更生を援助している
民間の篤志(とくし)事業家です。
保護観察所に「協力雇用主」として登録し、関係機関や団体とも協力しながら、
事業所見学会や職場体験講習の受け入れ、実際の雇用などを行う制度です。

現在、全国で約9,300社の協力雇用主が協力しています。
平成21年(2009年)3月、大阪府協力雇用主会連合会が設立され、その後
大阪府内の各地区においても、地区協力雇用主会設立の動きが広まっています。
箕面市では、平成21年(2009年)10月に、「箕面地区協力雇用主会」が結成され、
現在、41社が会員となっておられます。

協力雇用主については、こちら

罪を犯した人が社会の中で更生していくためには、何よりも就労が大切です。
仕事に就けていな人の再犯率は、仕事に就けた人の5倍という統計もあります。
協力雇用主会の活動により、彼らが働く場を得られることとともに、
更生保護や協力雇用主に関する地域社会の理解が広がっていくことが
大いに期待されています

協力雇用主の募集や、刑務所出所者等に対する就労支援については、こちら


 
                  【更生保護ネットワークの訪問活動】
                   (保護処分を受けた女子少年の教育施設「交野女子学院」)


保護司会、更生保護協会、更生保護女性会、協力雇用主会を、
「更生保護四団体」と言います。更生保護四団体は、
法務省保護観察所と連携し、「更生保護ネットワーク」を広げています。

更生保護に関するお問い合わせ
   大阪保護観察所 電話:06-6949-6240
                            FAX:06-6920-3055

箕面市の更生保護四団体に関するお問い合わせ
   箕面市社会福祉協議会 電話:072-749-1109
                                       FAX:072-749-1566


●更生保護ネットワーク

「全犯罪者の約3割を占める再犯者が、全体の約6割の犯罪を起こしているのが、
 日本の現状です。」

これは、今年の箕面地区保護司会総会でお聞きしたお話です。
過ちを犯した人の更生・再犯防止、社会への受け入れがいかに大切かが、
よくわかる数字です。

「刑務所の入所者は、日本の7万人に対し、アメリカは200万人。
この日本の治安の良さは、交番制度と更生保護制度の両輪により
実現しています。」

これは、今年の箕面市更生保護女性会総会でお聞きしたお話です。

近年、犯罪や非行に不安を感じておられる方が多くなっているものの、
日本の犯罪発生率は、他の先進諸国と比較して、依然として低い水準が
維持されています。
こうした状況は、警察を始めとする刑事司法機関の働きのほかに、
犯罪や非行の発生を防ぎ、また、更生しようとする人が再び過ちを犯さないように
適切な指導と支援を熱心に行っておられる多くの更生保護ボランティアに
負うところが大きいといえます。

特に、犯罪や非行をした人たちや、その親族の方などの心の問題を取り扱うのは、
大変デリケートで、心労の大きい責任のある仕事でもあります。
心から敬意と感謝を申し上げます。

犯罪や非行のない安全で安心できる社会を維持・実現していくためには、
立ち直りを支える「地域のチカラ」である更生保護ボ¬ランティアの皆さまが、
日々地道な努力を続けておられることをご理解いただき、
より一層、多くの方々からご支援いただきますよう、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

箕面市では、1月から4月まで「コンロ火災!!あなたの注意で防げます」統一キャンペーンを実施中です。


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