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これから

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こんにちは、みどりまちづくり部長の山田です。

今回は、平成24年度を振り返って特に新たな事業である農業公社についてご紹介します。

農業先進地でもない箕面市が何故と思われる方が多いと考えますが、その理由は大きく三つあります。

 

第一に、今年の9月から中学校の給食が開始されることもあって、朝市等に出荷されて残った規格外の野菜などのほとんどを小学校等を含む学校給食の食材とするシステムを農業公社が中心になって作り上げたいと考えています。

これにより、地産地消を図るとともに箕面で野菜を作れば必ず売れるという農業環境の形成を図ります。

今まで、売り物にならなかった曲ったキュウリや大きすぎたり小さい野菜なども売れるようになり小規模な農地でも採算性が上がることになります。

 

第二に、遊休農地の解消です。農地は耕作をしないで数年経つと雑草等が繁茂して簡単に元の農地にはなりません。今まで農業サポター等で支援してきましたが、更に国の経済対策施策の補助制度を活用して、農業公社が中心となって遊休農地の解消を図りたいと考えています。

環境クリーンセンターで給食の残渣と公園等の剪定枝による堆肥を活用して遊休農地の解消を図り、ここで生産された野菜等を学校給食に供給できれば食の循環、環境の循環が形成されることになります。

 

第三に、農業の継承です。高齢化等により農地の減少が急速に進んでいます。
団塊の世代であり定年世代であり、比較的に農業経験(子供のころ)のある六十代の方々を中心に農業を継承してもらえるように施策を図りたいと考えています。

このためには、例えば玉ねぎならどの程度小さくても学校給食材に受け入れることができるのか。また、受け入れられる野菜の種類や時期、数量、単価などを明確に示す必要があると考えています。

学校給食でも出来るだけ多くの野菜等を受け入れられるように料理内容等を検討してもらう一方で、農業公社が中心になって学校給食に供給できる野菜等の供給調整を行うことになると考えています。

 

農業公社はこれから立ち上がり、歩むことになりますが多くの方々のご理解とご協力なくして軌道に乗ることは不可能です。

多くの課題を乗り越えなければならないと考えますが、みんなが笑顔で農業ができて、いつまでもいつまでも昔ながらの農空間があってみどりの風と山の緑に抱かれた箕面であってほしいと強く願っています。

 

今回で最後の部長ブログになります。

長い間、多くの方々に大変お世話になりありがとうございました。

お別れに二年前にご紹介しました自作の童話ですが、手書きの文字が読みにくかったとのご意見もありましたので、活字にして再度ご紹介させていただきます。

 

   

アルプスのふもとに小さな村がありました。
村の間に流れる谷川に沿って、ずぅーとずぅーと登っていた所に大きな岩がありました。
その大きな岩には洞窟があって、村人たちは「赤い悪魔が住んでいる。」と言って、
恐れて近寄ろうとはしませんでした。

   

この赤い悪魔が、この物語の主人公なのです。  
背はとっても低くて頭の毛はモジャモジャ、
顔の色ときたら熟したトマトの様に真っ赤なんです。
でも、本当はとっても可愛い、心の優しい子なんです。
その子の名を「ムック」と言いました。
ムックは いつも一人ぼっちでした。
ただ、顔の色が真っ赤だと言うだけで「悪魔」と村人たちに呼ばれ、
恐れられていたのです。

  

 「あぁーぁ、だれも友達になってくれない。
どうして ぼくの顔の色は、こんなに真っ赤なんだろう。
かじ屋のおじさんやパン屋のおじさんだって、酒を飲んで真っ赤な顔になって、
おまけに大声で怒鳴りながら歌っている時があるじゃないか。
肉屋の女将さんなんて真っ赤になってぶっ倒れた時もあるのに、、、、、、、。
何も悪いことなんてしないし、みんなと仲良く楽しくやりたいのに、、、、。」

「明日の朝、村に行こう!だれか、ぼくと友達になってくれるかもしれない。」

  

朝日が昇ります。 
でも、ムックは「グゥゥーグ、グゥゥーグ」と
大きないびきをかいて夢の中ー
ムックは、とても朝寝坊なんです。
その時、「ガラーン、ガラーン」と大きな鐘の音が響いてきました。
山ほどもある雄牛が朝の散歩を始めたのです。
「頭にくるなぁ!雄牛の奴ときたら、いつも朝早くから散歩しては、
あのいまいましい鐘の音をそこら辺に響かせていたるんだからーーー。」
ムックは、眠い目をこすりながら谷川に沿って村へと続く道を下って行きました。

 

村の近くまでやってきた時でした。畑で働いていた村人がムックを見て言いました。
「お前がやって来てからトウモロコシや野菜だって ろくすっぽ出来やしない。
きっと、お前がそうしているんだろう。」
「違うよ。ぼくは、そんな事しやしないし、悪魔なんかじゃないよ。」
「何を言っているんだ。お前のほかにだれがいるんだ。
お前なんか遠くの国へいちまえ!」
と言って逃げて行きました。
村へ行きましたが、村人たちはみんな家の中に入り込んで堅く窓や戸を締めてしまっていました。

ムックは仕方なく、とぼとぼと村の中を歩き回っていました。
村外れまで来たときでした。高く伸びた教会の塔が見えたのです。
「教会へ行けば牧師さんがいる。牧師さんなら僕のことをきっと分かってくれるだろう。」
ムックは、にっこり笑って教会の方へと走り出しました。
「ギーー」と大きな音をさせて教会の中に入っていきましたが、
誰もいないらしくシーンと静まりかえっていました。
ムックは呼びかけました。「牧師さんー。牧師さんーー。ぼくの話を聞いてほしいんだよ。
ぼくは、悪魔なんかじゃないんだよ。みんなと友達になりたいんだよ。」
けれども、誰も答えてくれませんでした。
「アァーー、やっぱり ぼくは一人ぼっちなんだ。ぼくの顔の色がみんなより赤いから、、、、、、、。」
ムックは寂しく階段に腰掛けて、じっと空を見上げました。

お日様はにこにこと優しくムックを照らしています。

「お日様!どうして、みんなはぼくの事を悪魔だと言うのだろう。
やっぱり顔の色が、、、、。」
お日様は言いました。
「お前はただ顔の色が赤いと言うことだけで、村人たちから悪魔と呼ばれているが、
私はお前のことをよく知っているよ。お前がどんなに心の優しい子なのか、、、、。
ムックよ、私の言うことをよくお聞きなさい。」
お日様は、にっこり笑って話を続けました。
「村人たちが本当に喜ぶことをお前が行えば、これまでの誤解は解けたくさんの友達も出来るだろう。」
「お日様、本当ですか。ぼくが、村の人たちが心から喜ぶことをすれば、
たくさんの友達が出来るんですか。ぼくは、一人ぼっちじゃなくなるのですか。」
「そうだよ、、、ムック。よく考えてごらん。村人たちが本当に喜ぶことを、、、、。」
優しく笑ったお日様を背にしながら、ムックはどうしたら村人たちが喜んでくれるだろうかと
一生懸命に考えながら谷川の道を登って行きました。

でも、ムックには分かりませんでした。
どんなに、どんなに考えても分かりませんでした。
何日か経って、ムックはお日様に聞きました。
「お日様!どうしたら良いんだろう。」
お日様は、「頑張れよムック!」と言い残すと西の空から夕焼けと一緒に消えていきました。

 

ムックは一生懸命に考えました。
空いっぱいに星が輝き、何度も朝日が昇り、日が沈みました。
そして何日目かの朝がきました。
その日の朝焼けは生まれてこの方みたこともないほど美しい朝焼けでした。
真っ赤な朝焼けに包まれながらムックは思いました。
「赤い色て何て素晴らしい色なんだろう。
ぼくの顔の色と同じだけれど とっても素敵だ。」
その時、ムックはあることを思いついたのでした。
村にある教会の屋根は古くなってしまっているし、村のみんなを呼ぶ鐘も無くなっていた。
教会の屋根を美しい赤い屋根に塗り替えて、
あの雄牛の首にぶら下がっている鐘を教会の塔につるしたら
牧師さんもやってきて村のみんなだって、
きっと喜んでくれるだろうと、ムックは考えたのです。
ムックは嬉しくて嬉しくて、何だか今、村のみんなと友達になってしまったような気がして、、、、、。

 

さっそくムックは、雄牛に会いに行くことにしました。
雄牛は丘の上で日なたぼっこを楽しんでいました。
「雄牛さん、お願いがあるのです。
古い教会の屋根を塗り替えて塔には鐘をつるしたいのです。
雄牛さんの首にある鐘はとってもいい音がするから、
きっと村のみんなも喜んでくれると思うんだ。
だから、雄牛さんの鐘がほしいのです。どうかお願いします。」
「そらそうさ、俺のこの鐘はそんじょそこらの鐘の音と違って素晴らしい音色がするが、
お前にだって誰にだって、この鐘だけはやることは出来ない!」
「雄牛さん、お願いします。ぼくは、村のみんなと友達になりたいんです。
雄牛さんだって村のみんなと友達になりたいでしょう。」
「嫌だね。村の奴らときたら俺を牛肉にして食うつもりなんだぞ!
何度かやって来たが、この角で追っ払ってやったんだ。
お前も追っ払ってほしいのか!!」
「雄牛さんが嫌だと言ってもぼくは諦めないよ。必ず教会の塔に鐘をつるすんだ。」
雄牛はむっくりと起き上がると、「うるさい奴だな!これでも食らえ!!」
雄牛は怒り狂って、ムックを突き飛ばさんとばかりに恐ろしい剣幕で襲いかかってきました。

 

野を越え、丘を越え、川を飛び越えて必死になってムックは逃げますが、
それでも雄牛はどこまでもどこまでも追ってきます。
ムックが一突きにされそうになった時、雄牛の鐘に飛びつきました。
「うるさい奴だな!俺の鐘にぶら下がるな!」
雄牛は飛び跳ねたり、首を振り回してムックを振り落とさんと暴れだしました。
「死んだって放すもんか!!」
雄牛に何度も何度も地べたにたたきつけられムックの体は赤く染まっていました。
それでも雄牛の鐘に必死にすがりついていました。
さすがの雄牛も死に物狂いでぶら下がっているムックにはかないませんでした。
「ムックとか言ったな。そんなにこの鐘が欲しいのか。」
「雄牛さん、欲しいよ。教会の屋根を真っ赤に塗って雄牛さんの鐘を
教会の塔につるして村中に鳴り響かすんだ。
そして、村のみんなと友達になって楽しい毎日を過ごしたいんだよ。一人ぼっちは、、、、、。」
「そうなのか、、、、。俺の命と同じくらい大切な鐘だが、、、、お前にやろう。
ムック、村のみんなと友達になって幸せになれ!」
そう言って、雄牛は大切な鐘をくれたのでした。
「ムック、さっき教会の屋根を真っ赤に塗ると言っていたがどうやって塗るんだ。」
「まだ、考えつかないけれど、きっと何か良い方法があると思うんです。
きっときっと教会の屋根を素晴らしい赤い屋根に塗り上げます。雄牛さん本当に有難う。」
「何か手伝うことがあれば、いつでもおいで、、、、、、。」と言って雄牛はまた丘の上で日なたぼっこを始めました。

そんな様子をさっきからお日様はじっと見られていました。
お日様はにこにこ笑いながらムックに話しかけました。
「よく頑張ったね。ムック」
「お日様見てよ。雄牛さんの大切なこの鐘をもらったんです。
教会の塔に雄牛さんの鐘をつるして教会の屋根を真っ赤に塗れば、
ぼくの顔の色と同じ赤い色がどんなに素敵な色なのかみんなに分かってもらえると思うんです。
そして、きっと村のみんなも喜んでくれると思うんです。」
「ムック、誰でも一生懸命にやれば、いつの日かきっと分かってもらえる日が来るんだよ。
そう信じて頑張るんだ。その証拠に友達ができたじゃないか。」
「お日様、ぼくに友達ができたって、、、、、いったい誰なんですか。」
「その鐘は誰からもらったんだい。」
「雄牛さんとぼくは、友達なんだ!!」
嬉しそうにムックは、雄牛にもらった鐘を両手で抱えながら帰って行きました。
お日様もにこにこ笑っています。ムックもにこにこ笑っています。

とっても素敵な日でした。
教会につるす鐘は、雄牛さんからもらうことができましたが、
もう一つ大切なことがありました。
教会の大屋根を真っ赤に塗り上げるだけの赤いペンキは村にはないので、
ムックが自分の力で赤いペンキを作らなければなりませんでした。
いい具合に、山には赤い実をつけた草があっちこっちに茂っていました。
ムックは、朝早くから山へ出かけて一日中、
草の実を集めては袋いっぱいに詰め込んで帰ってきました。
そして、ロウソクの明かりをたよりに少しずつ草の実を布に包んでは、
瓶の中に絞り込みました。

  

  

大きな袋いっぱいもって帰った草の実ですが、
絞ってみるとほんの少ししか瓶の中には溜まりませんでした。
それでもムックは、毎日毎日、雨の日も風の日も休むことなく続けたのです。
嬉しい日がやってきました。
ムックはついにやり遂げたのです。
3つの大きな瓶には赤いペンキでいっぱいになっていました。  

 

 「やったぞ!!これで、教会の大屋根を美しい赤い屋根にできるんだ。」
ムックは、わくわくしながら刷毛を瓶の中にどっふりとつけると
白い壁に塗ってみたのです。
「アァーー!」ムックは思わず叫んでしまいました。
あんなに一生懸命に作った赤いペンキだったのに、
泥のように濁った赤黒い色になっていたのです。
ムックは呆然と壁を見つめていました。
目から、こらえてもこらえても涙が溢れ出ていつまでもいつまでも止まりませんでした。
ムックは、もう教会の屋根を赤く塗り替えることは出来ないのでしょうか。
村の誰とも友達になれないのでしょうか。
その時です。お日様の声が聞こえてきました。
「ムック、明日の朝焼けまでに瓶を全部 丘の上まで運んでおいで、、、私が何とかしてやろう。」
「お日様、ありがとう。」

ムックは、大きな瓶を抱えて丘の上に向かって運び出しました。
ウントコ ドッコイショ ウントコ ドッコイショ
お星様がキラキラと夜空いっぱいにたくさん輝いています。流れ星も飛んでます。
ウントコ ドッコイショ あっちいてトットト、
ウントコ ドッコイショ こっちいてトットト、、、、、、

もうムックは汗いっぱい手足もしびれてしまいました。
それでも最後の瓶がまだ残っています。
重い瓶を持って登る丘までの道は、とっても遠い道でした。
何度も瓶を落としそうになりました。
やっと、やっとの思いで最後の瓶を運び終えたときには、
星たちの姿は消えて海の底のように濃紺の透き通った世界になっていました。

もうすぐお日様が昇ってくるでしょう。

        

濃紺の世界から青の海になり、そして柔らかな わずかな光が流れ 
それから 赤みをおびた朝焼けの帯が地表線にはっきりと現れてきました。
そして、山々が赤く燃え上がってきました。
お日様が顔をだします。
ムックは手を合わせながら
「どうか、、、美しい、、、赤いペンキに、、、なりますように、、、、」
ムックは心の中でも何度もつぶやきました。
お日様が元気に昇ります、、、、。
山も丘も、そして3つの大きな瓶も真っ赤な朝焼けに包まれていました。
本当に何て素敵な朝焼けなんでしょう。
お日様は言いました。
「ムック、この朝焼けの色をお前にあげよう。
瓶の中は、美しい真っ赤な色のペンキになっているよ。
このペンキで教会の屋根を塗って雄牛からもらった鐘を塔につるしなさい。」
ムックは瓶の中をのぞいてみました。
瓶の中はキラキラと朝焼け色が輝いていたのです。
「お日様、本当にありがとう。きっと美しい教会の屋根にしてみせます。」

村へ行く日が近づいてきました。
ムックは雄牛さんの所へお願いに行きました。
「ムック、久しぶりだなぁ。赤いペンキはできたかい。」
ムックは微笑みながら「雄牛さん、できました。
それもお日様にもらった素敵な朝焼け色のペンキが、、、。」
「そうか、そうか。良かったなムック。
やっと教会の屋根を赤く塗り上げることができるんだな。」
「そうなんです。でも、、、教会の屋根はとっても大きいから
赤いペンキも大きな瓶に3つもあるんです。
一人で村まで運ぶことが出来ないから雄牛さんにお願いにきたのです。」
「お前とは友達じゃないか。俺で良ければ、いつでも力を貸すよ。」
「ありがとう。雄牛さん。」

 

雄牛が言いました。「大きな瓶を3つも運ぶのだったら荷車がいるなぁ。」
「荷車がいるのかぁ。困ったなぁ、、、、雄牛さんどうしたらいいんだろう。」
「ムック、心配しなくても良いよ。
俺が、、、まだ若いときに、、、引っ張っていた荷車が、、、、あるはずだ。
随分古くなっているが手を入れれば、なんとか村まで行けるだろう。」

  

雄牛に手伝ってもらって荷車もできあがりました。
やっと、やっと、村へ行く日がやってきたのです。
夢に見た日がやってきたのです。
「夜の間に教会の大屋根を全部真っ赤に塗り上げて、
朝焼けがきたら雄牛さんにもらった鐘を鳴らすんだ。
村のみんなは、驚くだろうなぁ。」
村のみんなが喜んだ顔を思い浮かべると、
ムックの心は何故かわくわくしてくるのでした。 

 

ムックの夢をいっぱい乗せて、雄牛の引く荷車は村に向かって出発進行!!
荷車が動きだすと古い車輪と瓶の中の赤いペンキが歌います。
「ギーコラ、ギーコラ ドンブラコッコ ストドン ペッチャン。
 ギーコラ、ギーコラ ドンブラコッコ ストドン ペッチャン。」
遠くに村の明かりが見えます。

お月様もお星様も道を照らしてくれています。
ムックの荷車は行きます。夢を乗せて、、、、、、、。
「ギーコラ、ギーコラ ドンブラコッコ ストドン ペッチャン。
 ギーコラ、ギーコラ ドンブラコッコ ストドン ペッチャン。」

 

村の明かりは、すっかり消えてシーンと静まりかえっていて、
耳を澄ますと深い寝息が聞こえてくるような気がします。
ムックの荷車は教会を目指して進みます。
夜空には満天の星がキラキラと輝きを増しています。

  

「ムック、俺はこんな体だから屋根に登ってペンキを塗ってやることはできないんだよ。
教会までこの荷車を引いてやることしかできないんだ、、、、、。
朝までに、お前一人の力で教会の大屋根を全部塗り上げなければならないんだぞ。
頑張れよムック。、、、そして、、、幸せになれょ。
俺はこの年まで、たった一人ぼっちだったけれど、、、
お前は、たくさんの友達と幸せになれよ、、、。
お前だけは、本当に幸せになって欲しいんだ。」
「雄牛さんにもらった鐘の音が聞こえたら、
ぼくが教会の屋根を素敵な赤い屋根に塗り上げたんだと思ってね。」
「俺は、教会の鐘が鳴るまで丘の上でじっと待っているよ。
早く屋根を塗り始めろ。夜は長くないぞ!」
ムックはにっこり笑って、片手にペンキの桶を持って教会の屋根に登っていきました。
ペタンコ、ペチョリコ、ヘタンコ。ペタンコ、ベチョリコ、ベッタンコ。

服も手も顔もペンキで真っ赤になりながら 汗もいっぱいかきながら、、、、、
ペタンコ、ペチョリコ、ヘタンコ。ペタンコ、ベチョリコ、ベッタンコ。
手も足も疲れ切って何度も屋根から転げ落ちそうになりました。
それでも、急げ、、、急げ、、、、
ペタンコ、ペチョリコ、ヘタンコ。ペタンコ、ベチョリコ、ベッタンコ。

  

お星さんがひとつ消え、ふたつ消え、だんだん朝が近づいてきます。
頑張れムック、もうすぐ朝が来るぞ!
朝日が昇るまでに教会の大屋根を塗り上げるんだ。
ほら、東の空が青くなってきたぞ。
急げ ムック! もう少しだ。
雄牛にもらった鐘を塔につるせ。そして、村中に鳴り響かせろ。
雄鳥が朝を告げるために、小屋の上で羽をバタバタさせています。

夢にまで見た朝がやってきたのです。
さぁー、ムック。その鐘を鳴らすんだ!
ガラーーン、ガラーーン、ガラーーン
「雄牛さん、教会の屋根は塗り上げたよ。聞こえるかい!」
鐘の音は村中に響き渡り、雄牛のいる丘まで響いて行きます。
ガラーーン、ガラーーン、ガラーーン

村のみんなは鐘の音を聞いて、何があったんだろうと、ぞろぞろと集まってきました。
昨日まで、すすけていた教会の屋根は消え、
朝日の中に素敵な赤い屋根の教会が浮かび上がっていました。

 

教会の大きな扉の向こうで村人たちの声がざわざわと聞こえます。
そして、ムックの幸せを告げるように鐘は響きます。
ムックは勇気を出して大きな教会の扉を両手で押しました。
扉は大きな音を立てて開きだしました、、、、、、、。

果たして、村のみんなは教会の屋根を美しいと思ってくれるでしょうか。
そして、喜んでくれるでしょうか。
ムックが悪魔でないことを知ってくれるのでしょうか。
心の優しい子だと分かってくれるのでしょうか。

 

今でも村の教会は素敵な赤い屋根に塗られています。
日曜日の朝には、雄牛さんの鐘が村中に鳴り響いているそうです。
、、、、、そして、、、、、教会の前には、、、、、
ムックと雄牛の像があるというお話です、、、、、、、、、。

  

      

 

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
現在、「おろち」 (大干ばつに苦しむ村人たちは、コロコロ山の山頂に住むという おろちに雨乞いに行きますが、、、、) 
「鏡」 (閻魔大王の真実の鏡は本当に真実を映すのか、、、、、)を作成中です。

また、どこかでお会いできたらいいですね。では、さようなら、、、、、。

  

箕面市では、1月から4月まで「コンロ火災!!あなたの注意で防げます」統一キャンペーンを実施中です。

 


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