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Channel: 部長ブログ@箕面市役所
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いつものむ いつもの水に 日々感謝 ~ 水道週間です。

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皆さま、こんにちは。上下水道局長の小野啓輔です。

昔の常識が、今では非常識になっていることが、結構あります。 例えば、

「うなぎと梅干しの食べ合わせは悪い」
      古くから言い伝わる話ですが、科学的根拠は無く、
      今ではむしろ、栄養学的には好ましいとされています。 

「鎌倉幕府は、1,192 年」
      昔は、「いいくにつくろう 鎌倉幕府」と覚えたはずです。 ところが、現在の歴史学では、
      源氏が壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼし、 守護・地頭の設置・任免権を得て、
      実質的な日本の支配権を手にした 1,185 年が正しいとなったようです。

「風邪をひいたら、風呂に入るな」
      昔は、銭湯を利用していたため、自宅との移動の際に湯冷めしないよう、 風邪のときは入浴を避けた
      ほうがよいとされていました。 しかし、内風呂が発達した今は、入浴により身体に付着したウイルス等を
      洗い流せるため、ぬるめの湯で手早く入浴することが推奨されています。 但し、熱い湯や長風呂は避け、
      また高熱が出ている場合は、体力を消耗してしまうので入浴しないほうがよいようです。

ほかにも、
    「正月は、どこの店も閉まっている」「 117 で時計を合わす」 「1 ドルは 360 円」 「土曜日は、半ドン」
    「病院でも電車の中でも、たばこを吸えた」 「ローラーゲームといえば東京ボンバーズ」
    「教室の石炭ストーブで給食のパンを焼く」「旅行に行ったらペナントを買い、部屋に飾る」 
    「シャツは、ズボンの中に入れる」 「ツメを折ったカセットテープにセロテープをはって使う」
    「グレープフルーツは半分に切って砂糖をかける」「酔っ払ってネクタイを頭に巻く」
    「昔、トイレは水洗ではなかった」などなど、
令和時代の若い人たちには、きっと通じない昭和の常識です。
なので、下水道の大切さ、ありがたさを伝えるのも、ほんと難しいです。

「部活の時は、水を飲まない」も、昭和世代は良く言われました。
かつては主に「根性論」から、水をがまんして身体や精神を鍛える意味合いが 強かったようです。
しかし現在では、熱中症の予防のため、 「スポーツ中も 水分補給」が大事です。 厚生労働省なども、
健康のために水を飲もう運動」として、 寝る前、起床時、スポーツ中及びその前後、入浴の前後、
そしてのどが渇く前に水分補給を心がけることが重要と喧伝しています。

但し、スポーツの最中に急激に大量の水を飲むと、身体の中で 塩分濃度の低下が起こる場合もあるので、
適度な水分と適度な塩分の補給が推奨されています。

水道の大切さ、ありがたさを伝えるのも、難しいですね。

ということで、今日は、「水道週間」にちなんで、 箕面市の浄水処理をご紹介します。

 ●第 61 回 水道週間

毎年6 月1 日から7 日までは、「水道週間」です。

「水道週間」は、「水道について広く知っていただくこと」を目的に、 国の呼びかけで
昭和 34(1959) 年から始まり、 今年で61 回目を迎えます。

普段、何気なく使っている「水道」への関心を深めていただき、 水の大切さや水道の現状・課題について
理解を深め、 今後の水道事業についてご協力をいただくため、 厚生労働省や都道府県、各市町村などの
水道関係者が連携し、 毎年、全国一斉に水道に関する様々な広報活動を実施しています。

令和元年の第 61 回水道週間スローガンは、 「いつものむ いつもの水に 日々感謝」です。

●箕面浄水場の浄水処理

箕面市民が利用している水道水のうち、87.1 パーセントが大阪広域水道企業団から送られてくる水で、
以前のブログ「大阪の水は高度浄水処理水です」では、大阪広域水道企業団の浄水処理をお伝えしました。

残りの 12.9 パーセントが、箕面市内で独自に浄水処理している水です。
水源は、箕面川の水と、半町の深井戸水(地下 200 メートル)で、
それぞれ箕面浄水場と桜ヶ丘浄水場で浄水処理しています。

箕面市内で独自に浄水処理している「自己水」のうち、 今回は、箕面浄水場での浄水方法をご紹介します。

箕面浄水場は、箕面市箕面2丁目にある市の施設です。
ここでは、「沈砂」「高速繊維ろ過」「膜ろ過」という 3段階の浄水処理方法を採用しています。

(1) 「沈砂池」での浄水

箕面浄水場の水源は、箕面川の水です。 箕面滝道にある取水口から川の水を取水し、ポンプで
最初にこの「沈砂池」に送ります。 大きな砂や粗いごみは、この池をゆっくり水が流れ通過する間に、
底に沈みます。 原水の不純物を沈めることから、沈砂池という名称になっています。写真のきみどり色の
蓋の下が池になっています。 沈砂池の深さは、3 ~4 メートルあり、安全に管理するために蓋をしています。

 

(2) 「高速繊維ろ過機」での浄水

沈砂池を通った原水は、凝集剤「ポリ塩化アルミニウム(PAC)」を入れて汚れを集めた後、
「高速繊維ろ過機」へと送られます。
ここでは、ふとんの綿のような繊維を通過させて、水をろ過します。

 

下の写真にあるような繊維(写真中央の綿のようなもの)が 円筒形のタンク(高速繊維ろ過機)の中に
入っています。 このろ過機に、1 分間に 30 センチメートルの高速で水を通過させてろ過し、
各種の汚れを取り除きます。


   【高速繊維ろ過機】      【ろ過繊維】         【ろ過繊維の拡大図】

(3) 「膜ろ過ユニット」での浄水

次に、高速繊維ろ過機でとれないものは、「膜ろ過」という方法で、
微細なごみや濁り成分、細菌類を取り除きます。

「膜ろ過」とは、中空糸膜という、表面にごく小さな孔(あな)が あいているストローのような繊維を
約 5,000 本も重ね、 重ねた繊維の束に水を通すことにより不純物質を取り除き 水道水をつくるろ過方法です。
言わば巨大で精密な浄水器ですね。

一般的に「膜ろ過処理」は、経費は少し高くつきますが、 塩素消毒でも死滅しないクリプトスポリジウムという
病原性原虫 (大きさは約 1,000 分の5 ミリメートル)を完全に取り除くとともに、
施設の面積が他の処理方法に比べて小さくてすむという利点があります。
この「膜ろ過処理」技術は、日本が世界に誇るトップクラスの技術です。

【膜ろ過ユニット】

クリーム色の筒の中に、長さ2 メートルに揃えた約 5,000 本の中空糸膜が入っています。
クリーム色の円筒は、1 ユニットに 18 本あり、 箕面浄水場には全部で4 ユニット設置しており、
合計 72 本を活用しています。


実際の中空糸膜が、下の写真です。 中空糸膜 1本の大きさは、 外径が1.4 ミリメートル、
内径が0.8 ミリメートルで、 ストローのように中空になっています。
表面の孔(あな)の大きさは、約 1,000分の0.006 ミリメートルです。 つまり、10 億分の6 メートルで、
6 ナノメートルと表現します。 6 ナノメートルの孔というのは、小さ過ぎて目では見えません。
クリプトスポリジウムの大きさが、約 1,000分の5 ミリメートルですので、 それと比べても、
いかに小さな孔であるかがお解りいただけると思います。
中空糸膜の外周表面積の総合計は、約 3,000 平方メートルにもなります。

        【中空糸膜】              【中空糸膜断面の拡大図】

この中空糸膜約5,000 本の束の外側に、1 分間に 0.5 ミリメートルという ゆっくりとした速さで
水を流すと、外周表面の膜とスポンジ状の支持層と さらに内周表面の膜を通過して、
内側の空洞にきれいな水がしみて入ります。これにより、水の濁り成分などはもちろん、
汚れも有機物も化学物質も、 目では見えない分子レベルの微生物や細菌類まで分離除去されます。  

   

こうしてきれいになった水に、消毒のため少量の塩素を加えた安全な水が、 上水道として
私たちの家庭に届きます。 箕面浄水場の浄水は、大阪広域水道企業団の浄水とブレンドして、
主に箕面市箕面、新稲、桜、西小路、坊島、萱野、如意谷、白島、西宿などの 一部地域
(箕面中区配水区)の約 9,200 世帯、2 万人の皆さまに配水しています。

なお、高速繊維ろ過機のろ材の汚れは 2 日1 回、 中空糸膜表面の汚れは 30 分ごとに、
ろ過する水の流れと逆方向に水道水を流して洗浄しています。

●水の流れや水質は、24時間常に点検・監視しています。

安全で良質な水を、いつでも安心して飲んだり利用したりしていただけるよう、
箕面浄水場では、箕面市全体の水道の流れや水質も常に点検・監視しています。

箕面市内の取水施設、浄水施設、受水・配水施設、水質監視設備と 水の運用状況は、
24時間体制で運転操作監視・制御等を適切に実施しています。

また、水源から蛇口に至るまで、市内 30 以上の地点で採水して検査を行い、水道水が安全であることや、
水源に異常がないことを定期的に確認しています。

さらに、水道水の基本となる色・濁りと消毒の残留効果については、 市内の各配水系統の管末13 か所に
「自動水質連続測定装置(給水モニター)」を設置し、 箕面浄水場で 24 時間、常に遠隔監視を行っており、
さらに、毎月1  回、巡視・点検しています。 万が一異常があれば、すぐに対応が可能です。

【自動水質連続測定装置(給水モニター)】



箕面市では、皆さまにより安全で良質な水道水をお届けするために
年度ごとに「水質検査計画」を策定し、それに基づいて 適正な水質検査を実施しています。
計画には、水質検査の地点、項目、頻度などを定めています。

箕面市水質検査計画は、こちら

また、これらの水質検査結果はこちらに掲載しています。



箕面市では、“日曜・祝日はオレンジゆずるバスでお出かけしよう!”統一キャンペーンを実施中です。オレンジゆずるバスの日曜・祝日ルートは、お買い物はもちろんのこと、図書館やレジャー施設などにもアクセスしやすいので、ご家族やお友達とオレンジゆずるバスでお出かけください!

 


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