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平成29年度 水道事業会計の決算概要について

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皆さま、こんにちは。上下水道局長の小野啓輔です。

「台風一過」という言葉があります。

台風が通り過ぎたあと、空が晴れ渡りよい天気になること
転じて、騒動が収まり、晴れ晴れとすること
という意味です。

今回の台風24号も、全国で大きな被害をもたらしましたが、
箕面市内に関しては、比較的被害も少なく、
10月1日に災害対策本部を終了できました。
しかし今年の災害は、総じて、
通り過ぎてもなお、大きな被害が続いています。

例えば、停電。
9月4日に大阪を直撃し、各地に深刻な被害を及ぼした台風21号。
箕面市内でも、山や公園の木々、街路樹や電柱がなぎ倒され、
家屋の屋根や瓦、看板などが吹き飛ぶとともに、
広範囲・長時間に渡って停電が発生し、
多くの皆さまが不安で不便な生活を強いられました。

関西電力によると、箕面市内の主要な電力幹線はすべて復旧していますが、
例えば滝道の一部など、今でも電線網が台風21号で破損し、
今でも通常の電力供給が断たれたままで、
発電機車や発電機等で応急対応している地域もあるのです。

上下水道局でも、9月4日以降、台風21号による停電で、
滝道にある上水道のポンプや下水のマンホールポンプが停止したため、
しばらくは給水タンクに水を入れて滝の上のドライブウェイまで車で運び、
山の斜面にホースを這わせてポンプ場に何度も水を送るなど、
職員の人力での給水活動を毎日続けていました。

【ドライブウェイから滝道への応急給水】


その後、関西電力が滝上の大日駐車場に「高圧発電機車」を配備し、
この電力により一部のポンプは動かせたのですが、それでも
電柱や電線の倒壊・破損地域は、高圧発電機車の電力も届かないため、
個別に発電機を設置してポンプ類を動かし続けて、
上水道も下水道も止まらないよう、今も対応を継続しています。

【大日駐車場の発電機車】

箕面公園の最新情報は、こちら

今年は、日本全国の各地で甚大な災害が次々と発生し、
今も多くの方々が厳しい生活を強いられています。
被災された皆さまに、謹んでお見舞い申し上げますとともに、
一日も早く復旧・復興がなされ、「台風一過」となりますよう、
心からお祈り申し上げます。 

●平成29年度 水道事業会計 決算

平成29年度「箕面市水道事業会計」及び「箕面市公共下水道事業会計」の
決算については、8月31日に開会された箕面市議会第3回定例会に上程され、
9月19日の建設水道常任委員会において、決算審査が行われました。
今後、10月3日の本会議で、認定可否の判断がされる予定です。
今回は、水道事業の決算の概要をご報告いたします。

<水道事業の決算概要>

水道事業は、地方公営企業法に基づき、
水道を利用したかたから水道料金をいただき、そのお金などですべてまかなう
「独立採算」を基本とする仕組みになっています。
また、新たに施設を建てたり更新したりするときには、多額の費用がかかるため、
国等からの借り入れ(企業債など)によって事業を進めており、
借り入れたお金は、利息を付けて返済しています。
そして、このような経営状況を的確に把握・公表できるよう、
特別会計「箕面市水道事業会計」を設置し、
複式簿記・発生主義による企業会計方式をベースに、
損益勘定である3条「収益的収入・支出」と、
資本勘定である4条「資本的収入・支出」に区分されています。

1.業務量

◯給水人口は前年度(平成28年度)と比較して、897人増加しています。
◯年間有収水量・1人1日平均有収水量は、前年度からほぼ横ばいの状況です。


「有収水量」とは、水道水として給水した水量のうち、
料金をいただいた水量をいいます。
平成29年度の一人1日平均有収水量は284リットルで、前年度と同じですが、
全国平均298リットルと比べ14リットル使用水量が下回っており、
少しずつではありますが、減少する傾向にあります。
これは、洗濯機や食器洗浄機・トイレなど節水型・省エネモデルの
水道機器の普及により減少しているものと考えられます。
全国的な傾向ですが、今後の水道経営を考える上で、重要な動向です。

「有収率」とは、水道水として給水した水量に対して、
料金として収入のあった水量が占める割合をいい、
水道の経営上重要な指標です。
平成29年度の有収率は、98.3パーセントで、前年度より0.8ポイント増加しました。
残りの1.7パーセントは、漏水による料金の減免や、洗管作業・消防活動及び
給水訓練等の公共用水として使用したことなどによる無収分です。
なお、有収率の全国平均は、90.2パーセントです。




2.収益的収入・支出

収益的収支とは、地方公営企業の経常的企業活動に伴い、
年度内に発生すると見込まれるすべての収益と
それに対応するすべての費用をいいます。
1年間でどれくらい収入があり、どれくらいの支出があったのかを示すものです。
減価償却費のように、現金支出を伴わない支出についても費用に含まれます。


◯前年度(平成28年度)と比較して、収入・支出は微増、
 損益は微減となっています。

◯損益は、約4億5千5百万円の黒字です。
 前年度(平成28年度)と比較して、2千3百万円減少しましたが、
 2年連続、4億円を越える黒字を達成しました。

 

 3.資本的収入・支出

資本的収支とは、収益的収支に属さない収入・支出のうち現金の収支を伴うもので、
主に施設や設備の建設・更新といった、支出の効果が次年度以降に及ぶものや、
企業債の元金償還などの費用とその財源となる収入を表しています。
資本的収入には、企業債、府交付金、負担金などを計上し、
資本的支出には、建設改良費、企業債償還金などを計上しています。


                       
◯資本的収入は、企業債、府交付金が増加しています。
◯資本的支出は、企業債償還金が減少し建設改良費等が増加しています。

資本的収支の不足額は、
(1)前年度からの繰越工事資金、
(2)収益的収支において減価償却費などで費用化しているが実際には現金の
   支出を伴っていないため内部留保されている「損益勘定留保資金」、
(3)これまでの計画的な貯金である減債積立金・建設改良積立金
等で補てんできています。


●決算に見る「計画」の推進状況

箕面市では、「箕面市上下水道事業経営改革プラン」(平成23年度に策定)で、
上下水道事業の「めざす姿」として、
  「料金を値上げすることなく、
   施設・管路の耐震化・更新事業を実施するための資金を確保する」
ことを基本方針としています。
そして、この目標を実現する具体的な実行計画として、
「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」(平成29年3月改訂)を定めています。
この計画のポイントは、現行料金の範囲内で次の2項目を実現することです。

 ※ 料金回収率100%以上を維持する。
 ※ 平成27(2015)年度から平成46(2034)年度までの20年間で、
    施設・管路の耐震化・更新事業を着実に実施するための資金として、
    建設改良費約162億円を確保する。 

(1)料金回収率の状況

「料金回収率」とは、給水原価に対する供給単価の割合です。
給水原価(給水に要する費用)が、どの程度、供給単価(給水による料金収入)により
回収されているのかをみるもので、上水道経営でとても重要な指標です。

  料金回収率(%)= (供給単価/給水原価)×100

この回収率が高いほど、料金の収益性が良く、
100%を下回っている場合は、
給水にかかる費用が、水道料金による収入以外に他の収入で賄われていることを
意味します。
平成29年度決算における料金回収率は、107.23%となり、
計画の目標値を上回っています。
 

 (2)建設改良事業の実績

また、平成29年度決算で実施できた施設・管路の耐震化・更新事業は、
次の表のとおりで、
国道171号・桜ヶ丘・牧落などの配水管改良や坊島受水場ポンプなどの更新、
箕面高区配水地耐震補強工事などを施工しており、
料金を値上げすることなく、計画は順調に進んでいます。



(3)まとめ

このように、水道事業については、平成29年度も前年度に引き続き
黒字決算を実現できました。

今後も、上下水道施設整備基本・実施計画に基づき、
上水道施設の老朽化対策や耐震化などをさらに進めていく必要があります。
そのためには、投資資金の平準化、効率的・計画的な事業運営に努め、
必要な費用をしっかりと確保しながらも、現行の料金水準を維持できるよう、
健全経営を継続していくことが不可欠です。

また、単に黒字幅の増大を追求するだけではなく
利用者のサービスの質と独立採算の両方を重視した効率的な経営も必要です。
そのため、今年の7月から、水道料金の値下げも実現しています。

今後ともさらなる経営基盤の強化に努め、
安全、安心、安価で良質な水道水の安定供給を
全力で推進していく所存です。

「ゆるキャラ(R)グランプリ2018」が、8月1日(水曜日)にスタートしました。市では、11月9日(金曜日)の投票期間終了までの間、今年こそ日本一獲得をめざす「滝ノ道ゆずる」を応援する統一キャンペーンを展開します。


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