こんにちは。農業委員会事務局長 野澤昌弘です。
このたびの西日本を中心とした豪雨災害で、被害に遭われたかたに心よりお見舞い申し上げます。また、暑い日が続きます、水分をこまめにとるとともに、体調が悪いときは無理をなさらないようにお互いに注意を呼びかけましょう。
箕面市の中学校の学校給食で使われた約37%が箕面産野菜!
さて、学校では、先週終業式をむかえ夏休みも本格化ですが、箕面の学校給食では、1学期も、みなさんの家や通学路から見える田畑から届けられた新鮮な野菜が使われました。
中学校給食が平成25年スタートして丸5年。生産者とのつながりが鍵、そのつながりを深めてこれた5年、この6月の箕面市の中学校給食で使われた野菜は、約37%が箕面産という結果となりました。学校給食の生産者や生産現場を少しご紹介します。
6月・7月が旬の箕面産玉ねぎでは87.5%、ジャガイモでは86.8%の使用率となっており、箕面市農業公社の畑からも多くの玉ねぎ・ジャガイモが出荷されました!
(上止々呂美地区の箕面市農業公社の玉ねぎ畑)
学校給食では、使用予定の食材を事前に農家さんへお伝えするほか、日々の荷受け時にもこまめに相談するなど箕面市独自の情報交換体制を整えてきました。出荷登録農家さんもどんどん増えて52名に、当初24名から倍増し、農家さんから旬の食材をご提案いただけることもあります。
粟生間谷地区で農業を営まれ、この6月に箕面市では個人農家で第1号となる国版認定農業者を取得された梁森(やなもり)壮太さん方も学校給食に出荷いただいています。
梁森さん方では、こだわり野菜を育て、のべ300店舗の飲食店とも取引を進められる一方で、とうもろこしやにんじんを材料にするアイスクリーム事業にも取組みを始めておられます。
ご自身が箕面で第1号となる国版認定農業者資格を取得されるとともに、次の担い手づくりにも積極的な梁森さん。7月2日(月曜日)この日も研修生に畑で目で観て手でさわってわかりやすく指導されていました。
「今日、収穫できるとうもろこしはどれや。先端部分の感触でわかるやろう!」
(研修生とともに農作業される梁森さん(写真右側))
いつも順風ばかりの学校給食でもありません。思わぬ事も起こります。
豪雨被害で、7月17日に、契約業者から入荷していただくはずの地方のキュウリが入荷できない事態が発生しました。
このままでは欠品になる危機を救っていただいたのは、箕面の農家さんらです。
新稲の稲垣恵一さん(農業委員)、平井清治さん、平井良和さん、粟生間谷の遠山法幸さんの4名の農家のみなさん。
その1人、粟生間谷で農業を営む遠山さんご夫妻。(下写真)
遠山さんは、大阪府農業大学校で農業を学び、今年から箕面で農業を始められました。
ベテラン農家さんも新人農家さんも誰もが、箕面を愛し、次世代の子どもと学校給食を愛されています。
そんな「学校給食の生産現場を観たい」と体験に来られるかたも増えています。
7月2日(月曜日)は、大阪大学工学部の皆さんが、「学校給食の食材生産現場と都市農業の役割」を学びたいと粟生間谷東区の農業公社ジャガイモ畑へ来られました。
(写真右から大内さん、小河畑さん、農業公社の竹内さんと長谷川さんをはさんで、鈴木さん、門田さん)
畑を掘りはじめると芋がゴロゴロと、
「スーパーでは販売できないくらいの小さなサイズのものもあるんですね。」
社会経済が発展・成熟し、農業という第1次産業に就く若者が少なくなるなか、都市部の農業の役割など、現場を感じながら意見交換もできました。
後日、工学部環境エネルギー工学科の小河畑圭史さんから、「普段、何気なく食べていた野菜も大切に食べるようになりました。また、形や大きさが整っていないものは市場に出荷されにくいと聞いたので、『食べられるものが捨てられるなんてもったいない』と大学生を巻き込んで対策できないか考えたい。」とメールが届きました。
生産という現場は、いろんな事を考えさせられる機会となったようです。
以上、いろんなことがあった平成30年初夏。
箕面市の学校給食を通じて、田畑もある緑豊かなまち箕面を実感してもらえたらと思います。
最後に、豪雨による農業被害に改めて!
農林水産省は7月22日現在、西日本を中心とする豪雨被害で、農林水産業に関する被害額が1千億円を超え、1197億9千万円に上がることを明らかにしました。まだ十分に把握できていない自治体も少なくなく、全体の被害額は今後も増える見通しとしています。
先ほど、給食でのキュウリの入荷がストップと書きましたが、箕面市内の農家さん方でもそれぞれに被害が出ています。箕面市農業公社でも、キャベツ畑が冠水しました。
7月9日(月曜日)、濁水が引いたキャベツ畑では、傷んだキャベツがゴロゴロ!キャベツの外葉や結球の基部が冠水状態のなかで、傷みと生理障害があっと言う間に広がりました。
「もう処分するしかない。ゴールデンウイークも休まず追肥して育ててきたのに・・・」
育ててきた職員からは今までの思いがこみあがります。
まだ食べられるのに残す、捨てるといった食品ロスが社会問題となるなか、豪雨被害に酷暑も続くこの7月。改めて「野菜を普通に食べれることのありがたさ」「作り手さんの毎日のご苦労のこと」を振り返っていただけたらと希います。
酷暑のなか、どの農家さんも、もう一度、再スタートです。7月22日(日曜日)止々呂美ふれあい朝市では、豪雨を乗り越えて夏野菜が並びました。是非、”箕面の朝市”に農家さんに会いに来てください!
箕面市ふるさと納税の利用を市民のみなさまに呼びかけるため、2018年7月31日(火曜日)までの間「えっ、箕面市民も寄附できるの?箕面市ふるさと納税!」を統一キャンペーンとして展開します。