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Channel: 部長ブログ@箕面市役所
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上下水道局は、“企業”です。

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皆さま、こんにちは。
今年の4月から上下水道局長を拝命しました小野啓輔です。

これまで、健康福祉部、市民部、地域創造部と経験を重ねてきました。
こう見えて(?)、部長職9年目を迎える、案外ベテラン部長です。

異動の時、いつも思うのですが、
仕事は、一人ではできません。
振り返ると、たくさんの市民の皆さまに
支えやお力をいただき、助けられ、許していただき、
生かしていただきながら、なんとか勤めていることを実感します。
心から感謝申し上げます。

私の人となりを知っていただくため、
過去のブログをご紹介します。

健康福祉部の初回は、こちら。もう8年前です。若いです。
市民部の初回は、こちら
地域創造部の初回は、こちら

●上下水道局は、“企業”です。

さて、上下水道局です。
上下水道局は、水道と下水を所管するという、
きわめてシンプルで、明快な部局です。
所管セクションも、経営企画室、水道工務室、浄水室、下水道室の4室で、
職員数は、臨時職員も含め45名、
他に、包括委託している上下水道庁舎1階の「料金センター」に、
民間会社スタッフが20名います。

上下水道局は、市役所の中でも、ある種、特別な組織体です。
それは、独立採算を基本とする「公営企業」だからです。
地方公営企業法第3条では、
  「地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、
   その本来の目的である公共の福祉を増進するように
   運営されなければならない。」
という「経営の基本原則」を定めています。
独立した企業として、経営戦略や経営手腕が求められ、
経営状況を的確に把握・公表できるよう、
特別会計「箕面市水道事業会計」と「箕面市公共下水道事業会計」が設置され、
複式簿記・発生主義による企業会計方式が採用されています。

当然、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書も作成し、
資産・負債・資本の概念や、減価償却、経常利益、
損益勘定、資本勘定の区分である3条「収益的収支」、4条「資本的収支」など、
市役所の「官庁会計(単式簿記・現金主義)」では出てこない、
企業会計処理がなされています。

さらに、「公営」の企業でもあることから、
例えば、株式資本金は無く、他会計からの出資があるとか、
国庫補助金等により固定資産を取得した場合は、
「長期前受金勘定」をもって整理するとか、
議会の議決を要する予算制度があることから、「予算決算対照表」を作成するなど、
株式会社とは、異なる点もあります。
官庁会計が「予算中心主義」、株式会社が「決算中心主義」であるのに対し、
公営企業会計は、「予算、決算の双方を重視する立場」と言われています。

今後、この経営状況についても、
できるだけわかりやすくお伝えできればと、密かに目論んでいます。
上下水道事業の経営状況は、こちら(箕面市上下水道事業年報)や、
こちら(上下水道事業経営比較分析表)をご覧ください。

【上下水道局庁舎(市役所の東側にあります。)】


●箕面の上下水道の歴史

箕面市上下水道局は、
平成21(2009)年6月に現在の名称になり、
上下水道局長は、私で4人目です。
しかし、箕面の上水道、下水道には、
それぞれ、先人が積み重ねてきた永い歴史と伝統があります。

箕面の水道事業は、今から68年前の昭和25(1950)年4月、
「箕面町議会」で上水道の町営化が議決され、
「箕面・西小路地区」に深井戸を水源とした水道施設を整備、
昭和26(1951)年4月から100戸に給水を開始したのが始まりとされています。
当時は、戦後復興期の物資不足の中、たいへんな労苦があったと伝えられています。
その後、台風や集中豪雨の被害や財源不足、さく井水量不足による給水制限、
水圧の不均衡、ポンプの盗難、赤痢対策、水利権の調整、府営水道の導入など、
幾多の困難を乗り越えながら、
水源地の拡充、私設水道の吸収、配水管の敷設・整備、浄水場、受水場の建設など、
急激な水需要に対応した拡張事業を果敢に進め、
現在では、全市域において安全で安定した給水体制を確立しています。


【昭和27年頃の西小路水源地】
 

 【現在の箕面浄水場(箕面市箕面2丁目)】

 


一方、箕面の下水道事業は、51年前の昭和42(1967)年に整備に着手し、
昭和61(1986)年度末には市街化区域の汚水整備をほぼ完了、
平成12(2000)年度には、止々呂美地区の汚水整備が完了し、
平成15(2003)年度には、下水道普及率は100パーセントを達成しています。
特に、昭和48(1973)年から平成5(1993)年までの故 中井武兵衞市長の時代には、
計画行政の推進と健全財政の堅持を基本理念に、
「流行のふわふわした政策よりも、1mでも下水道を延ばす」
という強い信念で、生活に密着した都市基盤インフラである下水道に全力を注がれ、
雨水と汚水を別々に排水する「分流式」の下水道を
全国的にもかなり早いペースで整備・実現しています。

今後は、上水道事業・下水道事業ともに、拡張の時代から維持管理の時代を迎え、
既存施設や設備の着実な更新や耐震化を計画的に進めていくことが必要です。
「箕面市上下水道事業経営改革プラン」「上下水道施設整備基本・実施計画」に
基づき、安心で安定した持続可能な健全経営を図っていくことが重要です。

【下水道管渠の長寿命化事業のイメージ】

          (施行前)          (施行後)管路更生のイメージ 


  
●日々是れ勉強

この部長ブログは、箕面市のことや市役所業務について、
市民の皆さまにPRし、より理解していただくことが目的ですが、
私にとっては、それに加えて、
自らの所管業務を掘り下げて勉強する絶好の機会と考えています。
人にわかりやすく説明しようとすると、
自分がしっかり勉強し理解していなければ、出来ないからです。
ただ、そのために「小野のブログは、長い」と
ご指摘を受けることも多いです。 
なので、今日はこのへんに、しときます。

今後も、できるだけ、簡潔・明瞭に努めるとともに、
作家の井上ひさし先生が、机の前に貼っていたと言われるメモ
  「むずかしいことをやさしく、
   やさしいことを深く、
   深いことを面白く」
には、遠く及びませんが、
志は高く持って、精進いたします。

こんな私ですが、
皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

箕面市ふるさと納税の利用を市民のみなさまにに呼びかけるため、2018年7月31日(火曜日)までの間「えっ、箕面市民も寄付できるの?箕面市ふるさと納税!」を統一キャンペーンとして展開します。


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