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Channel: 部長ブログ@箕面市役所
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箕面四季百景 ~ 田植えのころ ~

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おはようございます、農業委員会の吉田です。



一足先に終わった止々呂美地域に続いて、市内の水田では一斉に田植えが始まり、逆さまに映った雲の中でそよぐ早苗の姿を随所で見かけるようになりました。

公社がお借りしている水田も、農家さんに田植え機持ち込みでご協力をいただき、無事植え付けを終えることができました。

しかし、この外院地区のようにしっかりと地域で水田活用をされてきたところは問題ないのですが、止々呂美地区のように水が枯れて水路も崩れ長年放置されていた田は水引にも工夫が要ります。

こうして谷川から水の勢いを利用してホースで引き込むのですが、直接田に引き込むと水温が低すぎるのである程度田に入れるまでに距離を稼がなければなりません。

こうした知恵を地元の農家さんから教わりながら保全に取り組んでいるのですが、日照の条件も悪く鳥獣被害も多い地域で、どうしても労力の割りに収穫が低いところを耕すことが多くなります。

それでも「そんな邪魔くさいことはやめとけ!」とか「こんなとこやるだけ無駄や」というようなお声を農家さんがいわれることは一切なく、指導について厳しいお声をいただくことはあっても、こつこつと本当によくご支援いただいてありがたい限りです。

 

       

 

こうした農家さんの好意的な支援は、農業公社が単に耕作をしているというだけでなく、農家社会の中の一員になろうとする思いや農家さんの仲間に加えていただこうとする思いを感じとってくださっているからと思うのですが、いかがでしょう?

  

 

世間では「地産地消」の良さを説き推進をいわれますが、そんなに簡単に「地産」ができるものではありません。

昔からの農家でない農業公社にとっての「地産」とは、長い歴史と経験、そこから積み上げられた農家社会の仕組みの中に少しづつ加えてもらって、ようやく一員になることができたときに参加できる共助というシステムの上に成り立っているもので、そのことを継続し続けなければ一瞬で消えてしまうものなのです。

新鮮な野菜が買えるということで各地で朝市などが人気ですが、選別されて店頭に置かれているものだけが「地産」の全てではなく、買い物客や観光客などの目に触れないところでその他多くの「地産」が細ぼそと食せられ捨てられています。

農業公社の考え方は、当初から「食べられるものは食べる」ことをモットーにして、大きなものから小さなものまですべて収穫して余すことなく食材として活用していくというもので、だからこそ農家さんの共感を得、ご好意を受けられたものと思っています。

大切な「地産」野菜は全ての農業者の誇りであり、無駄なく活用されることは全ての農業者の願いでもあります。「捨てたくはないが捨てざるを得ない」から「捨てなければならないものは捨てる」という思いで「地産」に取り組み、農家さんと共に箕面の貴重な農地を守っていくことが公社の務めだと考えています。

 

       

 

  

 

さて、この止々呂美の農地へのルートは複数ありますが、私が通常よく通るのはドライブウェイから高山越ルートです。四季の移ろいを味わえる贅沢なルートですが、高山を越えて箕面市に入ると突然展望が開け、遥か足下に余野川を望む箇所があります。

少し前までは辺りの山桜が斜面を飾り、また新緑のパッチワークが迎えてくれていたのですが、さすがにこの時期になると山やまは深い緑につつまれています。

私は止々呂美そのものが名所であると思っていますが、このルートで旧道から緑のトンネルと化した林道を下り国道に入ると、これからのシーズンはバーベキューで賑わう止々呂美ふれあい朝市があります。
手強い農地に向かう途中、いつも羨ましく横目でみながら通るのですが、家族連れや若者同士など、多くの方がバーベキューや渓流釣りを楽しんでおられます。近くには棚田などもあり散策にも適していますので、ぜひ足を止めて遊んでいってください。
ボーと空を見上げているだけでもいろいろな小鳥の声が聞こえてきてリフレッシュになりますよ。(詳細はこちら

 

        

 

 

  

 

さて、次は突然ですが国会議事堂へ到着した安倍総理総理大臣の図、をご覧ください。

農業委員会も結構事業があって、先月末、毎年この時期に東京で開催される全国会長大会へ東山会長に随行して行ってまいりました。

豊能町、能勢町、豊中市、池田市、それに箕面市の会長・事務局長が揃い、東京で茨木市さんとも合流して、今年は会場である日比谷公会堂から地元選出国会議員へ全員で要請活動を行ってくることが主な目的です。

少し時間があったので、要請の相手方である原田憲治衆議院議員の秘書の方にお願いして国会内を案内していただいたのですが、たまたま外に出た時に上のカットに遭遇した、という訳です。

丁寧にご案内いただき、また映画さながら警察車両に護衛されて猛スピードで到着する総理大臣車も見る事ができ、なかなか面白い1日でした。

もちろん、要請もちゃんと行ってまいりました。その内容は先月お知らせしたとおり、以前から行っている農業委員会法改正にかかるものですが、法案成立は1カ月程度遅れて9月下旬になりそうとのことでした。

 

  

 

続いては、毎年この時期、市内各地で農家さんのご協力をいただいて開催する、子ども達の田植え体験授業のご紹介です。

貴重な時間を割いて、大切な田を提供して協力される農家さんには頭が下がりますが、子ども達の笑顔や歓声が励みにもなるようです。

写真は中小と西小ですが、他にもとどろみの森学園を始め多くの小学校で農家さんの協力のもと、田植え体験が実施されています。

毎年のことですが、これから収穫まで様ざまなことを学んで、農業を身近に感じてくれるようになって欲しいと思います。

 

   

 

さてさて、子ども達に負けず劣らず農業公社も忙しい毎日を過ごしています。

先月から続く玉ねぎの収穫に追われ、みんな一息つく間もありません。

2トントラックで何往復もして、作業所である旧松寿荘に玉ねぎが集まります。

昔から農作業のうちでもっとも労力がかかるのが収穫といわれているように、穫るだけでなく文字どおり収めるところまで行うのですから大変です。

毎日学校給食へ出荷されるのですが、公社農園だけでなく農家さんからの玉ねぎも集まり、作業スペースには玉ねぎが入れ替わりに並べられていきます。

ついには、「玉ねぎカールズ」と名づけられたユニットが誕生し、

田中隊員も、なんとなく玉ねぎに似てきたように思えます。

その田中氏、ついには青竹を切り出してきて手当たり次第に吊るしていますが、畑ではジャガイモも収穫を待っていますし、次の作物の植え付け準備に加えて、雑草も負けじと繁茂してくれるので、まったく忙しい毎日です。

一方で、こういうプロ農家っぽい畑の様子をみせてくれると嬉しくなるのも不思議なもので、おお!やっとこれぐらいの技量がついてきたかと公社職員の成長ぶりに目を細めるなど、忙しい中でも結構楽しい毎日であります。

 

そして、こちらは市所有地の管理を当面の間、農地として活用することになった芦原公園南東角でのジャガイモの収穫。

ジャガイモは土を掘り起こしていかなければ収穫できないため時間がかかります。おまけにこの土地はかつて水田だったため周囲に水路が走っているのですが、経年の耕作で土が減り水路より低くなってしまっていて水の逃げ場がなく、梅雨の雨に加えてこの時期は水路を流れる多量の水が漏れこみ、畝の谷間にかなりの量の水が溜まってビチャビチャになります。

収穫前のジャガイモへの影響を心配し、この水を抜くために穴を掘ったり水路清掃をしたりしましたが、そんな作業を厭わず黙黙とやり続けるのが笑顔が清清しい松本隊員。

まったく彼には感心します。スコップがなければ空き缶で掘り、皆が片付けに入っても最後の最後まで作業を続け、逃げようとするマムシを手で引っ張り、何がいるかわからない泥水の中にでも平気で素手を突っ込んで仕事をする、という男です。愚痴や文句を聞いたことがない上に、男の約束、特に秘密に関しても口が堅い(らしい)。

 

ああ、その彼の笑顔にどれだけ多くの人が癒されてきたことか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

で、そうこうしながら収穫されたジャガイモがこちらです。

普通、1本の蔓から5つぐらいできますが、土の上の方にあったものは日が当たって青くなっていて食べる事ができないため、使えるのは2つぐらいになるそうです。ぬかるんだ土地で、これなら十分な収穫でした。

写真のように小さいのも食べられるものは全て活用していくわけですが、形や大きさが不揃いな、これら全てが「地産」です。

 

       

 

  

 

また、こうした農業公社の活動に賛同して収穫のお手伝いを申し出てくださった団体が先日作業をされ、その様子が箕面FMでも放送されました。

お手伝いしていただいたのは箕面スポーツマンクラブ(庄司修三郎 会長)、さまざまな競技の経験者や愛好者が集まって、スポーツの話題を通じた交流を図られている団体です。

朝から10数名の方がたが参加されていましたがご苦労様でした。

皆さん、放送では不耕作農地から生まれた「地産」野菜を学校給食に活用するということに大きく賛同されていましたが、「口で言うのは簡単だけれど、実際やってみるとどれだけ大変なことかよくわかった」とおっしゃっていたのが印象的でした。

また機会があればよろしくお願いします、ありがとうございました。

 

  

 

さて、公社が玉ねぎに追われている間に、一足先にジャガイモの収穫を行ったのは西小学校の児童たちですが、ほぼ同じ時期に一般の方を対象としたサツマイモの農業体験も行われました。

この日ばかりは田中隊員も、しばし玉ねぎに追われることを忘れ子ども達と楽しそうに収穫を楽しんでいます。後ろでは久びさに登場する辻岡隊員の姿もみえますが、子ども達のにぎやかだったこと!

 

 

 

 

 

 

美味しいサツマイモ、楽しみですね!

そして子ども達との楽しいイベントが終わり静けさが戻った農地では、次の収穫に向けて作業が始まるのでした。

 

   

 

さて、皆さん月下美人という花をご存知でしょうか?

夕方から咲き出し、真夜中に満開、朝になればしぼんでしまうという一夜限りの美しい花といわれ、以前鉢ごといただいた花が咲いた深夜に撮っておいた写真がこれです。

フィルムからの転写のため、上下の向きがこれでいいのかよくわからないのですが、真っ白い綺麗な花だったのを覚えています。

花言葉の一つは「はかない恋」だそうですが、なるほど花のイメージにぴったりですね。

もっとも私の場合、「月下美人」といわれてピンとくるのは花よりも同名の曲で、歌っていたのは門あさ美。

知る人ぞ知る、今から30数年前のシンガーソングライターで、結構いい曲があったのですがテレビなどへの出演が少なく、同世代でも知らない人が多いようです。

美人で、当時の印象は「きれいなお姉さん」といった感じで好きな歌手の一人でした。
残念ながら私の持っているこのCDには同曲が収められていませんが、いい曲がたくさんあって、セクシーなジャケット写真のとおり彼女の姿をだぶらせて聴くと、30年以上たった今でもなかなか聴き応えのあるものでした。

♪ 好きな人出来たのと 始めて嘘ついたのよ
 あなたから先に別れの言葉 聞きたくなかった ♪ という曲から始まるのですが、天は二物を与えることもするんですねぇ。

さて、思い出したように十数年ぶりにこのCDを引っ張り出して聴いてみたのは、彼女と同姓の女性がこの4月から私たちと一緒に仕事をしてくれるようになったからです。

入所4年目の彼女、移動してすぐにミィーティングでも積極的に発言して資料を提示しながら提案を進めてくれて、いままでにない新風を吹き込んでくれています。

今年は主に農業体験や農業祭などイベントを担当してくれているようですが、まず自分自身が楽む!という姿勢で笑顔の和を増やしていって欲しいと思います。

門あさ美と同様、とてもチャーミングな彼女。じっくりと育てていただきますよう、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

   

 

       

 

  



最後に今月の一枚。

農業委員会にきて4年目になりますが、農家さんはみな真剣に農作業に取り組んでおられます。
それでも、思うように収穫が出来なかった、予定より前後した、時には全滅した、ということがあります。
それは、こだわりの飲食店さんが一目置く農家さんであっても同様です。

「地産」のものというのは、そういうものなのです。

必ず、いつも、どれも、ある、というのは「地産」ではありえません。そういう意味では、天候に左右されたり獲物に出会うことのない日もある漁師・猟師さんと似ているかもしれません。

そして、「地消」するものはその不安定さを承知して納得していなければ「地産」と「地消」の関係は成り立ちません。

今月の一枚は、指し苗をする東山農業委員会会長をご本人が気づかれないまま撮ったものですが、隙間に苗を埋めていかれる姿は真剣そのものでしたし、少し離れたところから撮影していた私には、合間に田を見つめる様子に愛着さえ感じられました。

こうして植えられ育てられたものを、一粒でも粗末に扱えるか、という思いがした時に、子どもの頃ご飯粒ひとつさえ大切に食べさせられていたことを思い出しました。

ではまた次月、ありがとうございました。

小さな画像はクリックすると少し大きな画像が開きます。

  

箕面市では、7月31日まで『自治会に入ってないかた・地域に自治会がないかた 今すぐ自治会に加入してください・自治会を結成してください!』の統一キャンペーンを実施中です。

 


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