こんにちは、箕面市農業委員会事務局長 野澤 昌弘です。
若葉が日に輝き、新たな芽が吹き始める ”芽生え(めばえ)”の5月です。
箕面市の北部 止々呂美 ビワ畑では、5月初旬から袋かけが本格化しています。
止々呂美地区のビワ栽培の歴史は古く、延元年間(1336~1340年)に始まったとも言われています。
高さ10メートルほどにもなる樹木に、農家さんは梯子をかけてのぼり、ひとつひとつ手作業で実を袋で覆い、繊細なビワの果実を守ります!
長く大きな楕円形の葉、新緑に温かみある褐色が幾重にも重なり広がっています。
箕面の特産品ビワは、「田中」という品種で、肉質が柔らかく、みずみずしい大ぶりの実が特徴です。6月下旬から7月にかけて果実が大きく成長し、出荷されます。
販売は改めてご案内させていただきます!
近くでは、田んぼの準備が進み、水が引かれるのを待つばかりです。
春は農家さんにとっては忙しくなりはじめる季節です。
田んぼに水を引く前にトラクターで土を掘り返し耕します。
この耕起で、種まきや植付けに適した土塊の大きさに砕き、収穫後の稲わらをすき込み、土を軟らかくします。
おコメは八十八の手間がかかるとも言われています。
耕起により十分な作土を確保することは、水稲の根張りの深さを決めることになり、この後の田植えや稲の生育に大きく影響します。八十八・・・その一つ一つがおコメの味に関わってくる大切な作業です。
1.コメ作りがはじまる5月。あちこちで農業を学ぶ体験も!
子どもたちにとって、世界は知らないことばかりでできています。
5月2日(火曜日)箕面保育園では、園児たちが、種籾(たねもみ)から出芽させる(いわゆる「育苗」)体験を行いました。
お米(コメ)の種子は、「もみ」と呼ばれ、植物学的にいうと果実(玄米)をもみ殻が包んだ形です。稲の一生のスタートは種もみの発芽から始まります。
種もみが発芽するには、3つの条件が必要です。1つめが水です。種もみの重さの約15%の水を吸うと発芽を始めます。2つめが温度です。いくら水を吸っても、10℃以下の温度では発芽できません。発芽の最適温度は32℃です。3つめが酸素です。水中の酸素がひどく不足すると、発芽は異常になります。小学校の理科で習いますが、農家さんのご協力で目の前で実体験しました。
園児たちによって、種もみが苗床(育苗箱)に均等に撒かれていきます。最後に先生がスコップで軽く土をかぶせていかれました。
苗床にまかれ、覆土された種もみの幼根は土の中へ伸び、幼芽は覆土を貫いて地上に出てきます、出芽です。幼芽や幼根は、もみの中の胚乳の養分を消費しながら生長します。この苗を水田に移植することが”田植え”です。田植えした苗は2~3日すると新しく根が出て、その根が伸び始めて活着(かっちゃく)していくのです。
2.市民のみなさんも参加できる”田植え体験”を実施します! ~参加希望受付中!~
6月3日(土曜日)白島地区の田んぼで、コメづくり体験を行います。今年は、市民40組の参加を募集しています。
参加費は、1世帯2,000円。毎年、1組あたり3~5㌔のおコメを収穫して持って帰っていただいています。
泥んこになって自分たちで植えたおコメは、味も格別です!
【田植え体験】
日時
6月3日(土曜日)10時から12時頃
場所
白島2丁目
参加料
1組2,000円
申込締切
5月24日(水曜日)
田植体験の場所は、4月29日(祝)に開催された白島レンゲまつりの真ん中にある田んぼです。
レンゲ祭りが終わって、5月2日(火曜日)お世話いただけるコメ農家 岡村幸雄さんがレンゲをすき込みながら田んぼを耕されていました。
レンゲの持つ窒素栄養分がそのまま田んぼの地力(養分)になります。
コメづくり体験、是非ご参加くさだい!
3.平成29年度箕面市農業委員会事業計画が決まりました!
4月13日(木曜日)、農業委員会総会が開催され「平成29年度箕面市農業委員会事業計画」を決定しました。
本年7月には現農業委員の任期(3年)が満了し、新委員へ交代となります。
平成29年度事業計画は、年次の事業計画であるとともに、新体制に“何を引き継ぐ”“何を伝える”のかを示すものと位置づけています。(事業計画はホームページでも公開しています)
農業委員会が昨年8月に行った農業者アンケート調査では、「農業後継者がいない」が約32%、「(概ね5年後の)農業経営は離農や縮小を考える」が約25%を占めています。
箕面の農業を支える高齢農家の皆さんの将来への不安・悩みを、同じ農業に関わる農業委員が、早期に把握して適切なアドバイスを行い、また、実行組合や近隣農家など ”地域で支え合う中へ”橋渡しをしていくことが重要です。
課題の早期発見、そして早期の的確な対応!
そのために、農業委員の農地パトロール活動をはじめ日常的な地域内での活動を今年も委員会活動の根幹としていきます。
(5月8日(月曜日)、市内農地の状況を見て回る農業委員の皆さん。上写真は白島地区、下写真は奥地区。)
新体制移行まであと3か月、地区毎の課題をきちんと整理し後進へ引き継ぐ、継続性と信頼、期待される農業委員会活動をめざします。
4.箕面東高校16歳の農業実習生! がんばる!
箕面市農業公社では、大阪府立箕面東高等学校から29年度前期デュアル実習(職業体験)の受入を行っています。
4月25日から8月29日までの期間で毎週火曜日に農業を学びに来られるのは、高校2年生16歳 名賀 菜々子(みょうが ななこ)さん。
(写真右が名賀さん。左が公社職員長谷川さん)
「おばあちゃんの田舎は山梨県で、梨(果樹)や大根を育てていました。農業に興味があって、将来は自分も農業関係の仕事に就きたいです。畑で体を動かすことは、とても好きです!」
5月9日(火曜日) 外院地区で学校給食に出荷する新玉ねぎの収穫です。
名賀さんに感想を尋ねると、「畑は想像していたとおり、いつも面白いです! 玉ねぎは、手でひっこ抜くんだあ・・・知らなかった!」と話されてました。
名賀さん、夏にむかって暑くなりますが、体調管理しながら、頑張ってください!
さて、箕面市農業公社では、5月8日(月曜日)から(早生)玉ねぎの収穫をはじめています。学校給食でも、5月から市内農家さんからも、箕面産玉ねぎの入荷がはじまり、6月・7月は全量が箕面産になるほどです!
身近で穫れた甘い玉ねぎです!
箕面市農業公社では、玉ねぎの収穫を体験したい方を募集しています。
「収穫ということを味わいたい方」、「農業というものを体全体で感じてみたい方」、「応援したいという方」、農業委員会事務局農業振興課までお問い合わせください!
箕面市では、2017年4月1日(土曜日)から2017年7月31日(月曜日)まで、「病気やけが、何かあったら#7119救急安心センターおおさかへ!」を統一キャンペーンとして実施中です。