皆様こんにちは。市長政策室の稲野です。
朝夕めっきり涼しくなり、季節はもう秋。運動会に文化祭に遠足に、子どもたちの楽しい行事が目白押しです。しかし、神戸市長田区で、また子どもの尊い命を奪う、残虐な事件が起こりました。美玲ちゃんのご冥福を心からお祈りいたします。二度とこんな事件が起こらないよう、みんなで子どもを見守っていかなければ…と強く思います。
(淡い匂い漂う市役所玄関前のキンモクセイ)
さて、この夏は毎週のように、週末に台風や集中豪雨が本市を襲い、床下浸水や土砂流入、法面崩落や通行止めなど、市民生活にも少なからず被害や支障が生じました。市役所では災害対策本部を設置するなど、その都度、多くの職員が出務して、徹夜態勢で警戒や市民の問合せ・依頼に対応するとともに、応急復旧作業を行いました。(詳しくはこちらをご参照ください。)
今回は、今夏の災害を教訓とした災害防止体制の強化策について、その代表的なもの2つをご紹介します。
○箕面北部特別対策部の設置
台風11号は、8月9日(土曜日)に本州に接近し、市役所は徹夜で警戒にあたっていましたが、翌10日(日曜日)朝には兵庫県赤穂市付近に上陸し、足早に日本海へと抜けていきました。あらかじめ進路の予測ができ、警報も発表されていましたので、昼間のうちに、土砂災害の危険エリアが校区内にある10の学校を避難所として開設するなど、比較的余裕をもって準備ができました。被害としては、粟生間谷西で敷地内の土砂崩れにより1名が骨折され、救急搬送される事案と、市道・林道などで法面崩壊等がありました。
しかし、このとき、止々呂美地区では急激に強い雨が降っており、いくつかの箇所で山間部から土砂や竹木が流出していました。中でも、中止々呂美交差点(国道423号から箕面森町へ分岐する交差点)は、流出してきた土砂が水路を溢れ、交差点に堆積し、国道が通行止めとなりました。
市役所など市街地では、豪雨というほどの雨ではなかったので、止々呂美のかたから市役所へご連絡をいただいたときには、とても驚きました。また、その時点では箕面グリーンロードも国道423号も通行止めになっていて、現地にすぐに向かえない状態でした。
(土砂撤去後の中止々呂美交差点のようす)
このことを教訓として、去る9月5日付けで、市災害対策本部に「箕面北部特別対策部」を追加しました。この対策部は、箕面グリーンロードや国道が通行止めになっても、止々呂美・森町地区の災害防止活動にあたることができるよう、止々呂美、森町、豊能町、能勢町、猪名川町などに居住する職員24名で構成しています。
今後、災害発生時等に市災害対策本部が設置されたときは、市役所へ登庁せずに、「とどろみの森学園」へ参集し、現地で「ミニ災害対策本部」として、警戒パトロールや情報収集を行い、地域の皆様と協力して、軽易な応急復旧作業等に従事します。基地局としての情報機器や応急復旧資器材も順次、整備し、市民からの問合せ・依頼にも現地で対応し、北部の災害防止活動はすべて担えるようにしていきます。
(市災害対策本部の組織図)
○水防政策推進課の新設
8月24日(日曜日)の夕刻から降り出した雨は、如意谷地区で午後7時から8時までの1時間に70ミリメートルを記録するなど、突然の豪雨となり、その周辺と下流地域に大きな被害をもたらしました。当日は、大雨の予報もありませんでしたが、夕刻に雨脚が強くなってきたなと思っていたら、急激に土砂降り状態となる、まさに「ゲリラ豪雨」となりました。
市では、毎週のように多量の雨が降り、地盤に水分が多く含まれていたことや、それまでの降雨で土砂流出などの被害が発生していたことから、あらかじめ職員を増員し、警戒態勢を強化していました。また、雨脚が強まった時点で、すぐに災害対策本部を設置し、各対策部の職員を非常招集しました。
しかし、一時に激しい雨が降ったため、市内のあちらこちらで側溝や水路が溢水し、市民の皆様から、「土のうを持ってきてほしい」、「家に雨水が入ってきているので見に来てほしい」などの電話が鳴り止まず、すべてに対応できたのは深夜になりました。
また、如意谷5丁目のマンションの地下駐車場に、法面崩壊による大量の土砂が流入しているとの情報があり、如意谷3丁目と5丁目に対し、本市の記録上、初めてとなる「避難指示」を発令しました。この地区の避難所は、第二中学校となるため、皆さん自家用車を乗合でご利用いただいたり、移動が困難なかたには、市の公用車で数回に亘り移送も行いました。そして、体育館で約350名のかたが不安な一夜を過ごされました。
雨水に対応する現在の都市施設は、1時間当たり50ミリメートルの雨量を想定して設計されているため、このようなゲリラ豪雨の際は側溝や水路、河川から大量の水が溢れることがあります。さらに、排水口や会所に落葉や土砂がたまっていると、本来の機能が十分に発揮されず、道路が川のようになったり、側溝・水路・河川から土砂混じりの水が溢れだしたりして、道路冠水や床下・床上浸水等の被害が生じます。
また、組織的な課題として、側溝は道路課、水路・河川・ため池は公園みどり課、雨水管は下水道課という、担当課が複数に分かれ、有事の際の対応や普段からの抜本的な対策が講じにくいことも課題ではありました。
これらゲリラ豪雨による被害を教訓として、一昨日、10月1日付けで、側溝・水路・河川・ため池・雨水管など、水害防止にかかる施設をトータルにとらまえ、抜本的な対策を指揮・徹底する組織として、総務部に「水防政策推進課」を設置しました。
まずは、今回の水害の原因分析を詳細に行い、全市的な施設点検・把握等も進めながら、今後、水害防止に向けた対策を講じていきます。
(災害対策本部のようす)
○心の減災に向けて
今日は10月3日で「登山の日」らしいです。先日、御嶽山が噴火し、多くのかたが犠牲になられています。その徴候はあったらしいですが、皆さん、噴火するとは全く思われていなかったようです。「災害は忘れた頃にやってくる」といいますが、覚えていても、これまでに予想していなかった災害が次々と発生しているように思います。
台風や地震など自然災害の発生を防止することはできませんが、被害をできるだけ少なくすることはできます。そのためには、心の準備が最も重要です。
また、今回も改めて感じましたが、災害発生時に市役所ができることは限界があります。特に、風水害はある程度、予測ができますので、普段からご近所の側溝や水路の点検・清掃をいただくとか、あらかじめ土のうを用意いただくなど、各ご家庭で可能な範囲内でのご協力をお願いいたします。
詳しいことは、こちらをご覧ください。
箕面市では、10月20日まで『「滝ノ道ゆずる」が今年も出陣!ゆるキャラ(R)グランプリ2014』の統一キャンペーンを実施中です。